＜ドラマアカデミー賞＞最優秀作品賞は「海に眠るダイヤモンド」『全てを入れ込んだ“ちゃんぽん”のようなドラマ』(新井順子P)

2025.02.21 15:00

2024年10～12月放送ドラマを対象に開催した第122回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞作・受賞者を発表中。最優秀作品賞は、神木隆之介が主演した日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)が受賞した。(以下、ネタバレを含みます)

端島の印象を変えた「海に眠るダイヤモンド」が最優秀作品賞

同作は、野木亜紀子の完全オリジナル脚本で、高度経済成長期に石炭産業で躍進した長崎・端島と現代の東京を舞台にした物語。端島で育った鉄平(神木)と彼を取り巻く人々の営みを丁寧に描きながら、現代に生きるホスト・玲央(神木／2役)が、いづみ(宮本信子)との出会いを機に鉄平の謎に迫っていく様子を描いた。

「廃虚の軍艦島という端島の印象を変えた」「炭鉱閉山までと現代の東京を巧みに行き来させ、壮大な物語で魅了した」と視聴者を引き付け、最終話では「宮本信子さん(演じるいづみ)が鉄平の住んでいた家に行き、庭に咲くコスモス畑の向こう側に端島が見えた瞬間、鉄平の気持ちが伝わってきて、つらい悲しいドラマでしたが、温かく、救われた気持ちになりました」と大きな感動を呼んだ。

新井順子P「このドラマは“ちゃんぽん”のようなドラマ」

同作を手掛けた新井順子プロデューサーは、「ありがとうございます。まずは、取材を重ね膨大な資料を読み込んで脚本を書いてくれた野木さんに感謝します。そしてその脚本に真摯(しんし)に向き合ってくれたキャスト、スタッフの皆さんのおかげで受賞できました。主演の神木隆之介さんは1人2役で『午前中は玲央で午後は鉄平』という撮影日もあったのに、疲れも見せず、現場を盛り上げてくれました」と感謝を伝えた。

また、「このドラマは“ちゃんぽん”のようなドラマ。家族、恋愛、友情、青春、さまざまな角度から楽しんでもらえたならうれしく思います」と作品の魅力を語った。

松本明子P「時代ものの魅力を実感しました」

共に同作を手掛けた松本明子プロデューサーは、「野木さんの素晴らしい台本に書かれた場面を実現するため、兵庫では暗くて寒い炭坑跡で撮影をしましたし、広島に昭和の船があると聞けば、みんなで広島まで移動しました」と振り返り、「撮影は大変でしたが、神木さん演じる鉄平たちをその時代に端島で生きた人としてリアルに感じたという感想を聞き、時代ものの魅力を実感しました」と反響を明かしている。

「海に眠るダイヤモンド」は、作品賞のほか、神木の主演男優賞、朝子を演じた杉咲花の助演女優賞、監督賞(塚原あゆ子D、福田亮介D、林啓史D、府川亮介D)、ドラマソング賞(King Gnu「ねっこ」)と5冠を達成した。