日清紡テキスタイル フッ素規制対応の防汚加工を開発
2024.06.21 10:59
提供:繊研plus
日清紡テキスタイルは独自の防汚加工「ラクリア」シリーズで、PFAS(有機フッ素化合物の総称)規制に対応した新加工「ラクリアエコ」を開発した。綿100%とポリエステル・綿混(PC)の生地を加工対象とし、同社が主力とするシャツ用途など25年春夏物に向けて提案を始めた。「PFAS規制への対応を意識しているアパレルメーカーや小売業の防汚ニーズに応えたい」考えだ。
ラクリアエコは、繊維製生地を親水化する既存の技術を応用し、洗剤を用いた洗濯による皮脂汚れの洗浄性能を向上した。生地を親水化すると水や洗剤がなじみやすくなる。
水になじみにくい疎水性のポリエステルを親水化させることはもちろん、親水性の天然繊維の親水性も高める。これにより、洗剤が効果を発揮しやすい状態になり、皮脂汚れが落ちやすくなる。
JIS(日本産業規格)L1919の皮脂汚れなどに対応した防汚性試験では、防汚加工のSEK認証基準である3.5級以上を綿100%とPCの生地でクリアした。加工は中国、インドネシア、日本で対応する。
同社によると、非フッ素の素材開発は進んでいるが、「十分な撥油(はつゆ)性能を備えておらず、現時点で油をはじく性能はフッ素に代わる物がない」と指摘。ビジネスシャツのような量販向けの繊維製品に適したコストではない点も課題だった。このため撥油ではなく、生地の親水化という既存技術を用いた汎用的なアプローチを選んだ。
ラクリアシリーズは、家事の時短ニーズに対応し、13年に開発。口紅やファンデーションなど化粧品汚れに対応した「ラクリアプラス」、襟やカフスの皮脂汚れに特化した「ラクリアガード」もある。形態安定加工に次ぐビジネスシャツ用の定番加工として、根強い需要があるという。
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