女子高生同士のリアルで残酷な日常…コンプレックスを抱えた主人公のエピソードに「心がギュッとなった」と反響続出【作者インタビュー】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、漫画家のイララモモイさんが手がけた『付き合えなくていいのに』(小学館)だ。

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「サイコミ」で連載されていた同作は、主人公の女子大学生による恋模様を描いたノンストップ・ラブコメディ。以前イララモモイさんのX(旧Twitter)に『付き合えなくていいのに』の第24話が投稿されると、多くの人の関心を集めて3.5万もの「いいね」を獲得。そこで作者のイララモモイさんに同作は手がけたきっかけについて話を伺った。

コンプレックスを抱えた高校生の日常がリアルと話題に!?

――女子大学生の「詩歌」は、偶然にも思いを寄せる「時彦」が自分じゃない女性と手をつないで歩いているところを目撃する。ショックのあまり暴飲暴食に走ってしまい、詩歌は自身の苦い過去を思い出すのだった。

ダイエットに成功する前だった高校生の頃、詩歌はクラスメイトの「有紗」と「梢」の3人で体育の授業に向かっていた。その途中で 有紗は、憧れの同級生「俊」にぶつかってしまい赤面。梢が「にやけすぎ！」「乙女だなー」とからかうと、詩歌も「有紗ちゃん すごい顏に出てたよね！」と声をかける。しかし、行き過ぎた発言のために有紗と梢は黙ってしまい、気まずい時間が流れる。

その後、体育の先生の指示によって2人1組になる必要があり、ジャンケンのすえに詩歌と梢がペアに。そして、詩歌は走り幅跳びのため、ジャンプして着地したところ、大きな砂ぼこりが舞い…。

詩歌の苦い思い出や初めて時彦と出会うストーリーに対し、読者からは「女子同士の会話がリアルで『分かる』と思った」「私も同じような境遇だったから心に刺さった」「続きが気になる」などの反響が寄せられている。

自分の近くにいたら“イラッ”としてしまうようなリアリティを追及

――『付き合えなくていいのに』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

もともとはサイコミの編集者さんに、「女性の共感を呼べるような作品を作りませんか」と声をかけていただいたことがきっかけです。当時私が学生で、編集者さんも年の近い方だったので、大学生くらいの女の子の恋愛をテーマにすれば、共感を生みやすい作品を作れるのではないかと考え、企画を進めました。

――Xで話題の『付き合えなくていいのに』第24話を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあれば教えてください。

今回の話には友達グループにうまく馴染めない女の子が主人公として登場しますが、馴染めない理由のリアリティにはこだわりました。友達を悪意なく苛立たせては、その理由がわからず、どんどん萎縮していく、そんな描写を入れています。共感できる部分はあるし、気の毒で応援したくもなるけど、自分の近くにいたらイラッとしてしまうかもな…と読者の方に思ってもらえるようなキャラクターを目指しました。

――第24話の中で、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。

主人公・詩歌のクラスメイトの俊が、詩歌が走り幅跳びをした際に発生した地鳴りを、「今の、マグニチュードどんくらいっすか!?」と叫んでいじるシーンです。ただ単に「デブ」などと罵るのではなく、あえてちょっとひねった言い回しをさせることで、俊のような、ちょっと賢くてクラスでの立ち回りがうまそうな男の子特有の残酷さを演出できたように思って気に入っています。「付き合えなくていいのに」では、俊のように、「確かにこういう感じの人、いるかもな」と思えるキャラクターを登場させることを意識していました。

――今後の展望や目標をお教えください。

『付き合えなくていいのに』は、すでに完結していますが、私にとってとても大切で大好きな作品なので、これからもたくさんの人のもとに届き続けてほしいと思っています。また、新連載の準備も進めています。より良い作品にできるよう頑張っているところですので、『付き合えなくていいのに』を読んでいた方も、そうでない方も、読んでもらえたらうれしいです。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

ここまで応援していただいた読者の皆さんのおかげで、初連載でありながら無事に作品を完結させることができました。本当にありがとうございます！！

『付き合えなくていいのに』は2024年11月より紙の単行本が発売されていますし、2025年以降に発売される予定の電子書籍にも、未公開の描き下ろし漫画やイラストを多数収録しています。完結後もまだまだ楽しんでもらえると思うので、ぜひ手にとってみてください！