“スガシカオの再来”話題の会社員ミュージシャン「データアーティスト」中心メンバー山本覚(中央)を直撃【モデルプレス】

“スガシカオの再来”会社員ミュージシャンが話題に「異常に上手い」ネット騒然 彼らの素顔とは<モデルプレスインタビュー>

2015.11.23 18:00

会社員が自分たちでPVを作ってみた―。ネット上に上げられた、サラリーマンたちが会社で歌う謎のPV。それが「異常に上手い」「これは良曲」「クオリティ無駄に高い」と話題になっている。モデルプレスは、その謎の会社員バンド「データアーティスト」にインタビューを実施。彼らは何者なのか、会社員でありながら音楽活動を続ける理由、目指す先を聞いた。

「データアーティスト」ヴォーカルの山本覚(やまもと・さとる)が作詞作曲を手掛け、バンドをまとめる中心メンバー。そして彼は、代表取締役社長でもある。社長を中心に結集した社員たちからなるこの異色のバンドは、ニコニコ動画でPV「カフェ喫茶魂」を公開すると再生回数8万回を突破、ニコニコインディーズランキングの1位に輝くなど、ネット上の話題をさらった。

PVで見せるコミカルさからは似つかない本格的な楽曲、会社員ながら高い支持を得る本気の音楽は、どこかサラリーマン出身のシンガーソングライター・スガシカオを彷彿させる―。


― まず、会社員のみなさんがなぜバンドを結成することになったのでしょう?

山本:音楽を自社のPRに使おうと思ったのがまず始まりです。まだまだ小さい自分たちが他の大きな会社と同じ土俵でPRをしていては太刀打ちできないので、何か目を引くような手法は無いか探していました。色々調べていくと、今後動画市場が伸びていくこともあり、自分がかねてから趣味で取り組んでいた音楽と動画の相性が良いことなどがあって、PVをネットに上げることになりました。

初めて動画コンテンツを上げた時に、思ったよりもユーザーに反応してももらえたことや、ニュースに取り上げてもらえたこともあり、本格的に取り組もうと思いました。

― バンドのコンセプトはありますか?

山本:バンドのコンセプトは「データに基づき真面目にマーケティングする」。うちはマーケティング会社なので、自分たちの普段のフレームワークがどこまで音楽業界で適応できるのかの検証も含め、きちんと曲を聴いてくださる皆様のことを調査し、音楽に対してどのようなことを求めているのかを真っ向から考えようとしています。ただ、そのうえで、調査して調査して、どうしてもわからないことが有ったり、他に譲れないことあったりすることもあるので、そこは人間が持っている“ひらめき”的な可能性も大事にしています。

― PVを公開されて、かなり反響があったのでは?

山本:8万回の再生なので、世の中に知れ渡っているという事は全然ないですが、「あのPVの会社の人ですよね?」と言われることは増えたと思います。仕事上プラスにはなっていると思います。それと、新卒採用で、あのPVを見て入社したいと思いましたと言っていただくことも多いです(笑)。

会社員との両立での苦労

データアーティスト
データアーティスト
― 会社員をされながらのアーティスト活動は、やはり苦労も多いのではないでしょうか?

山本:基本的に苦労を感じたことは無いですね。曲は基本的にタブレットのアプリで作っているので、作詞・作曲ともに、最近作った曲は全部電車の中で作っています。なので時間的な厳しさは無いです。30歳以上のビジネスマンに聴いていただくことが多いので、仕事をしながらそのリアルな肌感を歌詞に書けるというのは、聴いてくださる方と同じ立場に立てるという点でプラスだと思います。

ただ、「カフェ喫茶魂」のPV制作に関しては、初めての企画だったことや、そもそも色モノ企画なこともあり、とにかく社内からの冷ややかな視線を感じましたね(笑)。如何に早く撮り終えるかという事に集中していました(笑)。特に苦労したのは、ドラムパートの撮影です。エアードラムといえど本気で踏み込まないと臨場感が出ないので、とにかく激しく踏み込み強烈な音量を出していました。その瞬間の冷ややか度合いはかなり厳しかったです…。

― 社員の皆さんの様子をうかがいながらの撮影だったんですね(笑)。ただ、楽曲は本格的。そのギャップがユーザーを惹きつけている一因かと思いますが、楽曲制作はどのように行っているのですか?

