2歳児がコーヒーを買いたい理由は、お母さんへの愛だった…小さな恐竜と暮らす家族の様子を描いた漫画に「可愛すぎて泣いた」の声【作者インタビュー】

コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、2024年12月にコミックスの第3巻が発売されたばかりの、クラナガさんが描く『恐竜はじめました』より『オミミとクルミまとめ』をピックアップ。

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クラナガさんが1月19日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、8,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、クラナガさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

2歳のクルミがコーヒーを買いたい理由

蘇った恐竜の赤ちゃんたちが暮らす町・白亜町。そこで愛らしい恐竜たちと穏やかに過ごす人々を描いた本作。今回は、白亜町に住むおチビちゃんこと、2歳のクルミ一家のお話だ。

お父さんと恐竜のオミミと3人で公園に出かけることになったクルミ。お母さんは一人でお留守番をすることに。帰りに買い物をするから欲しいものがあったら連絡して、というお父さんに、お母さんはクルミの使うボディソープや食パン、たまごが少なくなってきていることに気づいて連絡する。

公園で遊んだ帰りに寄ったスーパーマーケットで、クルミは泣きながらコーヒーを買うと主張する。お父さんは優しく「別のものにしようよ　食べられないよ」と言うが、嫌だと言うクルミ。そんなクルミをオミミはそっと抱きしめる。

実はクルミが買おうとしたのは、お母さんが好きなコーヒーなのであった。オミミのおかげで勇気が出たクルミは、今度はしっかり「おかあしゃんの…！」と言葉に出す。その優しい気持ちと共にクルミをそっと抱きしめるお父さん。クルミもオミミも一つずつコーヒーを買ってもらい、お母さんのいる家に帰るのだった。

作品を読んだ読者からは、「すごくやさしくて素敵な作品」「心のいちばん柔らかいところがギュッと締め付けられる」「これはあかん、泣くわ…」など、反響の声が多く寄せられている。

作者・クラナガさん「幸せが詰まったこの留守番を覚えておきたいと思ったことがきっかけ」

――今回Xに投稿されている『オミミとクルミまとめ』のエピソードが生まれたきっかけがあれば教えて下さい。

今回のお話は、我が家の暮らしをクルミ家に落とし込んだものです。夫が娘を連れて出かけ私は仕事をしていた日、帰り際に送られてくる楽しそうな写真や「ただいまー！！」と胸に飛び込んでくる娘の笑顔、「お母ちゃんの！」と買ってきてくれたコーヒーなどを見て、幸せが詰まったこの留守番を覚えておきたいと思ったことがきっかけでした。

――『オミミとクルミまとめ』で、特に心がけた点や大切にした点などをお教えください。

今回の主役であるクルミは２歳の女の子。まだ言葉が上手く出ない２歳児のどうしようもなさと、それでもオミミの助けで一歩踏み出す頑張りが伝わるよう、表情や手に思いを込めて描きました。

――12月に発売されたばかりの『恐竜はじめました』3巻のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

3巻66ページ『パン屋のフクちゃん⑤』のコマが好きです。喜びと驚きの混じったフクの顔に、バブへの大好きが詰まっているなぁと思いました。今後フク&バブのお話も描こうと思っています。

――『恐竜はじめました』には、今回のXの投稿に登場するオミミとクルミ以外にも、白亜町の様々な住人と恐竜たちが出てきます。クラナガさんは普段、作品を描かれる際、ストーリーやキャラクターの着想はどういったところから得られることが多いですか？

自分の経験や見かけたものなど、ここに恐竜がいると楽しいなと思う瞬間を切り取って漫画にしています。恐竜たちは図鑑を元に、虫や動物たちは実際に出会ったモデルがいます。

――クラナガさんご自身や作品について、2025年の展望・目標があればお教えください。

去年は体調を崩すことが多かったため、2025年は健康管理に気を付けて元気に過ごすことが目標です。漫画については、引き続き描いて学んで上達できればと思っています。実は新巻が出るたび「前巻よりちょっと上手くなった…！」と喜んでいます。次巻も喜べるよう頑張ります。

――最後に読者やファンの方へ、今後の作品の見どころを差し支えない程度にお教えください。

いつも見てくださりありがとうございます。初期に比べ登場人物も増え、今後は街の人や恐竜同士の関わりも多くなってくると思います。更に賑やかな白亜町の暮らしを見守っていただけますと幸いです。また、各巻描き下ろしがまだの方はぜひ。『恐竜はじめました』の見方がちょっと変わります。