横浜流星“蔦重”が吉原で自前の本屋を持つ意味を説く姿に感動＜べらぼう＞

2025.02.17 12:08

提供：WEBザテレビジョン

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第7回「好機到来『籬(まがき)の花』」が2月16日に放送。蔦重の“プレゼン力”が光った。(以下、ネタバレを含みます)

数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く

本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波瀾(はらん)万丈の生涯を描く痛快エンターテイメントドラマ。

蔦重はその人生の中で浮世絵師の喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝らを見い出し、また日本史上最大の謎のひとつといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。

蔦重の幼なじみの花魁・花の井役で小芝風花、蔦重に影響を与える“希代の天才”平賀源内役で安田顕、幕府“新時代”を目指す権力者・田沼意次役で渡辺謙が出演。

蔦重が地本問屋になる理由

偽板の罪で捕まった鱗形屋(片岡愛之助)。蔦重はこの機を逃すまいと、今の倍売れる吉原の案内本・吉原細見を作ることを条件に、地本問屋の仲間に加えてもらう約束を取り付ける。ただ、地本問屋の主人の1人、鶴屋(風間俊介)は蔦重の参入を阻むため、別に新たな吉原細見を作ることを西村屋(西村まさ彦)に提案していた。

一方、蔦重は吉原で女郎屋や引手茶屋の主人たちに報告。事後報告だったことで怒られるが、「俺が仲間に認められりゃ、吉原は自前の地本問屋を持てるってことです。そうなりゃ、入銀で作った本も、行事の摺り物も、いつでもなんでも市中に売り広めができるっていうことです」と説明し、賛同を得た。

吉原の商売がうまくいくために地本問屋になる。そこにある蔦重の深い思いが、その後に明らかになった。

蔦重の吉原女郎たちへの熱い思い

西村屋に、蔦重の吉原細見を買い入れた女郎屋の女郎は自分が出す錦絵「雛形若菜」に載せないと脅されたことで、女郎屋の主人たちは蔦重に板元になるのは諦めろと言う。

すると「あいつは吉原のこと、何も考えてねぇんですよ！」と蔦重。西村屋は自分のもうけしか考えていないというのだ。「女郎の血と涙がにじんだ金を預かるなら、その金で作る絵なら、本なら、細見なら、女郎に客が群がるようにしてやりてぇじゃねえっすか。そん中から客選ばせてやりてぇじゃねえっすか。吉原の女はいい女だ、江戸で一番だってしてやりてぇじゃねえっすか。胸張らしてやりてぇじゃねえっすか！…それが女の股で飯食ってる腐れ外道の忘八の、たった一つの心意気なんじゃねえすか。そのためには、よそに任せちゃいけねえんです。吉原大事に動く、自前の本屋を持たなきゃいけねぇ。今はその二度とない折なんです」とまくし立てた。

そして最後に「みなさま、つまんねえ脅しに負けねえで共に戦ってください」と頭を下げた。

横浜流星が見事に表現した約2分の長ぜりふ。仁・義・礼など八つの徳目を失った者として“忘八(ぼうはち)”とも呼ばれる女郎屋の主人たちの心を揺さぶり、納得させたが、見ているこちらにもグッとくるものがあった。同ドラマは本作りの面からビジネスの面白さも見せてくれるが、今回は蔦重のアツいプレゼン力ともいえる。

SNSにも「熱い思いに感動」「かっこよすぎる」「引き込まれた」「説得力あった」との声が。また、生々しくストレートな物言いではあるが、蔦重の思いと共に吉原が表現されていることで「名セリフ」との評価もあった。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部