アパレルパーツ企業に聞く国内景況感 5割弱が「悪くなっている」
アパレルパーツ企業を対象に実施したアンケート(有効回答数=26社)で、国内衣料品市場の景況感を聞いた。24年1~4月について前年同期と比べ「悪くなっている」との回答が12社で最も多く、次いで「変わらず良くない」との回答が8社あった。今後の見通しは「変わらず良くない」が12社、「悪くなる」が7社で、厳しい状況が続くとの見方が大半を占めた。
(6月26日付にアパレルパーツ特集)
生産調整の影響
24年1~4月の景況感が悪くなっている、変わらず良くないと答えた企業の多くが、昨年の残暑、暖冬の影響でアパレルメーカーの多くが生産調整している点を理由にした。このほか、「物価高の影響が続き、小売業の店頭状況が悪い」「低価格帯と高価格帯は好調だが、主戦場の中価格帯が不調」という回答や、リユース市場の拡大で新品の需要減退を指摘する声もあった。一方、良くなっているとしたのはブランドタグやパッケージ関連の4社。「顧客の販売状況が良い」「インバウンド需要の増加」が背景と見られる。
今後の見通しについて、変わらず良くないと答えた企業は「過剰在庫の状態が続く」「暖冬の影響で重衣料の生産抑制」「内需が拡大しそうにない」との見方だ。悪くなると答えた企業は、「物価高で消費者の購買意欲が回復しそうにない」「供給過剰問題を背景に、コロナ下前から生産数量を抑える傾向が続く」とコメントした。良くなるとしたのはブランドタグ、パッケージ関連の5社だった。「コロナ下と比べると市場は動いている」「インバウンドの恩恵を受けている顧客もいる」とした。
価格改定を検討
各社の経営を圧迫している原燃料高、円安による仕入れコスト高の対策を聞いた。回答があった20社のうち14社が価格改定とした。生産背景の見直しや設備の入れ替え、生産品番の集約などによる「生産合理化」や、「原材料の値下げ交渉」「業務の効率化」といった自助努力は重ねているものの、価格転嫁せざるを得ないという。「24年秋以降に再値上げを予定」「ここまでの円安では価格転嫁交渉が必須」などのコメントがあり、各社の厳しい状況がうかがえた。
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