あの食卓で母に逆らった俺が、まだ彼女に打ち明けられずにいること
事前に伝えていた言葉
顔合わせの1週間前、俺は母に電話をしていました。「彼女の実家は農家だけど、絶対に失礼なことは言わないでくれ」。母は「わかってるわよ」と軽く流しましたが、声の温度で嫌な予感はしていました。
母は昔から「家柄」や「体裁」を気にする人です。俺自身、その価値観の中で育ち、子どもの頃は疑問に思うこともありませんでした。変わったのは、彼女の実家を初めて訪れた日からです。
田んぼで見た景色
付き合って半年の頃、初めて彼女の実家に行きました。朝5時に起きて田んぼに出るご両親の背中を見て、胸を打たれました。泥だらけの長靴、日に焼けた腕、それでも「今年もいい米になるよ」と笑う彼女の父親の顔。俺が知っている「仕事」とは違う、土に根を張った生き方がそこにありました。
あの日から、月に一度は一人で彼女の実家を訪ねるようになりました。田植えや草取りを手伝いながら、彼女の父親にいろんな話を聞きました。彼女にはまだ伝えていません。
あの食卓で
「実家が農家って恥ずかしくない?」。母がその言葉を口にした瞬間、浮かんだのは彼女の父親の手でした。太くて、ひび割れていて、でも苗を扱うときだけはびっくりするほど繊細なあの手。
「母さん」。声が震えそうになるのをこらえて言いました。「彼女の実家を馬鹿にするなら、俺たちは帰る」「あの人たちが毎日どれだけ丁寧に仕事をしてるか、母さんは知らないだろ。俺は知ってる」。俺が「知ってる」と言えたのは、本当に知っていたからです。
そして...
車の中で「ごめん」と言ったとき、隣で泣いている彼女を見て、胸の奥が熱くなりました。俺にはまだ伝えていないことがあります。彼女の実家に毎月通っていること。あの土地で過ごす時間が、俺にとって何より大切になっていること。
「あのお米、本当においしいんだよな」。思わずこぼれた一言に、彼女が少しだけ笑いました。いつか全部話そうと思います。でも今日は、隣にいるこの人を守れたことだけで十分でした。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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