サンタを信じる少女、クリスマスに寝ずの番で正体をたしかめるほっこりする結末が「サンタはよい子のもとへやってくる」「親目線だと涙腺にくる」と話題に【作者インタビュー】

2025.02.22 09:30

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『歌舞鬼町陰陽師』の1エピソード、『サンタさんにありがとうっていう話』を紹介する。「サンデーうぇぶり」にて連載中の『サイコアイズ』(小学館刊)などで知られる作者のカトウタカヒロさんが、12月25日にXに本作を投稿したところ、8000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、カトウタカヒロさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

クラスメートの声で浮かんだ疑惑をたしかめるため、サンタを待つヨーコ

サンタを信じていた九尾の狐、ヨーコは中学校で衝撃の事実を耳にする。「サンタを何歳まで信じていたか」という話題は、今も本気でサンタを信じているヨーコにはショッキングなものだった。サンタへの手紙も書いていたヨーコは震えながらそれを隠し、ぽろぽろと涙を流してしまう。

さらに手紙を破こうとしているヨーコを見たクラスメートは、慌てて「うんいる！絶対いるよ！サンタさん絶対いる!!」と必死に止める。その言葉を聞いたヨーコは手紙を破かず、寝ずの番をしてサンタの正体を見極めることに。そんなヨーコに、クラスメートは「もしサンタさんの正体が、その…もし想像と違っても、ヨーコちゃんの夢を誰より大切に想ってくれている人には変わりないからね！」とアドバイスする。

その夜、九尾の術「狐寝入り(幽体離脱)」を使ってサンタを待ち構えるヨーコ。来いと念じながら待っていると、ようやく扉が開く。期待に満ちた瞳で待っているヨーコの前に現れたサンタの正体は…。

このサンタをめぐる漫画を読んだ人たちからは、「ハッピークリスマス」「サンタはよい子のもとへやってくる」「涙なしでは見れなかった」「親目線だと涙腺にくる」など、多くのコメントが寄せられている。

心が暖まる、あまりにも優しいお話

――本作ではサンタを信じていた中学生のヨーコの純粋さに心が温かくなるストーリーでした。創作したきっかけや理由があればお教えください。

封印されていた妖怪の女の子は人間界的にはほとんど子ども。きっと誰しもが通るサンタを信じる信じない論争は子どもにとっては夢と現実の違いを初めて味わう大イベントなので、そこで彼女がどういう反応を見せるのか僕自身も見てみたかったからです。

妖怪っていう非現実的な存在であるはずの彼女が信じていた夢を壊されるっていうのもなんか変な感じでいいですよね。

――本作では、サンタの正体を知ったヨーコがサンタへの手紙を破こうとするシーンで特に感情が出ており非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

夢と現実のギャップで感情がぐちゃぐちゃになりながらせっかく書いた手紙を破きそうになる流れの絵を描くのはかわいそうだけど楽しかったです。きっとあの手紙は彼女の夢であり子ども時代の自分そのものなので、止めてくれたミコちゃんはグッジョブ！あと楽しそうに女の子の部屋に侵入する保護者のヤスナリですね。そんなヤスナリのまっすぐな気持ちにプレゼントそっちのけで応えようとするヨーコも好きです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

プレゼントそっちのけで感謝を伝えるヨーコです！あと「夢を誰より大切の思ってくれる人」ってセリフ。夢は壊れたかもしれないけど、そんな夢を大切にする人に寄り添うヨーコちゃんも好きです。誰かにとってのサンタさんになりたい人にはそうあって欲しいなと思います。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

前半から予想されるオチの右斜上くらいのゴールにしようと考えてます。あとページ数にもよりますが歌舞鬼町陰陽師のような1話が短い漫画の場合、1ページに一つくらいはキャラの意外な反応とか驚きがあるといいなと思ってます。

――ヨーコは中学生までサンタを信じていましたが、カトウタカヒロさんは何歳までサンタを信じていましたか？

7歳になった年の12月25日2時手前くらいですね！父親の背中が見えて一瞬ヨーコちゃんみたいな反応になりました！

――今後の展望や目標をお教えください。

歌舞鬼町陰陽師という作品はまだまだ続けます。ヨーコちゃんもいっぱい描きたいですね！あとは今連載中の「サイコアイズ」も面白くしていきたいです！

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

サンタがいるかどうかではなくサンタがいると信じる心が大切だなって思います！そんな夢のある作品をたくさん作っていきたい！今後もお楽しみに！