

梅津瑞樹「死ぬ間際、一番に思い浮かべるのは彼(山姥切長義)だろうな」役への思いと苦悩明かす<舞台『刀剣乱舞』十口伝 あまねく刻の遥かへ>

「舞台『刀剣乱舞』十口伝 あまねく刻の遥かへ」が、2月15日(土)に東京・品川プリンスホテル ステラボールにて開幕する。本作は、「刀剣乱舞ONLINE」を原案とし、通称“刀ステ”と呼ばれる2.5次元ジャンルの舞台『刀剣乱舞』シリーズの最新作。多大な支持を得ている“刀ステ”シリーズ初となる「短編連作集(オムニバス)」となる公演だ。今回WEBザテレビジョンでは、そんな本作で山姥切長義を演じる梅津瑞樹にインタビューを実施。今作ならではの魅力に加え、舞台『刀剣乱舞』での過去話や数年にわたって演じている山姥切長義への思いを語ってもらった。
今作初めて登場する刀剣男士に興奮も、「ラバーキーホルダーを集めていましたから」
――最初に舞台『刀剣乱舞』の新作が“オムニバス形式”と聞いたときはどのように感じましたか?
すごく楽しそうな試みだなと思いました。これまでの舞台『刀剣乱舞』って、公演時間が3時間くらいあってガッツリ観劇するというものだったと思うので、オムニバスになると咀嚼しやすいと感じる人も増えるでしょうし。もし個々の話がそれぞれで完結するとなったら、多くの登場人物やいくつもの背景が見られるだろうし、すごく楽しみだなと思いました。
――演じる側として、オムニバス形式だからこそできそうだなと感じていることはありますか?
今のところ台本を読む限り、主軸となる時間軸のもと、いくつかの話があるという形になりそうでして。そのメインとなる軸にいるのが僕たち。だから、どしっとしておかないといけないなと思っています。それぞれのストーリーがあって、それぞれ見せ場を最大限に活かせてもらって。
――ではメイン軸にいるからこそ、どう見せようか、現時点で考えていることがあれば教えてください。
連続しているお話なので、その前の話の影響をちゃんと受けようかなと思っています。
――挑む気持ちとしては、普段の公演とはあまり変わらず?
そうですね。ただ、分散されているぶん、体力的には少しだけ楽になるのではないかと思っています。とはいえ、やっぱり殺陣も盛り盛りでしょうし、むしろ1話ずつで完結するぶん、大変なこともあるとは思います。でも、例えば自分たちのシーンが終わったら別の人たちのお話が始まるので、少し休憩はできるのかなと。といいつつ、どうなるかは未知数ですね。
――集中力の保ち方もいつもとは違うかもしれないですね。
はい。「科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』改変 いくさ世の徒花の記憶」と少し通じるところがあるなと感じていて。科白劇では、本丸が2つ存在していたんですよね。資料を読んでいる本丸と、その資料の中で経験している本丸と。話が似ているという意味ではなく、俯瞰している自分がいるという感覚がどこか似ているなって。
――梅津さんとしては今回、特に楽しみにしていることはありますか?
今回初めて登場するのが4振り。皆さん共演も初めてなので、どういうお芝居をするのかすごく楽しみです。あとは、七星剣を生で見られるのが楽しみですね。ゲームのときよく使う刀剣男士なんですよ。髪型も特殊なので、動いたときどんなふうになるんだろう。それと、北谷菜切は個人的にすごく好きなキャラクターで。ガチャガチャでラバーキーホルダーを集めていましたから。
――完全にファンですね。
はい。北谷菜切もどう戦うのか、楽しみです。ゲームと一緒なのかな〜。『刀剣乱舞』って、短刀は短刀でもいろんな戦い方があるし、それぞれでスタイルが違う。そこが舞台化の楽しみでもあって、男心をくすぐられる部分でもあるんですよね。それから……山姥切長義が出るにあたって、「こういう山姥切長義が見たい」みたいなコメントをよく目にするのですが、今作にはそういうものが入っていたりしてニヤリとできるかも。
――山姥切長義ファンの方にはうれしい場面もあるということですね!
かもしれないです。
「(荒牧慶彦を見て、)なんて綺麗なお顔をしている方なんでしょう!」
――ここからは改めて、これまでの舞台『刀剣乱舞』を振り返っていただきたいと思います。梅津さんが初めて出られたのは2019年の「舞台『刀剣乱舞』慈伝 日日の葉よ散るらむ」ですが、最初に舞台『刀剣乱舞』に出演すると聞いたときどう感じたか覚えていますか?
