じれったい絆と不穏な政争が入り混じる第2話

「万物を一瞬で照らし、一瞬で暗くできるもの」の問答で開かれる世子の目 じれったい絆と不穏な政争が入り混じる第2話<太陽を抱く月>

2024.08.28 18:00
じれったい絆と不穏な政争が入り混じる第2話

キム・スヒョンが主演を務める韓流ドラマシリーズ「太陽を抱く月」(Huluにて配信中)。権力をめぐって陰謀が張り巡らされる朝鮮王朝の宮中で、運命に導かれるように恋をした2人のラブストーリーを描いた大人気ドラマシリーズだ。第2話では、主人公であるイ・フォン(子役:ヨ・ジング)とヒロインであるホ・ヨヌ(子役:キム・ユジョン)がゆっくりと他者を介して相手を知っていくようすを振り返る。(以下、作品のネタバレを含みます)

ヤンミョングンら3人の友が見せる友情と、ホ・ヨヌへの思い

イ・フォンからの謎かけを解き、彼が世子(セジャ、国王の正式な後継者)であることを知ったホ・ヨヌ。茫然と夜空を見上げていると、かすかな物音が響く。音のした方を確認しに行くと、そこには書置きの手紙と「解憂石」と書かれた石が残されていた。書置きにはホ・ヨヌが眠れていないようすを心配する旨や、旅の土産であるという解憂石について「悩みを話せ。この解憂石が代わりに悩んでくれる」とユーモラスな文章がしたためられていた。書いた主に心当たりがあるようすのホ・ヨヌは、「またここへ?先日、きつく申し上げたのに」と困った表情を浮かべる。

場面は移り、2人の青年が木刀を手に稽古するシーン。決着がつくと、「さすがジェウンだ」とホ・ヨム(子役:イム・シワン)が相手をたたえる。修練を重ねても自分には素質がないようだと語るホ・ヨムを案じるキム・ジェウン(子役:イ・ウォングン)だったが、そこにヤンミョングン(子役:イ・ミノ)がやってくる。友人である3人は、長旅から帰って来たヤンミョングンの土産を手に酒を飲みかわす。

ヤンミョングンはホ・ヨムの妹であるホ・ヨヌに会おうとして忍び込んだことをたしなめられつつ、それを聞いた寡黙なキム・ジェウンが笑みをこぼすなど、3人の仲の良さが伝わる一幕も。科挙に合格したホ・ヨムとキム・ジェウンが、今後は世子であり自身の異母弟であるイ・フォンに仕えることを祝うヤンミョングン。話題が尽きないようすの3人は、夜を楽しく過ごすのだった。

一方、世子であるイ・フォンは新たな侍講官(君主に学問を講義する役割を持つ者)についての報告を受けていた。候補者のリストを持って来たという側近のヒョンソンだったが、彼が候補者の名前を読み上げる前に次々と言い当てていくイ・フォン。大王大妃(テワンテビ)・ユン氏(キム・ヨンエ)の意向で候補者が選ばれるだろうと判断し、見事的中していた形だ。

そんななか、まだヒョンソンも知らない新任の文学(ムナク)が来ると聞いたイ・フォン。「誰であろうと権力を欲する老人だろう」と辟易したようすを見せるものの、「私の選択肢はただ1つ。拒否権を行使する」と新任の文学がどこまで耐えられるか試すことに決める。しかし彼の前に着任したのは、科挙の文科を主席合格し文学となったホ・ヨム。ホ・ヨヌの兄にして、イ・フォンが後光を幻視するほどの美貌の青年だった。

年若い師を受け入れることのできないイ・フォンの心を開く謎かけ

拒否権を行使すると語っていたイ・フォンだったが、現れた文学ホ・ヨムが発する雰囲気に圧倒されてしまう。ホ・ヨムは容姿や学問だけでなく性格も優れており、彼を知る者はみんな「理想的な博学者だ」「魔性の博学者」と呼ぶ。しかしイ・フォンはまだ17歳と年若いホ・ヨムを「若いのにいい後ろ盾がいるな」と認めない。彼の背後にユン氏がいると思い込んでいるのだ。

その夜、ホ・ヨムは普段通り妹であるホ・ヨヌに本を読む時間がやってくる。普段通りに振舞っていたはずだが、妹にはあっさり悩んでいることを見抜かれてしまう。そこで文学として仕えるイ・フォンから誤解を受けていることをホ・ヨヌに打ち明けたところ、ホ・ヨヌはある方法を提案するのだった。

翌日、ふたたびイ・フォンのもとへ訪れたホ・ヨム。前回と変わらず学ぶ姿勢を持たないイ・フォンを前に何もしないまま時間が過ぎたところで、ホ・ヨムは「今日はここまでにします」と告げる。それを受けたイ・フォンは「あさましいやつだ。何も働くことなく報酬を得ているのだからな」となじるのだが、ホ・ヨムはある謎かけを持ちかける。「正解なさったらお望み通り私は職を辞します。ただ逆に世子様が正解できなかったら…」「師への礼を尽くし、勉学に励んでください」ホ・ヨムの提案に、イ・フォンは「いいだろう」と頷く。

