

「演じている自分が見えなかった」朝ドラヒロイン・高石あかりが語る役者としての覚醒
今年も多くの映画・ドラマに出演し、秋からはNHK連続テレビ小説『ばけばけ』でヒロイン・松野トキを演じることも決まった高石あかり。今夏公開の、上海国際映画祭審査員特別賞を受賞した映画『夏の砂の上』(7月4日公開)でも印象的な少女を演じている。次なるスターとしてますます注目が集まる高石に、役者として今思うことや、この道を志すきっかけになった「朝ドラヒロイン」という夢がかなっての気持ちを聞いた。(前後編の前編) ※「高」は正式には「はしごだか」
「夏の砂の上」は1998年に初演された戯曲の初の映画化で、舞台は長崎。幼い息子を亡くした喪失感から妻と別居している小浦治(オダギリジョー)、のところに、妹の阿佐子(満島ひかり)が17歳の娘・優子(髙石)を連れて訪ねてくる。阿佐子は治に優子を預けて1人で別の男に会いに行ってしまい、治と優子の同居が始まる。夏の長崎での奇妙な共同生活から、それぞれが希望を見出していく物語になっている。
――高石さんが演じられた優子は寡黙な女の子でしたが、今までの『ベイビーわるきゅーれ』『新米記者トロっ子』『遺書、公開。』などはエンタメ性も強く、感情の起伏が豊かな役が多かったように思います。
高石 10代の女の子を演じさせていただく時は、感情がはっきりしていて、表情だったり感情が表に出やすいキャラクターの方が多かったです。だからこそ、優子でまた違った印象を持ってもらえるのかなと思います。
――過去のインタビューで「感情の出る役は、普段の性格とは正反対なので楽しんで演じられた」という趣旨のことを話されていました。大人しい優子を演じてみて、感触はいかがでしたか。
高石 確かにどちらかというと、普段の私は(感情の)起伏が少ない方かもしれません。監督からは「そのままの高石さんで演じてください」と言われたのですが、最初は自分の中では「どこまで素でやればいいんだろうか」と探りながらでした。それが長崎での撮影でカメラと現実の境目がないような経験をして、気が付くと優子になれていたのかな、と思います。
――カメラと現実の境目がない。それはどういう感覚だったのでしょう。
高石 作品の舞台である長崎で芝居をしていたので、長崎という土地の空気感や、役者やスタッフの皆さんが醸し出す雰囲気で自然にあの街と作品に染まっていけました。『役を私自身と違う風に見せよう』と意識していたわけではないのですが、完成した映像を試写で見た時、自分と全く違う姿があって『あ、優子だ』と思いました。同じ顔のはずなのにあまりにも違う顔をしていて(笑)、『これは何だろう』と。不思議な感覚でした。あれほど自分とかけ離れて見えた感覚は初めてです。
――そして、役者として引き出しが増えたと感じることは?
高石 多かったです。例えばお芝居に入っている最中に、周りのカメラなどを、視覚的に消すことができるようになったというか…。―― 撮られているという感覚すらなく、芝居に集中できた、ということでしょうか。
高石 私の頭の中では、本当に見えなくなっています。『夏の砂の上』の後にも、お芝居でそんな経験ができるようになりました。言ってみれば大きなリラックスと大きな集中力をこの撮影でいただいたという感覚です。
――集中力とともにリラックスも必要、とはどんな感覚でしょうか。
高石 少しでも力みが発生すると、意図しないところに意識がいってしまうことに気づきました。『力みがないまっさらな状態で』という意味では、リラックスしていないと集中力を発揮できないんです。例えば、本番で目の前にいる相手のことだけを考えるためには、緊張の度合いをゼロに持っていけるのがベストです。それがリラックスしつつ、役に集中できるっていう状態なんだと分かりました。
――役者として、一段進化したような経験を得られたと。
高石 はい。試写を見終わって1人になった時、ふと涙が出てきて『この涙はなんだろう』と、考えてもわからないほど心に刺さる瞬間がありました。なかなかない経験をしましたし、台本の解釈や、現場で五感をどう働かせるかなど…沢山の角度から学びがありました。
▽高石あかり2002年12月19日、宮崎県生まれ。2021年『ベイビーわるきゅーれ』で映画初主演を果たし、2023年には第15回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞。2024年は映画『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』ドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』などに出演。2025年は映画『遺書、公開。』『ゴーストキラー』『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』(声優)、ドラマ『アポロの歌』『御上先生』に出演。7月31日からはNetflixシリーズ『グラスハート』レギュラー出演を控えているほか、秋からはNHK連続ドラマ小説『ばけばけ』でヒロインを務める。
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