あの日、最低の質問をしたのは私だった。参観日の教室で目にした親子の姿が胸から離れない
ずっと気になっていたこと
彼女の子供がご主人に似ていないことは、前から気になっていました。目元も輪郭も、どちらかといえばお母さん似で、お父さんに似ていないと思うことが何度かあったのです。他のママ友も同じことを感じていたようで、彼女がいない場で「似てないよね」とひそかに話題に上がることもありました。
あの日のお茶会で、私はつい口にしてしまいました。「あんたの子、ご主人の子なの?」。彼女の顔から表情が消えるのが見えました。「え?」という声に、自分がとんでもないことを言ったのだと気づきました。でも引き返せなくて「似てないなって思って。目元とか、全然」と取り繕うように続けたのです。彼女は少し間を置いて「子供って、両方に似るわけじゃないから」と答えました。その声の平坦さが、かえって痛々しかった。
私自身の話
本当のことを言えば、あの言葉は彼女に向けたものではなかったのかもしれません。2年前、私は元夫と別れました。原因は、彼が長年にわたって別の女性と関係を持っていたことでした。
それ以来、私は幸せそうに見える家族を素直に見られなくなっていました。どこかに隠された嘘があるのではないかと疑い、綻びを探してしまう。彼女の家庭にそれを見たわけではありません。ただ、「似ていない」という事実に、自分の過去を重ねてしまったのです。
参観日に見たもの
参観日の教室に、彼女のご主人が現れました。お母さんたちの中に一人だけ立つ男性の姿に、周囲がざわつきます。親子で工作をする時間、ご主人と子供が並んで座りました。
二人は顔は確かに似ていません。でも、ハサミを持つときの首のかしげ方、思い通りにいかないときの眉の寄せ方。完成した工作を持ち上げて笑う角度まで同じでした。隣で見ていた彼女が、そっと目元をぬぐっているのが見えて、私は思わず目をそらしました。あの親子の間にあるものは、顔の造りなんかでは測れないものでした。
そして...
参観日の帰り道、彼女に声をかけようとして、足が止まりました。ご主人と子供と三人で歩く後ろ姿を見て、かける言葉が見つからなかったのです。
私があの質問をしたのは、彼女の家庭を心配したからではありません。自分の傷ついた過去を、誰かの家庭にぶつけたかっただけでした。
謝らなければいけないとわかっています。でもあの親子の前に立つ資格が、今の私にあるのかどうか。まだ答えが出ないまま、あの教室の光景だけが胸の奥に残り続けています。
(30代女性・専業主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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