「キラリヤ」店主 キラさん ぬい服文化を名古屋から広げる

「ぬい服」「ドール服」という言葉を知っているだろうか。名前の通り、ぬいぐるみやドール(人形)に着せる服のことだ。「キラリヤ」(名古屋市)は全国的に珍しいぬい服・ドール服の専門店。自分だけのオリジナルにカスタマイズするべく、全国各地から客がひっきりなしに訪れる。
(森田雄也)
夢かなえるも
キラリヤ店主のキラさんは名古屋市出身。元々着せ替え人形が大好き。母親が自宅でオーダーメイド服を作っていた関係で、よく人形の服を作ってもらっていた。キラさん自身も小学校の自由研究でフェルトで着せ替え人形の服を作ったこともある。当時の夢はイラストレーターかデザイナーになることだった。
美大に進学し、当時憧れていたブランドのグラフィック担当枠が空いたことで、デザイナーとして採用され東京で働いた。仕事は充実していたが、残業が想像以上に多く、数年で退職した。
疲れ果てていた当時、リラクゼーションに行ったのをきっかけに、持ち前のバイタリティーで自宅にサロンを開業。さらにネイルスクールにも通い、ネイリストとしても働いた。
当時、サンリオのバンドをテーマにしたキャラクタープロジェクト「ショウバイロック‼」にハマっていて、東京ビッグサイトの同人誌即売会にぬい服を作って販売してみたら想像以上の反響があった。ぬい服ブームが来る前のことだった。

ほどなくしてコロナ禍で名古屋に帰った。飲食店でもやろうかと思っていたが、妹に紹介されたビルは物販のみ可能な物件。「それならぬい服とネイルサロンの複合店を始めよう」と思い立ち、21年8月、キラリヤを名古屋市・大須に開業した。屋号は「キラリと輝いているお店にしたい」との思いで名付けた。
100人にアタック
約6平方メートルのショップは自分で作ったぬい服2~3割、作家によるぬい服7~8割で商品構成した。作家は当時ほとんどコネがなかったので、SNSやインターネットで検索し、目に留まった人にとにかく声をかけた。「100人以上にアタックして、十数人が良い返事をくれた」ことで、取引が始まった。
ただ、収入は厳しかった。ぬい服は売れるものの、ネイル客は多くはなかった。そこで始めたのがぬいぐるみ用の「骨入れ手術」だ。
ぬいぐるみの糸をほどき、わたを出して骨であるトイスケルトンを入れてから、再度わたを詰め直す。それにより動きが出て「ポーズが生き生きして、写真映えする」とキラさん。〝手術代〟は平均3000円。接客の合間で、骨入れ作業をして収入を安定させていった。

今年9月には大須のショップを名古屋市・金山に拡張移転した。売り場はオーバーオールやドレス、ワンピースといったぬい服のほか、バッグや帽子、靴など様々なアイテムが揃う。価格は1000円前後が多いが、5000円以上するものもある。ほかにも、海外から輸入した箱を開けるまで何が入っているか分からないのが売りのブラインドドールも人気だ。客は地元だけでなく、関西などからも多く来る。

来店客の中には「リアルにぬい活をしている友人がいない人もいる」とキラさん。それもあり「カフェでオフ会を開いて、客同士が交流したらもっと楽しくなるんじゃないか」と考え、現在ショップのバルコニーにテラス席を設けてカフェを併設する計画だ。
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