ジュエリーデザイナー・彫金師 フェリペ・フォンセカさん ペルーから来日、幅広く学びデザイナーに

ペルー出身のデザイナー・彫金師のフェリペ・フォンセカさんは、自身が手掛けるユニセックスジュエリーブランド「フェリペ・フォンセカ・ジュエリー」で百貨店の期間限定店からひっぱりだこだ。旅先の景色などから着想した独創的なデザインが「他では買えない一品」として、目の肥えた客に刺さっている。
(高塩夏彦)
下積み8年の努力
フェリペさんの来日は30年ほど前。当初は会社員として働いていた。日本語を教わっていた先生に誘われ、アクセサリー作りのカルチャースクールに通い始めたのが、今の仕事を志したきっかけだ。「すごく楽しかった。ファッションデザイナーになりたいという子供の頃の夢を思い出せた」(フェリペさん)と振り返る。
すっかり魅了され、デザインから製作まで自分でやる職人兼デザイナーになろうと決意。複数の専門学校の門をたたき、伝統的な彫金から現代的なジュエリー作りまで幅広く学んだ。そこで出会った恩師の「長く丁寧に学ぶことが大切だ」とのアドバイスを守り、修業に8年ほど費やした。
15年から自分で作ったジュエリーの販売を始め、型数が増えるにつれて徐々にブランドとして確立していった。原型の製作や仕上げなど、ほとんどをアトリエで自ら行う。中心価格はリング3万円台、ネックレス3万~6万円台。地金はSV925で、18Kメッキやガンメタリック加工で色バリエーションを出す。
定番人気は京都・嵐山の景色に着想したシリーズだ。竹を模した有機的な造形に個性がある。特殊な工具で地金の表面を削って星くずのような輝きを作るダイヤモンドダスト加工で高級感を出している。上品な花のモチーフのリングなどは、意外にも男性受けが良い。

一目ぼれされる商品
しばらくは自社ECや個展で販売していたが、コロナ禍が明けた23年頃からは知り合いの助けも借りながら百貨店での期間限定店に挑戦し始めた。高島屋日本橋店などで評判となり、口コミで広がって徐々に引き合いが増えた。今では全国の有名百貨店で毎週のように期間限定店を開いている。「お客さんが商品を見た瞬間、引かれてくれたのがわかる」とフェリペさん。一目ぼれでの購入が多いという。客に話を聞くと「様々なジュエリーを持っているが、こんなデザインは見たことがない」と返ってくるなど、独自性が受けている。
今後も期間限定店を継続しつつ、新作の開発を強化する。最近ではマチュピチュの緻密(ちみつ)な石垣をデザインに落とし込んだシリーズや、ペルーの古代の文化に着想し、美しい天然石をふんだんに使ったシリーズなど、自身のルーツを打ち出した企画も多い。
「アトリエでの製作、期間限定店の出店の繰り返しで本当に忙しいけど幸せ」。特に丹精込めたジュエリーを直接、客に手渡す瞬間が最高だとほほ笑む。

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