中高生~新社会人、必見! 成績もメンタルも変わる「脳を変える食べ物」とは【医師が解説】
【児童精神科医が解説】食生活は健康な体をつくるだけでなく、成長途中の「脳」にも深く関係しているようです。思春期から20歳前後にかけて、野菜や果物をよく食べている人ほど、成績や記憶力、集中力が高く、気分も安定しやすいと報告されました。分かりやすく解説します。(※画像:Shutterstock.com)
体の健康を守るために大切な食生活。近年では、学校の成績やメンタルの安定などの「脳の働き」にも、食生活がよい影響を与えることが明らかになりつつあります。
特に脳が発達する思春期から20代前後の若い人において、果物や野菜の摂取量が多い人ほど、
・学業成績が良好である
・記憶力・注意力が高い
・作業スピードが速い
・気分が安定しやすい
といった傾向が認められています。
思春期から20代前後の若い人は「脳が伸びる最後のチャンス」!
思春期から20代前後の若い人は、脳の発達が続く非常に重要な時期です。この時期の生活習慣は、将来の健康状態だけでなく、学習能力や精神的な安定性にも長期的な影響を及ぼすことが分かっています。
しかし現実には、青少年の多くが野菜や果物を十分に摂取できていません。調査では、果物を十分に摂取している人は約45%、野菜は約30%にとどまると報告されています。
約5000本の論文から見えてきた「脳と食事」の関係
今回紹介する研究では、2014年から2024年までに発表された約5000本の論文を、複数の医学・栄養学データベースから検索しました。
その中から、野菜・果物の摂取量と認知機能(記憶力、注意力、反応速度、気分など)との関連を評価した6つの論文を詳しく分析しています。
これらの分析から、思春期から20代前後の若い人において、野菜や果物の摂取量が多いほど認知機能が良好である傾向が示されました。ただし、これまでの研究では、摂取量と具体的な認知機能との関係が十分に整理されていなかった点には注意が必要です。
※インド、マニパル大学産婦人科、Joyce Sangeetha Soansらによる栄養学に関する研究論文誌、Journal of Nutritional Science誌、(2025年11月報告)
なぜ野菜と果物は「脳」によいのか?
研究からは、野菜や果物をしっかり摂る食生活が、思春期から20代前後の若い人の脳の働きによい影響を与える可能性が示されました。
ただし、この研究は因果関係を証明するものではありません。
野菜や果物を多く食べる人は、
・運動習慣がある
・睡眠が安定している
・収入や学歴など健康に影響しうる社会的要因が大きい
といった、他の健康的な要素を併せ持つ可能性があるためです。
それでも、成長期や若年期におけるバランスの取れた食事が脳の健康に関与することを裏付ける結果と考えられます。
野菜ジュース、果物ジュースは効果なし? 「そのまま食べる」ことがカギ
この研究では、野菜や果物をそのままの形で摂取した場合のほうが、認知機能がより良好だったという結果も示されています。
一方で、食物繊維が比較的少ないジャガイモや、果汁(ジュース)では、効果がはっきりしない傾向が見られました。手軽な野菜ジュースや果物ジュースで、野菜や果物を補っているつもりの人も多いかもしれませんが、残念ながらあまり効果がなさそうです。
野菜や果物をそのまま食べると、
・食物繊維が豊富で血糖値の上昇が穏やか
・「噛む」行為が脳への刺激になる
・カロチン、ビタミン、ミネラル、フラボノイド(ポリフェノール)を自然なバランスで摂取できる
といったメリットがあります。もちろん、生活習慣全体の影響も否定できないため、今後さらに研究が進んでいくことが期待されます。
児童精神科医の視点から
野菜や果物の摂取量に代表される食生活の質は、思春期から20代前後の若い人の脳に大きな影響を与える可能性があります。
体の健康だけでなく、学習効率やメンタルの安定を支えるためにも、日々の食事を見直してみましょう。
■参考文献
Joyce Sangeetha Soans,Judith Angelitta Noronha,Suneel C Mundkur,et al.Intake of fruits and vegetables (FAVs) on cognitive functions among adolescents and young adults: a scoping review.J Nutr Sci.2025 Nov 20:14:e82.
小児神経学・児童精神科を専門とする小児科医・救急救命士。プライベートでは4児の父。子どもの心と脳に寄り添う豊富な臨床経験を活かし、幅広い医療情報を発信中。
執筆者:秋谷 進(医師)
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