「Yプロジェクト」14年の歴史に幕 創設者の死去、クリエイティブディレクターの退任で
【パリ=松井孝予通信員】「Yプロジェクト」が1月10日、14年間にわたる活動を終了すると発表した。同メゾンは、10年にデザイナーのヨハン・セルファティ氏と起業家のジル・エラルフ氏が設立した。
13年にセルファティ氏が死去した後、当時ファーストアシスタントだったグレン・マーティンス氏がクリエイティブディレクター(CD)に就任。革新的なデザインと実験的なアプローチで、Yプロジェクトを若手メゾンから国際的な注目を浴びるポジションへと成長させた。
しかし、24年6月に共同創設者でCEO(最高経営責任者)のエラルフ氏が死去。メゾンはエラルフ氏の弟が過半数株を取得し、経営を引き継いだ。その後、同年9月にはマーティンス氏が退任。彼の退任理由については、エラルフ氏の他界が影響したと伝えられている。同月末にはYプロジェクトがパリ商業裁判所の破産管財人の管理下に置かれ、売却が試みられたが買い手は見つからなかった。
同メゾンの破産管財会社が公表した資料によれば、23年の売上高は約1100万ユーロに達していたが、24年に入って財政困難に陥り、資金繰りの悪化からショーの中止が相次いだとされる。
Yプロジェクトが直面した課題は多岐にわたる。共同創設者たちの死去、ブランドの美学を体現し続けてきたマーティンス氏の退任。こうしたカリスマ的CDへの過度な依存は、退任後の新たな柱を見いだす困難を生み、リスクが大きい。そして、市場の停滞や主要卸先の減少が重なり、投資家たちにとって魅力的な条件を提示できなかった。これらの要因が、メゾンの閉鎖という決断を導いたとみられる。
Yプロジェクトは閉鎖にあたり、故エラルフ氏をたたえるため、アーカイブ作品を世界の主要なファッション・芸術機関に寄贈すると発表した。この寄贈は、Yプロジェクトが築き上げた創造性を次世代へ伝え、ファッション史にその名を刻む試みとなるだろう。
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