連絡をもらう直前まで寝ていて、起きてすぐに話を聞いたのですが、リアクション薄めに反応してしまったことを覚えています。僕はそもそもニトロプラスさんのゲームが大好きで。普通に返事したあとにじわじわと実感が湧いて、「あのニトロプラスと仕事ができるのか!」と感激しました。「これはすごいぞ」と。
――確かに、普通は好きなゲームの登場人物にはなれないですもんね。
はい。だから感慨もひとしおでした。
――2019年の時点で、すでに『刀剣乱舞』は舞台化もミュージカル化もされていて人気作になっていました。人気のシリーズに出演するということに対するプレッシャーはありましたか?
もちろんありました。その頃にはもうビッグタイトルでしたし、ストーリーの根幹である山姥切国広(荒牧慶彦)を見て、「なんて綺麗なお顔をしている方なんでしょう!」と思いました。もう親戚のおばさんみたいな感想で(笑)。だから、その中に自分が放り込まれることに対する不安は相当ありましたね。しかも実際に現場に行ってみると、みんな若くてキラキラしていて。日陰者の僕からしたら直視できないくらい眩しかった。稽古や本番を経て打ち解けてみんなに支えてもらったから、今でこそ笑ってお話しできますけど、当時は本当に苦しかったです。
――何が苦しかったのでしょうか?
場違いだと思っていました。みんな、カッコいい上に努力を重ねていろいろスキルを持っていて。ダンスができたり殺陣ができたり。そのなかに何者でもない自分がぽんっと放り込まれて「何ができるのか?」と稽古に行くたびに悩んでいました。でも終わる頃には「この作品に参加できて本当に良かったな」と思えるようになっていましたね。
――梅津さんは舞台『刀剣乱舞』よりも前から、舞台に立っていましたし、お芝居経験もありましたよね。
その頃僕がいたのは主に小劇場で。これまでとはまた違うところに入り込んだこともあって、自分がいた場所がいかに狭かったか…と痛感しました。どちらが良いとか悪いとかではなくて、単純に世界は広いなと感じました。その中で、自分は自分の意思で選択して、生きていかなければいけないんだなということも実感しました。
――確かに、自分がいかに狭い世界にいたかを知った瞬間って、途方もない気持ちになりますよね。
RPGをやっていたと思ったらオープンワールドだったみたいな。「あれ、こっちも行けんのか」と思って進んでみたら、ものすごく強いやつが次々と出てきてびっくりした…みたいな感覚でしたね。
――舞台『刀剣乱舞』という作品に出演したこと、出演していることで梅津さんが得たものや、自身に生じた変化は何かありますか?
“もっと物事をフラットに見よう”、“柔軟になろう”ということを考えるようになりましたね。自分がいいなと感じるものは「なぜいいのか」ということまでちゃんと考えたり、ここの界隈では普通だと思われていることをちょっと疑ってかかったり。常にフラットでいることを大事にしようということは思うようになりました。
――凝り固まらないでいる、と。
はい。演技でも、“悲しい感情”を表現するときに自分の中にある悲しい表現を呼び起こすだけじゃないはず…。そうやって、もっと自在に生きられるようにしたいなと思いました。自分の強い意思さえあれば、いいと思える演劇をできるんだということは、舞台『刀剣乱舞』を経て知りました。
「自分を人の目に触れるところに連れ出してくれた作品」
――2019年から演じてきている山姥切長義という存在についても聞かせてください。梅津さんは山姥切長義という人物をどのようなキャラクターだと捉えて演じていますか?
やっぱりカッコいいんですよ。パッと見もカッコいいし、言うこともカッコいい。だけどその裏に葛藤が見え隠れする。そこが山姥切長義の最大の魅力だなと思いますね。いい意味での人間臭さ。それは自分が演じる上でも意識しています。カッコいいだけじゃない。もちろんカッコいいだけでもいいんですけど、それだけではない“深み”のようなものがあって、そこが愛おしいし、それがあることでより愛せるキャラクターなのかなと思っています。
――そんな山姥切長義という役は、梅津さんにとってはどのような存在ですか?
自分を人の目に触れるところに連れ出してくれたのは、間違いなく舞台『刀剣乱舞』という作品です。「職業は何ですか?」と聞かれて「俳優です」と胸を張って言えるのは、この作品があるからこそで、本当に大きい存在です。死ぬ間際、「どんな役を演じたっけ?」と振り返ったとき、一番に思い浮かべるのは彼(山姥切長義)だろうなと思います。「あの衣裳、動きづらかったな」とか(笑)。…というのは冗談ですが、何にも変えられない存在ですね。
――今作で、そんな山姥切長義をまた演じられるのは楽しみですね。
はい、楽しみです。これまで出た3作品(感謝祭を除く)だけでも彼はいろいろな遍歴を辿っているので、この先、彼はどこまで強くなれるんだろうとか、どういうことを経験してどう変わっていくんだろうとか、彼の行く末に何が待っているのかというのはすごく楽しみですね。彼の物語がどうなっていくのか、これからも一緒に見守っていけたらうれしいです。
◆取材・文=小林千絵
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