撮影:河野優大

俳優・原田龍二、“新しいこと”に挑み続ける理由「真剣に馬鹿げたことに目を向けてみようと」

2025.08.08 11:41
提供:ENTAME next

太平洋戦争末期の東京郊外にある精神病院を舞台に、戦争の狂気をユーモア、サスペンス、ファンタジーの要素も織り交ぜで描いた『ハオト』。本作で主演を務める原田龍二は俳優として数多くの作品に出演する一方で、バラエティでも存在感を示し、中でも『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!笑ってはいけない』シリーズのゲスト出演は今も語り草となっている。子どもの頃からお笑いが好きだったという原田がバラエティで活躍するようになったきっかけとは?(前後編の後編)

――小さい頃、特に好きだったお笑い芸人はどなたでしたか?

原田 ザ・ドリフターズの番組が大好きだったんですが、当時で言うと、大抵の子どもは志村けんさん、加藤茶さんを目当てに見ていた中、僕は高木ブーさんが気になってしょうがなかったんです。

――当時、高木ブーさんに注目するのは珍しいですね。

原田 珍しかったと思います。『8時だョ!全員集合』(TBS)は生放送でしたが、最初にいかりや長介さんが出てきて「オイッス!」と挨拶をしてから、ブーさん、仲本工事さん、茶さん、けんさんの順で出てくるんですが、ブーさんは軽くあしらわれて終わっちゃうんです。一番見たい人なのに、すぐにフレームから消えてしまう。けんさんが出てきて全員揃うと、今度は引きで5人が映る。ずっと僕はブーさんに釘付けなんですが、何も喋らないし、面白いこともやらない。それで逆に興味を惹かれたんです。ちょっと別視点から見ちゃうというか、そういう子どもだったんですよね。

――『8時だョ!全員集合』終了後にブーさんも注目を浴びますよね。

原田 『ドリフ大爆笑』(フジテレビ)の「長介・工事・ブー おなじみ雷様」のあたりからですよね。ようやくブーさんの魅力に気付いたかと。やっと世間が追い付いた、俺の視点は間違っていなかったなと確信しました。

――ブーさんとお会いしたことはあるんですか?

原田 峰竜太さんMCの朝の情報番組にゲストとして出るにあたって、事前の打ち合わせで会ってみたい芸能人の話をしたんです。そしたら生放送でブーさんが出てくださって、それがご縁で、ブーさんが主催するウクレレのハワイアンコンサートに出させていただいて、一緒にセッションもしました。夢が叶った瞬間でした。

――原田さんは二十代の頃、『世界ウルルン滞在記』(毎日放送)に定期的に出演して、体を張ったレポーターぶりが話題になりました。その後、お笑い番組でも活躍しますが、初めて出演したきっかけは何だったんですか。

原田 ずっとお笑い番組は好きで見ていたんですが、なかなか出演する機会がなくて。そんなときに松本人志さんの『一人ごっつ』(フジテレビ)が始まって、大好きで欠かさず見ていたんです。中でも後継番組『松ごっつ』の「この際、一度鬼ババになってみようのコーナー」が好きだったんですが、不定期で、いつやるのか分からない。それが楽しみだったんです。

――どんなコーナーだったのでしょうか。

原田 レギュラーの松本さん、板尾創路さん、キム兄(木村祐一)、そしてゲストの4人が、鬼ババの格好で包丁を持って、80年代風の食卓セットに一人ずつ入ってくるんです。そして「ギャー!」って叫びながら自由演技をするだけの、オチも何もないバカバカしいコーナーで、1分ぐらいで終わってしまう。なぜ不定期かと言うと、ゲストがいないからなんです。コーナーを見るたびに「芸能人募集」というテロップが出て、「ウソだろう」と思いながらも、「もしかして出られるのかな」と思ってマネージャーに相談して、番組側に伝えてもらったんです。そしたらオファーが来たんですよ!それで出させてもらったのが1998年、二十代後半のときでした。

――自分で志願しての出演だったんですね。その後、原田さんはバラエティでも大活躍します。

原田 バラエティが大好きなんですよね。何でもやるし、何でもできます。『ガキ使』で裸になろうが何しようが、お茶の子さいさいです(笑)。バラエティは瞬発力が勝負なんですが、それに比べると役者は本当に地味な仕事だと思います。何せ一番時間がかかるのはセリフを覚えることですから。休日と言っても、セリフを覚えたりして、仕事をしているみたいなところがあります。地味だけど労力がかかるんですよね。

――とはいえ主軸となるのは俳優業ですよね。

原田 正直、主軸はどこにも置いてないですね。

――そうなんですか!?確かに映画、ドラマ、舞台、バラエティにとどまらず、ここ数年は心霊スポットの取材などをメインにしたYouTubeチャンネル『原田龍二の「ニンゲンTV」』も精力的に更新していますよね。

原田 普通は馬鹿げていることから遠ざかって卒業していくのが、まともな大人だと思うんです。でも僕は再入学というか、改めて真剣に馬鹿げたことに目を向けてみようと思って、やり始めたのが「ニンゲンTV」です。何かを生み出すかと言えば、何も生み出さない。おばけを追っかけて動画を撮っても、「だから何?」と言われたらそれまで。そういうことに僕は惹かれるんですよね。

役者を30何年もやっていれば、どこか飽きているところがあって。今までやったことのない役なら別かもしれないですが、セリフを覚えて、現場に行ってお芝居をするということは大体の想像ができるんです。ただ、心霊スポットに行くのは想像ができないんです。これが反社の方の事務所だったとしたら、扉を開けたら大体どんな人がいるか想像できるじゃないですか。でも心霊スポットはそうもいかない。登場人物が分からないし、おばけが出るかもしれない。こんなに興奮できるものはないです。

――今後、「ニンゲンTV」で行ってみたい場所はありますか?

原田 海外に行ってみたいです。精神世界にも繋がっていくんですが、カナダのファースト・ネーション、アフリカのブードゥー教、南米大陸のシャーマニズムなど、いろいろなものに興味があります。たとえばペルーには「アヤワスカ」という植物があって、これを煮詰めて飲むと、宇宙に繋がるという話もあります。本や動画で得た知識で、実際に体験したことはありません。こう話してはいるんですが、根っから信じている訳ではないんです。でも実際に試みた人は目からうろこが落ちて、「なぜ今生きているのか分かりました」と語っている。そんな簡単に分かるものかと思いつつも、生きている間にトライできるチャンスがあれば経験してみたいですね。

▼『ハオト』2025年8月8日(金)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開

原田龍二 長谷川朝晴木之元亮 倉野尾成美 村山彩希 三浦浩一 二瓶鮫一 植松洋 マイケル富岡 金城大和 バーンズ勇気片岡鶴太郎(特別出演) 高島礼子

監督・脚本・プロデューサー:丈配給:渋谷プロダクション製作:JOE Company2025/日本語/STEREO/アメリカンビスタ/117min(C) JOE Company

公式サイト:http://haoto-movie.com/X:https://x.com/haotomovie

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