「夜の食べ方」が太りやすさを左右する!? 管理栄養士が教える「NGナイトルーティン」

2025.10.24 20:15
提供:All About

「夜に食べると太る」という話を聞いたことがある人は多いはず。“何を食べるか”だけでなく、夜の過ごし方そのものが太りやすさを大きく左右しているのです。今回は、「ありがちなNGナイトルーティン」と「太りにくい夜の習慣」を解説します。

「夜に食べると太る」という話を一度は聞いたことがあると思います。しかし、実際には“何を食べるか”だけでなく、夜の過ごし方そのものが太りやすさを大きく左右しているのです。

特に40~50代になると、基礎代謝の低下やホルモンバランスの変化により、20~30代と同じ生活をしていても体重が増えやすくなります。さらに、仕事や家庭の忙しさから「夜はつい楽な習慣に流れてしまう」という人も少なくありません。

今回は、「ありがちなNGナイトルーティン」とその改善方法を管理栄養士の視点から解説します。

夜の過ごし方が太りやすさに直結する理由

夜は、人間の体内時計のリズムから見ても「活動から休息へ切り替わる時間帯」。代謝も日中より落ちるため、同じ量を食べても夜の方が脂肪として蓄積されやすいのです。

また、睡眠不足や寝る直前の食事は、肥満ホルモンとも呼ばれる「グレリン」の分泌を増やし、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の働きを弱めるといわれています。つまり、夜の習慣が乱れると、翌日の食欲や代謝にまで悪影響が及ぶのです。

NGナイトルーティン1:夕食が遅過ぎる

21時以降に夕食を食べる習慣は、太りやすくなる代表的な原因です。夜はエネルギー消費が少なくなるため、とったカロリーが余りやすく脂肪に直結します。夜遅い食事は消化にも時間がかかり、胃もたれや翌朝のだるさを招きます。

改善ポイント:
可能であれば19~20時までに夕食を済ませることがベストです。遅くなる場合は「軽めの主食+たんぱく質(おにぎり+豆腐、野菜スープ+ゆで卵など)」にして、翌朝しっかり朝食を食べましょう。

「夕食はついガッツリ食べたくなる」という人は、帰宅前におにぎりやサンドイッチなどの主食を食べ、帰宅後の夕食では主食は食べずに野菜やきのこ類、海藻類を中心とした副菜や汁物を取り入れましょう。

NGナイトルーティン2:ダラダラ晩酌

「晩酌が毎日の楽しみ」という人も多いでしょう。しかし、アルコールには食欲を高める作用があり、ついおつまみも食べ過ぎてしまいます。ビールやワインは糖質も多く、知らず知らずのうちに高カロリーになり太る原因に……。

さらに、アルコールは代謝を助けるビタミンB群を消費するため、体脂肪を燃やしにくい体になります。寝る直前まで飲むと睡眠が浅くなり、翌日の疲れが抜けにくくなるのもデメリットです。

改善ポイント:
晩酌は週2~3回程度にとどめ、量はビール350mL缶1本、日本酒1合、ワイン2杯程度までと量を決めましょう。

おつまみはサラダ・枝豆・冷奴・焼き魚・サラダチキンなど、タンパク質・野菜・きのこ類・海藻類中心にするといいでしょう。アルコールの合間に水を飲むことで、飲み過ぎ予防や代謝サポートにつながります。

NGナイトルーティン3:食後すぐにごろ寝

夕食後すぐにソファで横になる習慣は、非常に多いパターンです。食べた直後に体を動かさないと、消費されないエネルギーが脂肪に変わりやすくなります。さらに、胃に食べ物が残ったまま横になることで、胃酸の逆流や胸やけを引き起こすこともあります。

改善ポイント:
食後30分は、立って片付けをしたり軽いストレッチをしたり、歯磨きをしたりするのがおすすめ。夜の散歩を取り入れるのも効果的です(15分程度で十分)。

どうしても横になりたい場合は、上半身を少し起こして「完全に寝転ばない姿勢」をとるといいでしょう。

NGナイトルーティン4:夜のながら食べ

テレビやスマホを見ながらお菓子やアイスを食べる行為には注意が必要です。無意識に食べ進めてしまい、気付いたらカロリーオーバーというのはよくあること。特に、夜の甘いものは血糖値を急上昇させ脂肪蓄積につながります。

改善ポイント:
甘いものは夕方までに食べ、夜は控えるのがベストです。夜に小腹が空いてしまったら「ながら食べ」ではなくテーブルで座って食べるように意識し、ヨーグルト・ナッツ・カットフルーツなど200kcal以内で収めましょう。

管理栄養士がすすめる「太りにくい夜の過ごし方」

夜の習慣は「やってはいけないことを避ける」だけでなく、「体にいいことを積極的に取り入れる」ことも大切です。無理なく続けられる工夫を意識すると、自然と体重も安定してきます。

1. 夜は「腹七分目」を心がける
夕食はおなかいっぱいになるまで食べるのではなく、少し余裕を残すのがコツ。特に40~50代は消化力も落ちやすく、食べ過ぎは翌日の疲労や胃もたれにつながります。「もう少し食べたい」と思うくらいで止めるのがベストです。

2. 温かい飲み物でリラックス
夜の水分補給は冷たい飲み物ではなく、白湯やハーブティーなど温かいものを。体が温まり、代謝や血流が整うことで眠りにも入りやすくなります。お酒や甘い飲み物の代わりに、1日の締めとして取り入れるのがおすすめです。

3. 入浴で消化を促進
夕食後1~2時間あけてから、ぬるめのお風呂に浸かると副交感神経が働き、体がリラックスモードに切り替わります。血流がよくなることで消化も促され、「食べ過ぎたかも」という日も翌朝に持ち越しにくくなります。

4. 軽いストレッチやヨガで体を緩める
運動とまではいかなくても、寝る前に5~10分程度のストレッチを行うと血糖値のコントロールに役立ちます。肩や腰を伸ばすことで睡眠の質も上がりますよ。

5. デジタルデトックスで睡眠の質を高める
寝る直前までスマホを見続けると、ブルーライトの影響で体内時計が乱れ、食欲ホルモンのバランスも崩れます。ベッドに入る30分前には画面を手放し、本や音楽、軽いストレッチで心を落ち着ける習慣を持つといいでしょう。

40~50代は、体の代謝やホルモンの変化により「太りやすい体質」にシフトしやすい時期です。しかし、夜の過ごし方を少し工夫するだけで、その流れを大きく変えることができます。

「ダイエット」というと食事制限を思い浮かべがちですが、実は夜のルーティンこそが太りにくい体を作るカギ。今日から1つでも取り入れて、翌朝のスッキリ感と健康的な体を実感してみてくださいね。

岡田 明子プロフィール

管理栄養士。特別養護老人ホームや病院での栄養指導・給食管理に携わったのち、2014年に一般社団法人NS Laboを設立。個々の生活習慣に合わせた的確な指導に定評があり、食事サポート実績は延べ1万人に及ぶ。『朝だから効く!ダイエットジュース』(池田書店)など著書多数。


執筆者:岡田 明子(管理栄養士)

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