阿部寛“進藤”が辛辣な言葉を向けた岡部たかし“海馬”の報道への思いが胸を打つ＜キャスター＞

2025.05.05 17:40

阿部寛が主演を務める日曜劇場「キャスター」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の第4話が5月4日に放送された。報道局長である海馬(岡部たかし)の娘の学校で起きた盗撮事件。その中で発せられた報道に携わる者としての進藤(阿部)と海馬の思いに反響が寄せられた。(以下、ネタバレを含みます)

型破りなキャスターが闇に葬られた真実を追求する社会派ドラマ

同ドラマは、テレビ局の報道番組を舞台に、型破りなキャスターと番組に携わるスタッフたちが闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく、完全オリジナルストーリーの社会派エンターテインメントドラマ。

阿部寛が扮(ふん)する主人公の進藤壮一は、公共放送で社会部の記者として15年間キャリアを積んだあと報道番組のキャスターになり、民放テレビ局・JBNに引き抜かれて「ニュースゲート」のメインキャスターに就任したキャラクター。

「ニュースゲート」のスタッフ陣として、総合演出の崎久保華役を永野芽郁、番組ADの本橋悠介役を道枝駿佑、サブキャスターの小池奈美役を月城かなと、プロデューサーの山井和之役を音尾琢真、編集長の市之瀬咲子役を宮澤エマら。また、報道番組のスタッフらを束ねる報道局長・海馬浩司役を岡部たかし、JBNの会長・国定義雄役を高橋英樹が務める。

進藤と海馬の娘が通う中学で盗撮騒動が発生

海馬の娘・灯里(竹下優名)が通う女子中学で盗撮騒動が発生。それを知った海馬は、「ニュースゲート」で新コーナーを企画し、華と本橋が取材に行くことに。表向きは灯里が所属するバスケ部の取材だが、裏では盗撮騒動について探ることも依頼した。その取材になぜか進藤も同行。実は、その中学には進藤の娘・すみれ(堀越麗禾)も通っていた。

校内で進藤の姿を見かけたすみれは、すぐ進藤に電話する。仕事で来たという進藤に「仕事って、誰かの不幸を偉そうに放送する、あのこと？」と冷たく言い放つすみれ。両親の離婚後、キャスターとして名の知れた進藤の性ではなく、母の性を名乗って、進藤の娘だと知られていない中学にようやく入学したというすみれ。2人の間にある亀裂は相当なものだと分かる。

その後、盗撮事件と闇バイト殺人事件がつながっている可能性が浮上。進藤が暗躍しながら調べを進めると、灯里がSNSでつながった人物からテスト問題を事前に手に入れるカンニングを行っていたことが分かる。そして、その人物に脅され、盗撮カメラを設置したという。

海馬にそのことを知らせた進藤は「取材交渉は局長からお願いできますか」と告げる。灯里に子どもたちがSNSを介してトラブルに巻き込まれる事案の経験談を話してもらうのだと。海馬は「多くの事件の中の一つみたいに言うな！俺にとって灯里は大切な…大事な娘だ」と怒る。

進藤と海馬、それぞれの報道マンとしての矜持

すると進藤は「あなたは父親の前に報道の人間だ。他人の不幸や犯罪をさんざん飯の種にしてきたあなたが、今さら善人ぶって、いい父親やってんじゃねぇよ」と言うのだった。

娘からぶつけられたことを進藤は自覚していた。それを胸の奥に秘めながら、報道に携わる道を突き進むのだ。

海馬は灯里の将来を思って報道をさせないと決めるが、進藤が動く。犯人がつかまるまでと学校を休んでいる灯里に会いに行き、灯里を脅していた人物を誘い出す計画を立てた。

そうと知らず、灯里を追いかけた海馬はその人物＝学校の警備員だった小津(馬場徹)と対峙してボコボコにされてしまう。しかし、その現場では舞が灯里に変装し、進藤や本橋らも潜んでいた。

小津が警察に連行されたあと、灯里の無事を喜ぶ海馬。そんな海馬に灯里は「こんな思い、ほかの誰にもしてほしくない。だから自分がしたこと、ちゃんとテレビで話したい」と語った。

海馬は進藤が灯里に吹き込んだのかと思うが、灯里は否定。幼いとき、海馬に「そんなに仕事が大事？灯里より大事？」と聞いたことがあった灯里。そのときの海馬の答えは「お父さんは灯里が大事だから、仕事が大事。灯里を育てるために稼がなきゃならないってのもあるけど、それ以上に、灯里が生きていくこの社会が少しでもよくなればいい。そう思ってる。お父さんは毎日ニュースを放送したあと、ほんのちょっと、社会がよくなることを信じてる」というものだった。灯里は今回の経験で父親の仕事を理解したのだ。

進藤の覚悟と、海馬の父親としての思い。どちらも報道に携わる者としての矜持だ。どちらの言葉も胸を打つ展開となり、視聴者からは「進藤さんの言葉が心に残った」「局長かっこよかった」「局長が仕事する信念を知って泣いた」「進藤さんの報道魂、やっぱり熱いよね」などの感想が寄せられた。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部