

多くのファンを生む茅乃舎だし。そのルーツ「御料理 茅乃舎」と地元生産者との取り組みvol.2
2023.12.07 05:39
福岡県の久山(ひさやま)町に、2005年「御料理茅乃舎」のレストランがオープンしました。実はここで使われるだしが評判となり、商品化されたのをご存知ですか?いわば茅乃舎のルーツとも言える場所。この記事では御料理茅乃舎と茅乃舎が大切にしているスローフードの取り組みについて紹介します。
茅乃舎のだしが誕生「御料理 茅乃舎」
福岡県博多市から車で30分ほど走ると、山や緑に囲まれた久山(ひさやま)町が広がります。その中でも特に静寂な場所に御料理 茅乃舎はあります。お店の前には川が流れ、春は桜、初夏は紫陽花やホタル、秋は紅葉と訪れるタイミングで日本の四季を楽しむことができます。 敷地内には樹齢300年ほどの御神木もあり、地元の人がお参りにくることもある神聖なエリア。ますます身も心も清らかな気持ちにさせてくれます。ここで見る木々や澄んだ空気、匂い、都会では味わえない風景を堪能しながら入り口へ向かいます。手入れが行き届いた茅葺き屋根
幾層にも重ねられた茅葺き屋根は、間近で見るとその迫力に圧倒されます。名だたる茅葺き職人たちが80トンもの茅を担ぎ、1本ずつ丁寧に重ねて造りあげた屋根。定期的な手入れが必要ですが、お金や手間をかけても、茅乃舎では昔からの日本の原風景を残し続け、後世へ伝えていくことを大切にしています。
シーンに合わせて選べる店内
母屋と離れ(楽舎)で構成されており、メインダイニングとなるテーブル席と楽舎には個室があります。テーブル席の奥にはかまどが3台設置され、今も現役でお米を炊いています。かまどで炊くご飯という歴史や文化を継承し、ここでも茅葺き屋根同様、日本の文化を垣間見ることができますよ。 また、バーカウンターが設けられたエリアもあり、昼間はカフェ、夜はバーとしてゆったりとした時間を過ごすことができます。
御料理 茅乃舎が詰まったお食事
前菜
いよいよお食事です。内容は毎月変わり、季節のものを中心に献立が構成されます。先付から始まり、木箱に入った彩り豊かな前菜が登場。鯖の燻製(左)、柿を使った秋の白和え(左上)、ほうれん草の玉子焼き(右)、木の子のキッシュ(中央)、根菜のきんぴら(右)と色も調理法もさまざまな料理を少しずつ食べられます。お酒の肴にもぴったりな逸品で、地酒と合わせていただくことができますよ。
大地の恵スープ
大根や人参などの根菜をたっぷり使用し、炒り米も加わった濃厚でとろみのあるスープです。野菜の甘みが口いっぱいに広がり、食感も味わえるまさに食べる黄金スープ。体の芯までじんわり温まり、滋味深い味わいに驚きます。蓮根豆腐、路代おばあちゃんの逸品
メニューに人の名前が付けられたユニークなひと品。里芋の胡麻和え(左上)と小松菜の煮物(右)です。とてもシンプルな料理ですが、胡麻和えは里芋のやさしい味が引き立ちます。小松菜はこれまでに味わったことのない歯触り、シャキッシャキッとした食感が止まらない鮮度抜群のおいしさです。どれも野菜本来の味を上手に引き立たせた調理法で、シンプルだけど野菜が主役と言える見事なメニューです。料理長がスローフードの達人と呼ばれる地元農家の長野路代さんに、さまざまな野菜のおいしい食べ方やレシピを学んでおり、こちらがそのひとつ。長野おばあちゃんの知恵が生かされた料理です。
里山サポリで収穫された野菜
後ほど紹介する里山サポリで収穫された野菜料理。黄金色に輝くローストしたさつまいもに、緑や紫の鮮やかな葉もの野菜が添えられます。一見すると普通の野菜サラダに見えますが、ひとつ一つの野菜をじっくり味わうことのできるメニューです。「野菜ってこんなにおいしかったの?」と、それぞれの野菜の味が際立ち、どれも力強い味わい。自然の恵みに思わず感謝したくなる、そんな食の原点を呼び覚ましてくれるような料理です。
いよいよメイン料理。十穀鍋
御料理 茅乃舎を代表する、十穀鍋。地元の窯元とコラボしたという重厚感のある土鍋で登場です!具材は、豚肉とたっぷりの水菜、しめじ、ネギ、ごぼう、にんじん、クコの実まで入っています。豚肉と水菜以外はしっかり火が入った状態でサーブされ、目の前で仕上げますよ。昆布とカツオだしの良い香りが一気に広がり、胸が高鳴ります。 野菜やお肉の旨みが滲み出ただし、そのだしの味をまとった具材、十穀の食感、口に含むと重なり合う旨みと調和。いつまでも口に含んでいたくなります。毎日食べても食べ飽きない、体にやさしいとおいしいが叶うお鍋に感動です。
十穀鍋は、この味を求めて遠方からはるばる来店するお客さんがいるほど、御料理 茅乃舎の人気メニューです。そして、このだしの評判を受け茅乃舎のだしが商品化されました。今では多くのファンを持つ茅乃舎を代表するだしとして広く知れ渡っています。
地元農家さんとの連携。スローフードの取り組み
御料理 茅乃舎で紹介した、里山サポリで野菜を作っているのが、久山町で農業を営む城戸勇也さんです。実は、茅乃舎のあごだしのカスを肥料に使って野菜を育てています。城戸さんは元々イタリア料理店で働いており、7年前に農家へ転身。現在ではこだわりのイタリア野菜を100種類以上作っています。 あごだしのカスを混ぜ込んだ肥料がこちら。だしの香りが畑中に充満します。畑に足を踏み入れてから、だしの香りが広がることにとても不思議な感覚でしたが、肥料の正体が分かると非常に納得しました。
あごだしのカスを入れることでアミノ酸が豊富な肥料となり、アクを抑え、野菜本来の甘みを引き立たせるのに効果的なんだそうです。 ほかには米糠や卵の殻など自然由来のものを配合し、独自に開発した肥料を使って野菜を育てています。「土作りがとても大事」だとお話しする城戸さん。地元のものでおいしい土作りができないかと模索し、久原本家との取り組みが始まりました。
地元農家さんとの連携により、SDGsを目指した地球環境にやさしい循環が生まれました。だしのカスを利用して育てられた野菜が、再びおいしい料理となって私たちに感動や笑顔を与えてくれることも、なお食の循環として感慨深いものを感じます。
御料理 茅乃舎から食文化を発信
創業当時から福岡県の久山町に根差し、ふるさとの味と生産者の人たちを守り、おいしいものを徹底的に追求する姿勢は、茅乃舎のブランド作りの真髄と言えます。こうした想いが商品に反映され、多くのお客さんから愛され、ファンを生み、感動を与え続ける理由だと実感することができました。また、食文化を後世に残し伝えていくことが、日本のみならず世界に向けて良い発信力となり、広がり続けることと思います。
普段茅乃舎のだしを使っている方もそうでない方も、機会があったらぜひ、だしが誕生した「御料理 茅乃舎」へ足を運ぶことをおすすめします。きっと今までにない茅乃舎との新たな出会いが待っているはずですよ。
久原本家グループ | 公式サイト
多くのファンを生む茅乃舎だし。久原本家が愛される理由とは?vol.1 - macaroni
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