地味な同期を見下していた私「イケてないあんたは雑用ね」→取引先の一言で関係が一変した話
私が「上」だと思い込んでいた
中途採用で入社したとき、同じタイミングで配属された同期がいました。控えめな雰囲気で、化粧も服装もどちらかといえば地味。飲み会でもほとんど自分から話さず、周囲の話を聞いているだけ。
一方の私は、持ち前の社交性を活かしてすぐに部署に溶け込み、先輩たちとも打ち解けていきました。そのうち、自然と「自分のほうが職場でうまくやれている」という感覚が芽生えていったのだと思います。
根拠のない優越感。今振り返れば、それは単なる思い上がりでした。けれど当時の私は、それに気づくことすらできていなかったのです。
「雑用はあの子に」という空気を作った
ある日、私は彼女にこう言いました。「イケてないあんたは雑用ね。私は大事な仕事をやるから」。悪気がなかったと言い切れるほど、私は無神経ではありません。どこかで、自分の立場を確認したかったのだと思います。
それからは、コピーや備品の補充、会議室の準備といった業務を当然のように彼女に回すようになりました。周囲にも「あの子、雑用のほうが向いてるタイプだから」とさりげなく伝え、その空気を既成事実にしていきました。
彼女は何も言い返さず、黙々と目の前の仕事をこなしていました。その姿を見ても、私は何も感じないようにしていたのかもしれません。
会議室で知った、彼女の本当の姿
入社して3カ月ほど経ったころ、取引先との重要な打ち合わせに部署全員で出席することになりました。いつもどおり、私は自信を持ってその場にいたと思います。ところが、先方の担当者が資料をめくる手を止め、彼女の名前を見てこう言ったのです。
「あ、もしかして前職で○○プロジェクトを担当されていた方ですか」。それは業界内で広く知られた大型案件でした。先方が「あのプロジェクトの実績は本当にすばらしかった」と続けたとき、思わず息を呑みました。その瞬間、自分の足元が崩れていくような感覚に襲われました。
私が雑用を押しつけていたあの人は、私よりもはるかに大きな仕事を成し遂げてきた人だった。彼女はただ「ありがとうございます」と微笑んでいて、その横顔がひどく眩しく見えました。
そして...
あの日から、私は自分の振る舞いを何度も思い返すようになりました。見た目や雰囲気だけで人を判断し、自分が上だと決めつけていたこと。彼女が何も言い返さなかったのは、弱かったからではなく、そんなことに時間を使う必要がなかっただけなのだと、ようやく気づきました。
あの会議室で学んだことを、私はこれからの日々のなかで、少しずつ自分のものにしていきたいと思っています。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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