

戦う医療から守る医療へ! 健康を守る「戦略的予防」とは
【医師が解説】医療が「治す」から「守る」に変わりつつある現代。健康を資産と捉え、戦略的にマネジメントしていく重要性についてお伝えします。
「自分は健康だから大丈夫」「悪くなったら病院に行けばいい」
これは私がこれまで診てきた、数多くの方から繰り返し聞いてきた言葉です。私は医師として、数えきれないほどの「もし、もっと早く手を打っていれば……」という後悔の場面に立ち会ってきました。
私たちがこれまで当たり前に受け入れてきた医療の形は、「悪くなったら治す」「戦って治療する」ものでした。しかし、いま医療は世界的に「戦う医療」から「守る医療」へとシフトしつつあり、“健康との向き合い方”を見直すべきタイミングが来ています。
戦う医療では間に合わないことが多い
かつては感染症や外傷など、「急性の危機」に医療が立ち向かう時代でした。まさに“戦う医療”です。
しかし現代の多くの病気は、生活習慣と密接に関係する“慢性疾患”にシフトしています。糖尿病や高血圧、心疾患、がんなど、これらの病気はある日突然発症するのではなく、静かに、しかし確実に体をむしばんでいきます。初期には目立った症状がなくても、気づいたときには手遅れになっていることも珍しくありません。
つまり、現代の病気は「戦って治す」ものではなく、「先手を打ち、悪化を防ぐ」べきものなのです。いま求められているのは「病気になってから治す」のではなく、「病気になる前から向き合い、守る」視点。これは単に健康に気をつけよう、という話ではありません。人生100年時代を見据えた、未来への“戦略”でもあるのです。
それでも日本の医療は今なお「治す」ことを前提に動いています。病院に行くのは症状が出てから。医療費がかかるのも治療のとき。制度的にも「守る医療」にはまだ十分な価値が置かれていません。
アメリカで進む“戦略的予防”という考え方
予防医療に関してはアメリカが先を行っており、「病気にならないこと」や「健康でいる時間を延ばすこと」そのものが評価される時代になっています。また、予防医療が個人や企業にとっての重要な投資対象とされ始めています。
定期的な検診だけでなく、日常生活のデータや遺伝子情報を活用して、将来の疾患リスクを事前に把握し、戦略的に健康をマネジメントする動きが広がっています。
企業経営で「リスク管理」が当然であるように、自分自身の健康に対しても同じ視点を持つべき時代が来ています。特に働き盛りの30~40代の方々にとっては、家庭や仕事、社会的責任が重なる中で、自分の健康がどれほど大きな資産であるか、改めて見直す必要があるでしょう。
「健康は資産」であるというパラダイムシフト
「資産」と聞くと、金融資産や不動産を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、健康もまた重要な「人的資本」であり、目に見えない資産です。健康を損なえば、キャリアは中断され、家族との時間が制限され、趣味も続けられなくなるかもしれません。
逆に、健やかな体と心があれば、長期的にパフォーマンスを維持し、人生の可能性を広げることができます。
このように「未来への投資」という意識を持つことが、これからの時代には不可欠です。予防医療はコストではなく、中長期目線での攻めの投資なのです。
私自身、医療の現場で多くの後悔と向き合ってきたからこそ、病気になる「前」に寄り添える存在の必要性を痛感しました。必要なのは、“何かあったときにかかる医師”ではなく、“何もないうちから寄り添ってくれる医師”。人生を伴走してくれる医師です。
健康は、まだ大丈夫なうちにこそ守れるもの。あなたの未来の選択肢を1つでも多く残すために、これからは健康を戦略的にマネジメントする人生を目指していきましょう。
予防医療専門家として活動する起業家医師。「後悔のない人生」をモットーに、戦略的な健康経営と個別化された予防医療サービス『Wellness』を提供。様々な媒体で幅広く情報を発信をしながら、人々が自分らしく生きるための健康をサポートしている。
執筆者:中田 航太郎(医師・起業家)
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