古舘伊知郎と千原ジュニアMCの「東京去る人、来る人」、さまざまな人の物語に共感して明かされる2人の“夢の始まり”

2025.03.22 12:00

古舘伊知郎と千原ジュニアをMCに迎えた特別番組「東京去る人、来る人」が、3月22日(土)夜8時からBSフジにて放送される。同番組は“人生の転機”という観点で、東京から去る人と東京に来る人の事情を追うドキュメンタリー。そこで見えてきた人間ドラマを、東京生まれ東京育ちの古舘と上京してきた千原ジュニアがそれぞれの人生を振り返りながら噛みしめていく。

夢のために東京を“去る”人

東京都北区出身の古舘、そして京都府福知山出身の千原ジュニア。鉄板がハマったレトロな机に向かい合って座る2人はぬるっと番組をスタートし、“東京”という街の不思議さについて語り合う。たとえば東京で生まれ育った古舘にとって、「東京って捉えどころがなくてさ」と感じるできごとがあった。

彼がニュース番組でキャスターを務めていたときのこと、古舘は夜の東京を東から西に横断してみようと思い立った。にぎわう場所もあればさびれたところもある東京。その景色を実際に見ておかなければ、キャスターとして「『東京でこういうことが起きました』とか偉そうにキャスターで伝えられるのかな」と考えたのだという。

その夜に見た光景を、古舘は「グラデーション」と表現。きらびやかな銀座の景色から、千葉側に接する地域の静かに寝静まった雰囲気まで、「東京でいったい何色あるんだろうな」と考えさせられた過去を明かした。東京は“ひと色”で語れない。そこに住まう人の事情も、そこから出ていく人の事情も、きっと一様には語れないはずだ。

そうして始まったVTRは、“東京を去る人”の物語。16年住んだ土地をあとにして、家族4人で東京を去る人の引っ越しに密着する。思い出の詰まった家からの移住先は、広島県は築70年弱の“昔ながら”な日本家屋。“ほぼ即決”だったという判断の決め手は海が一望できる景観…という表面的な理由だけではない。

移住を考えたきっかけもそれぞれの色がある。人生を歩むうちに見舞われたトラブルと、そこに端を発する大事な記憶。困難を乗り越えた先で浮かんできたのは「都会の雑踏より穏やかな生活を」という選択と、ずっと心のどこかにあった“夢”だという。

「後悔したくない」という思いから踏み出した一歩。だが家族にもそれぞれの思いがあり、生活がある。東京を去るという決断は簡単なものではないのだ。

同家族のVTRを見終わった千原ジュニアは、自身も2児の父という似た境遇から「すごいですね」と父の決断に感慨深いため息をこぼす。そしてVTRの中に映り込んだ本棚ひとつから家族の歩んできたこれまでを読み取り、古舘とともに大いに意見を交わした。

千原ジュニアが“夢の始まり”に感じた寒暖差

さらに東京へ“来る人”として紹介されたのは、一流プロ雀士。夢を叶えるための第一歩を、応援してくれる両親に背中を押されて踏み出す男の引っ越しを追う。VTRを見た古舘が語るのは、同じく一念発起してフリーアナウンサーとして立ち上がった20代のこと。

いまと違ってフリーアナウンサーという働き方があまり認知されておらず、会社勤めを辞めたり転職が「＝悪」と考えられていた時代だ。それでも夢に燃えて一歩を踏み出したという29歳の精神を思い出す古舘。共感は千原ジュニアにも広がり、新聞に「千原兄弟、東京に進出」と書かれた当時を振り返る。

関西で活動していた千原ジュニアにとって、東京は「大阪で一番取ったやつだけ東京行の片道切符を渡される」場所だった。「いつかは東京へ」という思いをもって活動していたのだが、いざ東京に住みだすと里心を強く刺激されたと明かす。大阪では「ジュニアや！」と声をかけられていた23歳が突如として、誰にも声をかけられないアウェイへ。外国へ来たような対応の“寒暖差”と、それでも意地を貫いて活動しきったこれまでの軌跡を思い返していた。

夢を持って東京を去る人、夢のために上京する人…さまざまなケースのVTRに自分たちの経験を重ね、古舘と千原ジュニアが大いに語り合う。いまや押しも押されもせぬ大人物である2人の“夢の始まり”や苦労を、VTRのドキュメンタリーと合わせて楽しめる「東京去る人、来る人」は3月22日(土)夜8時から放送だ。