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タイピング音にイライラ……どうする? 職場の「音ハラ」ストレス
【脳科学者が解説】キーボードのタイピング音や生活音などによる「音ハラ」が話題です。何かしらの音を、脳が「不快」と判断すると、ストレスは負のスパイラルに入ってしまいます。脳科学的な見地から、しくみと対処法をご紹介します。
Q. 職場の「音ハラ」上司にイライラ……ストレスを軽くする方法は?
Q. 「職場の上司の『音ハラ』がひどく、イライラが止まりません。パソコンのタイピング音も強いですし、立ち上がったり、ファイルを出し入れしたりするちょっとした生活音も大きく、ちょっとしたことが積み重なって、イライラしてしまいます。
直接伝えるわけにもいかず、ストレスが大きくなっていく一方なのですが……。何かいい方法はないでしょうか?」
A. 不快感が増すスパイラルから脱するために、「とらえ方」を変える工夫も一案
ストレス反応は、全て「対象物によってもたらされる」と思われがちです。しかし実際には、自分でストレスを生み出したり、大きくしてしまったりすることがあります。例えば、「公園で遊ぶ子どもたちの甲高い声」が非常に気になる人もいれば、まったく気にならない人もいます。
一度「嫌なもの」と感じて気になりだすと、遊んでいる子どもまで憎くなり、不快感はさらに増していきます。とらえ方次第で、ストレス反応は大きく変わるのです。
これは性格の問題というよりも、脳のはたらきによるものです。私たちが外からの刺激を受けたとき、それが「好きか、嫌いか」を判断するのは、大脳辺縁系にある「扁桃体」という部分です。同じ人物に対する「好き・嫌い」が変わることもありますが、これも扁桃体のはたらきによるものです。
扁桃体が「嫌い」と判断すると、脳はその対象を「害になるもの」「危険なもの」として扱います。脳のはたらきによって、身を守るために、その対象にいっそう注意を払うようになり、対象を遠ざけようとしたり、対象から逃げたりします。このときにはたらくのは、主に「前頭前野」です。
もし対象との距離が変えられないとわかると、脳はさらにそれを不快なものとして排除しようとします。そのため、余計に気になって仕方なくなり、イライラは増し、負のスパイラルが止まらなくなることで、ストレス反応がマックスに達してしまいます。
ご質問の「音ハラ」へのストレスにも、実は同じことが考えられます。タイピング音や作業音が多少大きい人はいるものですが、それが強いストレスになるかどうかは、脳のはたらきによって変わります。自分が出す音は気にならないのに、他人の出す音は気になるというケースもあるでしょう。
ご質問者の方は違うと思いますが、自分の方が大きな音をたてる癖があっても、他人の出す音には非常に敏感という方もいます。また、自分の親しい人や好きな人の発する音は平気なのに、気に入らない人が発する音は不快に感じる人は、多いのではないでしょうか。要するに、「音そのもの」よりも、「とらえ方」の問題が大きいのです。
他人の発する音に、過剰なほど不快感を覚えてしまう場合、職場以外の生活や環境においても悩み事や不安などを抱えているケースも珍しくありません。閉塞感や欲求不満によって、気持ちのゆとりが失われてしまうこともあります。
もし別の不安や悩み事を抱えている場合、そちらが解決することで、「音ハラ」が気にならなくなる可能性もあります。もしも思い当たることがある場合は、「音」だけに注意を向けるのをやめて、生活全体を見直してみることも大切です。
もし本当に迷惑な騒音を出している方がいるのであれば、それは個人ではなく、職場全体で対策を考える必要があります。これは、近所の騒音トラブルと似た問題です。あまりにもひどいときには、行政(会社の場合は上司や人事など)に相談することも一案です。
現実的には、職場全体での対策は難しい面があると思いますが、みんなが「お互い様」と捉えられるような「職場の雰囲気づくり」を日ごろから整えることも大切でしょう。
また、筆者が考えた対処法として、30分程度の「NO NOISE TIME」といった時間を設けるというアイデアがあります。その時間帯は、お互いできるだけ音をたてる作業を一切やめたり、ノイズキャンセリング機能を備えたイヤホンをつけ、音楽を聴きながら仕事に没頭したりしてもいい、といった試みです。
少しの間は心が解放されますし、「音マナー」に対する意識も高まるような気がします。もし「音ハラ」問題に悩んでいる組織の方がいれば、一つのアイデアとして一考いただければと思います。
薬学博士・大学薬学部教授。東京大学薬学部卒業後、同大学院薬学系研究科修士課程修了。東京大学薬学部助手、米国ソーク研究所博士研究員等を経て、現在は武蔵野大学薬学部教授として教鞭をとる。専門である脳科学・医薬分野に関し、新聞・雑誌への寄稿、生涯学習講座や市民大学での講演などを通じ、幅広く情報発信を行っている。
執筆者:阿部 和穂(脳科学者・医薬研究者)
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