

鹿児島・宮崎の郷土料理「鳥刺し」。「鶏ユッケ」との違い・食中毒リスク・安全対策
【専門家が解説】鹿児島県や宮崎県の郷土料理でもある鳥刺し。鶏ユッケとの違い、これらの地域では食中毒事故が少ない理由、鳥刺しや鶏ユッケを安全に食べるための注意点を、分かりやすく解説します。
牛肉のユッケは販売が禁止されているわけではありませんが、肉の生食は食中毒リスクがあり危険なため、食中毒菌が陰性であるだけでなく、生食用食肉専用の設備で加工することや表面から深さ1cm以上の部分を60℃で2分以上加熱して提供する必要があるなどの制約があります。
そのため、実質的には提供が難しい状態です。しかし、「鳥刺し」や「鶏ユッケ」などの販売は、禁止されていません。実際の食中毒リスクと、郷土料理として親しんでいる地域の安全対策について、解説します。
鳥刺しと鶏ユッケの違いは? 生もしくは軽くあぶるだけの調理法は同じ
鳥刺しと鶏ユッケによる食中毒事故は、しばしば報じられている通りです。いずれも鶏肉を生、もしくは軽くあぶるだけで提供されます。
鳥刺しと鶏ユッケの大きな違いは、切り方と味付けのタイミングだけです。鳥刺しは、鶏肉を薄切りにしたもので、たれをつけながら食べます。一方、鶏ユッケは鶏肉を細かく刻んで、甘辛だれで味付けした状態で提供されます。
いずれにしても、あぶる際も中心までしっかりと加熱するわけではないため、食中毒の危険性がないとは言えない点は同じです。
鳥刺しが郷土料理である地域で食中毒事故が少ない理由
鳥刺しは、鹿児島県や宮崎県では郷土料理として根付いています。では、食中毒事故もその分、多いのでしょうか? 意外なことに、これらの地域では、鳥刺しによる食中毒事故の報告がほとんどありません。
その理由として、これらの地域では独自の厳しい鶏肉の生食加工基準が設けられていることが挙げられます。基準に沿って調理された場合に限り、鳥刺しとしての提供が許可されているのです。
また、スーパーなどで提供される場合は、パッケージに記載すべき表示基準目標が定められています。
鹿児島県の基準では、以下の項目を表示するよう指定されています。
・生食用である旨
・生鳥処理、解体された食鳥処理場の所在する都道府県名及び施設の名称
・生食によるリスクに関する説明
(1) 一般的に食肉の生食は食中毒のリスクがあること
(2) 子ども、高齢者、食中毒に対する抵抗力の弱い人は食肉の生食を控えること
宮崎県も同様に、リスクに関する表示基準目標を設定しています。
独自の厳重な管理に加え、このようなリスクの周知も行った上で提供されているため、他県よりも安全性の高さが保たれているものと考えられます。一方で、鹿児島県の表示基準目標のにあるように、生食である以上、食中毒リスクをゼロにすることはできません。
禁止されていない食品ではありますが、やはり食中毒の観点から考えると、少なくとも厳格な基準のない地域で、鳥刺しや鶏ユッケを食べるのは控えた方がよいでしょう。実際に、鶏肉の生食による食中毒事故は少なくありません。提供する側も消費者も、危険性を十分に認識することが大切です。
■参考
・生食用食鳥肉の衛生対策(宮崎県)
・生食用食鳥肉の衛生基準(鹿児島県)
・鶏肉の生食はやめましょう(渋谷区)
メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。
執筆者:平井 千里(管理栄養士)
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