松坂桃李主演映画「娼年」より(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会

松坂桃李は“濡れ場師”?「副業を見つけたかな」<娼年>

2018.03.29 10:00

俳優の松坂桃李が主演を務める映画「娼年」が4月6日より公開。同作のセックスシーンについて、松坂、三浦大輔監督、プロデューサーが語った。

原作は、2001年の直木賞候補になり、性の極限を描いたセンセーショナルな内容が話題を呼んだ石田衣良氏の恋愛小説「娼年」。女性の欲望をありのままに描いた刺激的な内容と、女性たちに向き合うことで変化を遂げていく主人公リョウの姿を繊細な表現で描き、多くの女性から共感を集めた。2016年には松坂と三浦氏のコンビで舞台化。再びタッグを組み、困難と言われた映画化に挑んだ。


セックスシーンが話題の「娼年」どのように撮影した?

すでに公開されている特報や予告編が大きな反響を呼び、松坂が身体も感情も”隠すことなく”挑んだ、セックスシーンにも注目が集まっている同作。三浦大輔監督は、同作での性描写について「ひとつひとつの行為によって、どういう感情が沸き起こり、それを積み重ねることによって、人間と人間の間にどういうコミュニケーションの形が生まれるのか、丁寧に細かく、その解像度を高めて、描いていきました」と言う。

そのため、事前に全てのセックスシーンで画コンテを作成し、それをもとにスタンドイン(撮影の準備のために俳優の代理をする人物)によるビデオコンテを作成、さらに松坂ら出演者による入念なリハーサルを実施。俳優の身体の動きをこと細かくシュミレーションし、それに伴うカメラの位置を徹底的に検証した。5日間に及んだリハーサルでは試行錯誤が繰り返され、これまでの日本映画にはなかった、緻密な“肉体のコミュニケーション”をスクリーンに描こうとする試みは、その後の撮影や編集の段階でも追求された。

そんな撮影について「ここまで精神的に追い込まれた現場は初めてかもしれません」と松坂は語るが、小西プロデューサーは振り返る。

「俳優・松坂桃李の役者魂と人間・松坂桃李のメンタルの安定感に驚かされました。当然と言えば当然ですが、これはちょっと…という気の迷いがほんの少しでも出たらこの役は出来ないと思います。丸1日延々とセックスシーンの撮影が続いても、時には卑猥な台詞を吐いたり過激な描写があっても、何一つ一切ひるまず黙々と取り組む。一方、そういった肉体的にハードなシーンが続く中でリョウという人物のセンシティブな感情の揺れ動きも見事に表現している。本当に大変だったと思います。リョウが娼夫の仕事を全うしていることと、松坂桃李が俳優として役を全うしていることが、現場を見ていると見事にシンクロしていて感動しました」

松坂桃李は“濡れ場師”?

「映画『娼年』で、7、8年分の濡れ場をやった感じです」と言う松坂。映画「彼女がその名を知らない鳥たち」(2017年10月公開)で、舞台版「娼年」での濡れ場経験から、白石和彌監督やキャスト陣に濡れ場の“先生”と呼ばれていたことについて話を振ると「濡れ場のプロフェッショナルとして、副業を見つけたかな(笑)。濡れ場監督とか。出演するのではなく、アクション監督のように監修が必要なところで呼ばれるみたいな。殺陣師?いや、濡れ場師!!(濡れ場師、かっこいいですね!という声に)新しいですね!エンドロールに“松坂桃李”とあって、あれ?どこに出てた?って。“濡れ場指導:松坂桃李”とか」と軽やかに笑った。(modelpress編集部)
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