

舘ひろし「あの目があれば世界中怖いものはなしだ」名作「太陽がいっぱい」を支えるアラン・ドロンの美しさを解析<舘ひろしのシネマラウンジ>

1月18日から放送が始まったBS10の新番組「舘ひろしのシネマラウンジ」(毎週土曜よる6:00〜9:00)。映画を愛する舘ひろしがナビゲーターを務め、映画評論家・伊藤さとりと共にベテラン俳優ならではのエピソードも交えて名作の魅力を発信していく。2月15日の放送で紹介された映画は「太陽がいっぱい」(ルネ・クレマン監督、1960年)。先の読めない展開や巧みな心理描写が多くのファンを魅了した作品で、舘が映画の見どころや魅力について語った。
舘ひろしが語る「太陽がいっぱい」の魅力
舘が同作の注目シーンとしてまず真っ先に挙げるのは、主演のアラン・ドロン演じるトム・リプリーが「僕はアメリカに帰るよ。さよならを言いに来た」と勝負をかけるところだ。大富豪のドラ息子フィリップ(モーリス・ロネ)の婚約者・マルジュ(マリー・ラフォレ)に“引き留めてもらう”ためにやったであろう絶妙な駆け引きで、見事「行かないで」と言わせることに成功する。こうした言葉や仕草で相手の心を誘導するトムという男の駆け引きの上手さ。舘はそこが「すごくいい」と語る。
さらに番組では、舘が提案する映画をもう一度見たくなる“とっておきの話”として、いくつかのキーワードをピックアップ。そのなかの1つが「名セリフに込められた意味」だ。
太陽がいっぱいの名セリフといえば「太陽がいっぱいだ、目が眩むほど人生最高な気分だ」。完全犯罪を成し遂げたトムの言葉で、タイトルのフレーズをしっかり回収するスカッとさせられる名セリフだ。舘はこの言葉をそのままの意味と笑いながらも、彼に待ち受ける未来に向けたセリフでもあると分析した。
一方、事故で太陽の熱に長時間さらされ、大火傷を負ったこともあるトムにとって眩しい太陽は憎い存在。その事故を引き起こしたフィリップを想起させる嫌な存在だったのでは、とも言われている。
「太陽がいっぱいだ」は太陽に向かって“どうだ、ザマーミロ”という気持ちも込められているのでは…という見解もある。しかし舘はダンディーに「考えすぎですよ」と、ストレートに笑った。
またアラン・ドロンの「目の演技」についても言及。マルジュの手にキスをするシーンでは、アラン・ドロンは彼女の手に顔をうずめながらも右目でマルジュを見つめ続ける。その青い眼差しの強烈な表情は、舘をして「あの目があれば世界中怖いものはなしだ」と言わしめるほど。
「太陽がいっぱい」を一言で表現するならば、「アラン・ドロンの最高傑作」であると語る舘。同作のアラン・ドロンは薄っぺらで卑しくて美しい、“若者の一瞬の輝き”を最高にみなぎらせていたと魅力を語った。
2月16日放送「太陽がいっぱい」、2月22日放送「グリーンブック」のあらすじ
1952年の「禁じられた遊び」で知られるルネ・クレマン監督のもう一つの代表作である「太陽がいっぱい」。主人公トム・リプリー演じるアラン・ドロンの代表作だ。ナポリやローマ、イスキア島などの風光明媚なロケ地もあいまって、アラン・ドロンの美しさを引き立てる。
物語は美しくも貧しい少年・トムが、大富豪の息子フィリップ(モーリス・ロネ)を連れ戻して欲しいと彼の親から頼まれることから始まる。成功すれば5000ドルという大きな報酬を得られるため、フィリップを見つけ出して交渉するトム。しかしフィリップは貧乏人でマナーもなっていないトムに対して、散々な意地悪をして召使のように扱うばかり。生まれながらにして得た富で傲慢に振舞うフィリップに、トムは段々と嫉妬心を募らせていき…。
さらに2月22日(土)よる6時から放送の「舘ひろしのシネマラウンジ」では、アカデミー賞3部門に輝いた人間ドラマ「グリーンブック」を放送。同作は実話を元にした作品で、1960年代の文化を背景にした作品だ。
監督は、「メリーに首ったけ」のピーターファレリー、キャストにヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリ。黒人が宿泊できる宿を記した実在の書籍「グリーンブック」を手に演奏ツアーを繰り広げる主人公2人を、得意のコメディーと感動で軽快に描く。
<あらすじ>
時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。彼の名前はドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)。カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─。
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