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ヒトに化ける動物たちが挑む林の中の怪物の正体とは?…善悪を問う現代版三国志のような冒険譚に「面白い」と大反響【作者インタビュー】
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コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ヒトに化けられる「化け動物」たちが「怪物」に挑んでいく群像劇で、誤解や不信が交差する中で「善意」をどう伝えるかを問う寓話的な展開が面白いと話題の「人に化ける雀の女の子たちが怪物に立ち向かう話」をピックアップ。なお、本作はwebアクションに連載中の「チュンの恩返し」(双葉社)の「同盟」(39話)が正式なタイトルになっている。なお、他作品にダ・ヴィンチWebで連載中の「くちべた食堂」 (KADOKAWA)がある。
作者の梵辛さんが2025年1月11日にX(旧Twitter)に投稿したところ、9300件を超える「いいね」を獲得し、SNSやレビューでは「面白かった」「次の展開が気になる」「ちみもうりょうが跋扈する世界か」「このシリーズ好き」「子供の頃に乾燥させたパンの耳を山盛りにして鳥の餌として置いといた事があったけど結構鳥が食べに来てたなぁ」など多くの反響が寄せられた。本記事では、梵辛さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
「林の中の怪物」のウワサ話をする化け動物たち
東京のある公園で、ハムスターの「ころ丸」が兄弟のために食べ物を運んでいると、猫の「テマネキ」に追われ、さらには雀の「おチュン」に奪われる。実は3匹とも人間の姿に化けられる「化け動物」であり、食べ物を巡る争いが激化する中で仮初の同盟を結ぶ。背景には、埼玉の大空市で進む再開発により動物たちのナワバリ争いが熾烈化した現状がある。
テマネキは「林の中の怪物」と呼ばれる存在が食べ物を独占し、動物を捕食していると語る。怪物の「ごちそう」を奪えば争いを避けられると考え、3匹は仲間を連れ立って集団で怪物の元へ向かう。最初におチュンが偵察を引き受け、空を飛んで林の奥に潜入するが、そこで見つけた「ごちそう」は台の上のペットフードだった。おチュンの視線の先には人間の青年がいた。
青年は野生動物に食べ物を提供する善意でペットフードを置いていたが、動物たちには「怪物」として恐れられていた。おチュンが青年と対話し、誤解を解こうとするも、ころ丸とテマネキは「怪物とおチュンが共犯」と疑い逃げてしまう。青年は動物たちに善意を信じてもらうためエサを置き続け、ライブカメラを設置してエサを食べに来る様子を見ようとするのだが…。
「化け雀」などファンタジーな現代版おとぎ話の世界設定と、誤解のなかで善意をどう伝えるかを問う寓話的展開にSNSやレビューでは「かわいい」「ほのぼのして癒やされる」「第1巻注文した。楽しみ」など、多数のコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
「一貫して『人間の世界と動物の世界は深く交わらない』というある程度の一定の距離感の付き合いを描いていくことをテーマにしています」作者・梵辛さんが語る創作の裏側とこだわり
――「人に化ける雀の女の子たちが怪物に立ち向かう話」のモチーフはどのようにして生まれたのでしょうか。
本作「チュンの恩返し」の原点は誰もが知ってる童話「鶴の恩返し」で、主人公は人間に化ける雀の女の子のキャラクターです。
当初はこの雀の女の子と主人公の絵描きさん2人のストーリーでしたが、ここから連載を続けていくにあたってキャラクターを増やしていくことと、野生の動物の生存競争の厳しさをモチーフに取り入れることで群像劇として複雑なお話を描いていくストーリーにしたいと思い始めました。
当初この漫画では動物は鳥だけを出していたのですが、敵対勢力として他の動物を出していけば三国志のようになって面白いのではと考えたのが今回のお話です。
――本作では、動物たちがリアルに描写される一方、ヒトになった女の子はかわいらしく描かれています。表現上、工夫された点はどこでしょうか。
「動物が人に変身する」というテーマの漫画やアニメ作品は古今東西にたくさんありますが、あくまで人間キャラクターの魅力を加点させるために動物のデザインを取り込む形に留まっているものが多いです。
本作では、変身前の元になった動物そのものへの魅力を伝えたいという思いがありましたので、動物の作画自体は可能な限りリアルに描こうと決めました。
こうすることで「むしろ人に化ける前の方が好きかも!」という感想を頂けることも多くありまして、うまくいったと嬉しい気持ちです。
――臆病な動物たちと善意をもつ人間の絵描き青年が対照的に描かれてします。本作を描く上で梵辛さんがこだわった点がございましたら、教えてください。
本作は一貫して「人間の世界と動物の世界は深く交わらない」というある程度の一定の距離感の付き合いを描いていくことをテーマにしています。
こうすることで、お互いの所属する組織の善意や悪意に誤解が発生することをコメディとして描いていって、面白がってもらうことを目標にしています。
――本エピソードで、梵辛さんお気に入りのセリフやシーンなどがございましたら教えてください。
お気に入りは猫・鳥・ネズミの集団が一斉に大移動をするシーンです。相容れないチーム同士が共通の敵を持つことで一時的に団結する、という少年マンガ的な場面を描いてみたかったのですが、これを偶然目撃した人間の目線からはどのように見えるのかな、といったことを想像しながら楽しんで描いていました。
――本作で読者に注目してほしい点などがありましたら、お聞かせください。
懸命に生きる小動物たちの健気さを可愛がってもらいつつ、それぞれが化けた人間キャラクターも好きになってもらえたら嬉しいです。自然界のめまぐるしさみたいなものを楽しんで頂けたらと思います。
――最後に、連載も単行本化もされている本作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
登場キャラクターの多い本作ですが、次の単行本3巻ではまだ出番の少なかったキャラクターの掘り下げなどをしていけたらと思っておりますので、漫画の続きを楽しみに待っていてもらえたら嬉しいです。
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