映画「ルート29」の舞台あいさつに綾瀬はるか、大沢一菜、森井勇佑監督が登壇した

綾瀬はるか、共演・大沢一菜の才能に刺激を受ける「目力にビックリして吸い込まれそうになりました」<東京国際映画祭>

2024.11.02 13:55
映画「ルート29」の舞台あいさつに綾瀬はるか、大沢一菜、森井勇佑監督が登壇した

綾瀬はるか主演による映画「ルート29」(11月8日[金]公開)が、現在開催中の「第37回東京国際映画祭」ガラ・セレクション部門に正式選出。11月1日の上映前には綾瀬、共演の大沢一菜、森井勇佑監督が舞台あいさつを行った。

綾瀬はるか×森井勇佑監督によるロードムービー

本作は、監督デビュー作、映画「こちらあみ子」(2022年)が高く評価された森井監督によるロードムービー。詩人・中尾太一の「ルート29、解放」からインスピレーションを受けた森井監督が、映画の舞台ともなった姫路から鳥取を結ぶ一本道の国道29号線を約1カ月間旅をして脚本を完成させた。

他者とコミュニケーションを取ることをあまりしない主人公・のり子が、風変わりな女の子・ハルを連れて旅に出た先でのさまざまな出会い、そこで次第に深まるハルとの絆によって、空っぽだった心に喜びや悲しみの感情が満ちていく時間をつづっていく。

主人公・のり子役は綾瀬、旅の相棒・ハル役は「こちらあみ子」で強烈なデビューを飾り、「第36回高崎映画祭」最優秀新人俳優賞を受賞した大沢。さらに、高良健吾、河井青葉、市川実日子ら実力派キャストも集結している。

「東京国際映画祭」初参加の綾瀬はるかがレッドカーペットを振り返る

満員御礼で迎えたこの日、意外にも「東京国際映画祭」初参加という綾瀬は先日のレッドカーペットを振り返り「緊張しました。お客さんやマスコミの方々の距離が近かったので」と照れつつ、「活気もすごくて、これは本当に映画のお祭りだと感じました」と感激。大沢は「初めてなので緊張しましたが、楽しかったです」と目をキラキラさせて話す。

森井監督は、本作製作の経緯に触れて「『こちらあみ子』の次の企画を考えているときに、プロデューサーから渡されたのが中尾太一さんの『ルート29、解放』だった。読んでみて直感的に、これは映画にできると思った」と回想。構成については「のり子とハル、二人の旅なので、二人を均等に描くバランスに気を配った」と明かす。

綾瀬は、自身が演じたのり子について「他人と積極的にコミュニケーションを取らず、どこにも属さず、自分の中に宇宙を持っている女性。それはマイペースともいえるかもしれないけれど、自分というものがある人だとも思った」と分析。

また、撮影の思い出を聞かれ「森が多くて、道にカエルがいたりして…。いろいろな昆虫もたくさんいて、それを一菜ちゃんと一緒に採ったりしながら。そこから一菜ちゃんと仲良くなった」と振り返った。

同年代の森井勇佑監督に全幅の信頼を寄せる綾瀬はるか

先に行われた完成披露試写会で、大沢から「家に遊びに来て」との手紙を受け取った綾瀬は、森井監督と一緒に大沢宅を訪問したとのこと。

大沢が「この前、実現しました!」と声を弾ませると、綾瀬は「すぐに一菜ちゃんに日程を言ってもらえて。一緒にババ抜きをしたり、一菜ちゃんのお母さんの手料理をいただいたりして。楽しかった」と笑顔を見せ、大沢も「お母さんも結構喜んでいました」と報告して笑いを誘う。

そんな二人について、森井監督は「二人はどこか似ている。真っすぐで唯一無二。どこにも属していない二人」と共通点があるとし、「今回の映画の物語の中で、のり子とハルとして出ていただいたのは良かったと、あらためて思う」とキャスティングに胸を張る。

大沢も大先輩・綾瀬から影響を受けたようで、「のり子はせりふがなくても、目で自分の気持ちを表現する。自分もいつかできるようになりたいと思った」とリスペクト。綾瀬は「一菜ちゃんと初めて対面してお芝居をしたときに、目力にビックリして吸い込まれそうになりました」と若い才能に刺激を受けた様子。

さらに、綾瀬は同年代の森井監督について「勝手に親近感を感じていました。一緒に作品を作っている感があって、話をしていても感覚的に共感することも多かった。同い年だと思うだけで安心感がありました」と全幅の信頼を寄せる。

最後に、本編上映に向けて森井監督が「たくさん不思議なことが起こる映画ですが、その不思議さを丸ごと楽しんでいただきたいと思います。心を柔らかくして見ていただけたらうれしいです」と呼び掛けた。

映画「ルート29」ストーリー

他者と必要以上のコミュニケーションをとることをしないのり子は、鳥取の町で清掃員として働いている。

ある日、仕事で訪れた病院で、入院患者の理映子から「姫路にいる私の娘をここに連れてきてほしい」と頼まれた彼女は、その依頼を受け入れ、単身で兵庫・姫路へと向かう。

理映子から渡された写真を頼りに、のり子が見つけることができたハルは、林の中で秘密基地を作って遊ぶような風変わりな女の子だった。初対面ののり子の顔を見て、「トンボ」というあだ名を付けるハル。

2匹の犬を連れた赤い服の女、天地が逆さまにひっくり返った車の中に座っていたじいじ、「人間社会から逃れるために旅をしている」と語る親子、久しぶりに会った姉など、さまざまな人たちと出会いながら、姫路から鳥取まで一本道の国道29号線を進んでいく2人の旅が始まった。

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