中国で広がる中古品販売 心理的ハードルが下がる
中国では11月11日は「お1人様」の「1」が並ぶことから「独身の日」とされている。そして、この時期に中国EC最大級のセールが行われる。昔は、当日のみのセールであったが、長期化が進み、今年はEC最大手アリババグループの天猫で10月15日に、三番手の京東(JDドットコム)は更に早い9日からセールを開始した。セールの長期化は、株式市場から常に昨年の実績超えを期待されていることも無関係ではないだろう。ただ内需が低迷している中で、消費者の財布の中身はセール日数のように増えていくわけではない。
トライアル始まる
弊社でも、日系やグローバルのアパレルブランドのEC運営を支援しているが、以前のような数十パーセントの成長は難しくなってきた。そもそも財布の中身だけでなく、クローゼットも有限だ。SNSやECの普及で「欲しいものをみつける」「すぐに買える」は簡単になり、衝動買いをする人が増えた。そして届いた後に、置く場所がないことに気づくのだ。
「新しいものを買う前に、何かを捨てないといけない。ただ、捨てるのはもったいない」という人が増え、近年は中古ECが拡大基調。24年の取引規模はユーザー数6億人超、取引金額6450億元(約13兆5000億円)と前年対比17.6%も増えた。若年女性が多く、最新トレンドの投稿が多い「小紅書」(RED)でも、アプリ内に中古品を簡易出品できる機能のトライアルを始めた。以前であれば中古の服や靴の購入は「他人が使った服なんて不衛生だ」「お金のない人が買うもの」という抵抗感があり、売る側も「自分の服を小銭に換えるなんてみっともない」という躊躇(ちゅうちょ)があった。

品質の良い中古品
ただ日本など先進国に旅行すると整備の行き届いたリサイクルショップで品質のよい多くの中古品を目にする。きれいで安心して買えることを知り、ブランドバッグや洋服、スニーカー目当てで訪日する人も増えていった。さらに中国でも若者の間でスニーカーブームが起こり、自身のコレクションをオークションで売ったりするのも普通になり、心理的ハードルは着実に低下している。
また中国製は品質が悪いという時代もあったが、現在、アパレル製品だけでなく、最新のスマートフォンや電気自動車といった高い技術が必要な製品まで中国製が席巻している。経済的に豊かになり国内外の良いものを買える消費者が増え、中国には品質のよい中古品がたまってきているのだ。
10月は衣替えの季節。将来的にECセールは企業だけでなく、個人も自身のクローゼットの在庫を一掃するための日になってくるかもしれない。
(愛豊通信科技上海副総経理 野村義樹)
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