ホ・ヨムから出された問題は、「万物を一瞬で照らし、一瞬で暗くできるものはなんでしょう」というものだった。「簡単だな」と嘲るイ・フォンに「難題です」と念を押すホ・ヨム。「お前にはな」と一蹴するイ・フォンへ、次回の授業で答えを聞くと念を押してその日の授業は終了する。

しかし自信満々な言葉とはうらはらに、イ・フォンは大いに迷っていたようだ。書庫から大量の文献を取り寄せて一心不乱に答えを探るイ・フォン。プライドにかけて奮闘する彼のもとへ、妹であるミナ王女が訪れる。珍しく勉強しているイ・フォンの姿に驚いたミナ王女は、謎かけの話題を知る。そこで「まぶたでは?」と考えを披露したミナ王女だったが、イ・フォンは「なんと子どもじみた発想だ」と聞く耳を持つことはなかった。

答えを発表する授業の時間がやってくる。イ・フォンが答えたのは「君主の政治」。「君主は政治において誠意と徳を尽くし、調和を重んじると天地万物・民衆の生活は明るくなる。逆の場合、それは暗くなるから」と語るイ・フォンに、ホ・ヨムは不正解だと告げる。

いきどおるイ・フォンだったが、ホ・ヨムが答えた正解は「まぶた」。ふざけているのかと声を荒げるイ・フォンに、ホ・ヨムは「幼子の目で見れば万物は問題になり、また解答になるのです」「勉学における注意事項…それは正解を知っているという高慢さ、また自分勝手に都合よく判断する偏見です」と告げる。そしてさらに、「それらにより、世子様の目と心が塞がっていると悟るべきです」と強烈な言葉を進言した。

君主の政治ももっともであるとしながら、まぶたを閉じたまま語れることはない…そう言って、まずは勉学への姿勢を整えるべきだと説くホ・ヨム。諫言を受けたイ・フォンはついにホ・ヨムを師として認め、これまでの非礼を詫びる。

「隠れた師」の正体

先に師弟の親睦を深めようとホ・ヨムと茶を飲むなかで、彼の相談を妹が受けていたと知るイ・フォン。ミナ王女との間ではそんなことをしていなかったイ・フォンは驚きつつも、「では今日の厳しい忠告はホ文学の妹の指摘ですね」と冗談めかして語る。さらに茶の席に用意された黒あめを見て、「この貴重なあめも妹の物でしょう」「隠れた私の師に差し上げようと思う」と菓子を贈るように指示するのだった。

その後、ホ・ヨムの妹についてヒョンソンに聞いたイ・フォン。そしてホ・ヨムが今回の科挙の文科主席合格者であると聞くと、思い出すのはホ・ヨヌの兄が主席合格者であるという言葉だ。意外な繋がりを感じて笑みを浮かべるイ・フォンだが、ホ・ヨヌも帰宅したホ・ヨムから「妹が真の師」と言われていた話を聞いて落ち着かないようす。イ・フォンとホ・ヨヌの繋がりは少しずつ、少しずつ強まっていく。

ゆっくり紡がれていく絆をよそに、もう1つの縁が結ばれようとしていた。王であるソンジョ(アン・ネサン)がミナ王女の学友を選ぶ際、外戚勢力の首領であるユン・デヒョン(キム・ウンス)が挙げたのは自身の娘であるユン・ボギョン(子役:キム・ソヒョン)。それを「いいだろうな」としつつ、ソンジョは「大提学の娘(ホ・ヨヌ)も一緒がいい」と答えるのだった。

これにより、ユン・ボギョンとホ・ヨヌが宮廷に招かれる。そして運命に導かれるようにして、ユン氏の招きで宮廷を訪れていた星宿庁のチャン・ノギョン(チョン・ミソン)。彼女はホ・ヨヌを一目見た瞬間に、いまは亡き仲間・アリの「私の代わりに守ってほしい子がいる」という言葉を思い出す…。

それぞれの道筋を歩み始め、距離を縮めていく第2話

第2話では、豪華なキャスト陣の名演が光る展開となっていた。特にホ・ヨムが謎かけをきっかけにイ・フォンを説得するシーンでは、まっすぐな眼差しと真剣な表情が言葉に強い説得力を持たせてくれていた。表情をゆがめてにらむでも声を荒げるでもなく、静かな炎が奥に見える目。真剣に国の末を思う真摯さが、イ・フォンの急な心変わりに納得をもたらしてくれる。

また幼いイ・フォンとホ・ヨヌを演じる2人の演技力は、さすがのひと言。表情が大きく動き、戸惑いや興奮がパッと見て伝わってくる演技は、明らかに年齢以上のクオリティだ。さすがドラマ大国・韓国というべきだろう。

ただ幼い2人の平和なパートとともに、不穏な政争パートがきな臭さを増している。王であるソンジョと外戚派閥の争いが、今後2人の恋にどう立ちふさがってくるのか。「太陽を抱く月」は、Huluにて全20話が配信中だ。

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