山本:カフェ喫茶魂に関しては、曲自体は大学生の時に作ったものなので、いきなり編曲から入りました。通常は作詞・作曲を私が行い、それを友人に編曲をお願いして、出来たタイミングで歌を入れるという風に作っています。

まず最初に曲を通して一番伝えたい一つのメッセージを考えます。「カフェ喫茶魂」で行くと、「いろんなことが出来なくても一番信じていることに魂を乗せてぶれない」みたいな感じです。その後、そのメッセージとマッチするようなメロディーとバック演奏のイメージを作ります。その後、メロディーに語感があう言葉を適当に乗せていきます。この時、あんまり伝えたいメッセージと関係なくてもどんどん乗せていきます。一通りゴロの良いフレーズがそろったら、そのフレーズの意味を無理やりつなげて、メッセージと整合性を取って出来上がりです。この作り方だと、ロジカルな部分に偶然性みたいなものがいい感じに入り込むんじゃないか?と思っています。

― 楽曲制作でのこだわりはありますか?

山本:非日常的な世界観を作るというよりは、リアリティーのある日本の一中年男性としての素朴な部分を歌にしたいと思っています。なので、過去に作った曲のタイトルで、カタカナのものはありますが英語のものは無い気がします。

音楽のルーツ 本気でミュージシャンを目指した過去

データアーティスト
データアーティスト
― 「カフェ喫茶魂」は大学時代に制作されたと伺いましたが、これまでの音楽活動についてもお聞かせください。

山本:小学生のときにエレクトーンを習っていて、すごくヘタクソですが音楽にはもともと興味がありました。そこから、中学校の文化祭で先輩たちがバンドをやっているのを見て漠然と憧れを持ち、高校生の時にもともとコピーバンドをやっていた友達のバンドでちょこちょこ歌を歌わせてもらうようになりました。

大学に入ってからは「本気でプロのミュージシャンになれないか?」と思うようになって、学業そっちのけで音楽ばかりやっていました。オリジナル曲を作るようになって、ひたすら渋谷近辺でライブをやっていた気がします。実はバービーボーイズの“イマサ”こと、いまみちともたかさんと活動させていただいたこともあるんです。

― そうなんですか!どのような経緯で?

山本:音楽をずっとやっているうちに事務所的な場所に出入りをするようになり、そこでいまみちさんを紹介していただきました。人生で初めて一緒に何かに取り組ませていただいた芸能人の方だったので相当感動しました。

バンドを一緒に組むか組まないかみたいな話になり、楽曲を2曲作って頂き、「さぁこれから取り組んでいくか!」というところで、僕自身人生を見直すべき転機があって…。きちんと勉強をして、人の命に関わるような仕事につこうと思いました。そのことをいまみちさんにお伝えしたところ、その道を目指すこともすごく大切なことだからと背中を押してくださいました。それから直接お会いすることは無いのですが今でもfacebook上では友達になってくれています(笑)。

― 大学時代までに培ってきた音楽活動が現在のバンドのルーツになっているんでしょうか?

山本:大学のころのフランス語の同級生かつバンドメンバーだった友達が、今でも録音と編曲をしてくれているので、学生時代のバンド活動は今の音楽活動にとっても活きています。

高校の時に1年間イギリスに住んでいたこともあり、がっつりUKロックの影響を受けています。当時流行っていたこともあり、音的にはオアシスが今でもすべてのバンドの中で一番好きだと思います。歌詞だと、Mr.ChildrenやBUMP OF CHICKENのような心の奥の方を深く見ようとするようなものが好きです。

― 目標としているアーティストや目指すアーティスト像はありますか?

山本:相対性理論のようにウェブを中心に活動しながらも多くの方に認知されるようなアーティストになりたいと思っています。楽曲や歌詞という点では、やはりBUMP OF CHICKENのような、子供のころから今に至るまでの人生のいろんなシーンをフラッシュバックさせてくれるようなアーティストに憧れますね。リアリティーのある、素朴な日本の一男性としてのにおいの残るアーティストでいたいなと思います。

夢を叶える秘訣

データアーティストがモデルプレスを訪問!
データアーティストがモデルプレスを訪問!
― では最後に “夢を叶える秘訣”のアドバイスをお願い致します。

山本:自分の夢が叶った時に、どれだけ多くの人が喜んでくれるかを考えるようにしています。みんなが喜んでくれる夢を描ければ、きっと多くの人が助けてくれて、夢が叶うんじゃないかと思っています。

― ありがとうございました。

“人生の1シーンをフラッシュバックさせるような心を打つアーティスト”。彼らが目指すその場所に向け、新曲制作が始動している。オフィスで撮影されたコミカルな「カフェ喫茶魂」に続く第2弾「いつかのるるる」PVは、モデルプレスで収録を実施。今までのイメージを覆すであろう新たな楽曲、PVにも注目だ。(modelpress編集部)

データアーティスト 山本覚(やまもとさとる)プロフィール

1982年、埼玉県生まれ。データアーティスト株式会社 代表取締役社長。バンド「データアーティスト」の作詞・作曲・歌を担当する。

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