車いすバスケ「NO EXCUSE」新公式アイテム披露 東京パラリンピック銀メダル獲得で注目競技
2022.12.09 13:45
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7日、「PEARLY GATES 及び NO EXCUSEユニフォームロゴスポンサー契約締結記者発表会」が行われ、ゴルフアパレルブランドが車いすバスケットボールチーム『NO EXCUSE(ノーエクスキューズ)』とのユニフォームロゴスポンサー契約を締結することを発表。新公式アイテムがお披露目された。
大嶋義昭選手、天皇杯への意気込み語る
本発表会には、社長の下地毅氏、上席執行役員の仙座学氏のほか、『NO EXCUSE』で活躍中の選手5人(仙座北斗選手・森紀之選手・森谷幸生選手・大嶋義昭選手・高橋智哉選手)が登壇。『PEARLY GATES』の上席執行役員の仙座を父に持つ北斗選手は、今回の取り組みについて「僕は幼い頃から入退院を繰り返し、父にはたくさん心配をかけました。親子の繋がりから始まった取り組みなのですが、日本一を目指すという夢の実現に向けて、ここまで広がってきたことを嬉しく思います」とコメント。また、大嶋選手は、2023年1月に開催される天皇杯の意気込みについて「車いすバスケは東京パラリンピックでも銀メダルを獲得し、かなり盛り上がっています。ただ、天皇杯はコロナ禍で中止が続いており、ようやく1月に開催されるということで、選手もスタッフも、支えてくれる方々にとっても苦しい時期が続きましたが、ようやく皆さんの前でプレーできる日が来ました。その感謝の気持ちを最高のプレーで届けたいと思います」と熱く語った。
仙座学氏、ユニフォームロゴスポンサー締結の背景説明
下地氏はブランドについて「当社を牽引している最も重要なブランドで、ゴルフ業界だけではなく、スポーツファッションのオピニオンリーダーのひとつとして評価をいただいています。東京オリンピック、北京オリンピック、サッカーワールドカップと、スポーツ全体が世界中の人々に共感と楽しさを与え、それが人々の健康と世界平和にもつながっていると思っています。『PEARLY GATES』と『NO EXCUSE』の取り組みは大変嬉しく、全社をあげて取り組んでいく所存です」と紹介。ユニフォームについては「機能性を重視し、選手一人ひとりに合ったサイジングで作らせていただいております。動きやすく、着心地が良く、おしゃれなウェアを提供することで、みなさんの心の健康にも貢献できれば幸いです。当社は物づくりの会社です。このような活動を通じて、マーケット、ユニバーサルデザインといった分野にも取り組んでいきたいです」とコメントした。続いて仙座氏が、ユニフォームロゴスポンサー締結の背景と本取り組みについて説明。締結の背景について「今回の経緯ですが、年に1~2回しか電話を寄越さない、次男の北斗から『ウェアを作ってほしい』と言われました。私も以前から車いすバスケに非常に興味を持っておりまして、大変アグレッシブで素晴らしいスポーツだと思っています。ただ、親からしたら少し心配ではありました。でも、今回このような形で『NO EXCUSE』をサポートすることになりまして、2024年パリのパラリンピックにて『NO EXCUSE』の中からパラリンピック選手が選抜されることを願っております」と、息子である仙座選手とのエピソードを交えながらコメントした。
公式アイテムについては「『PEARLY GATES』がこれまで培ったさまざまな経験と、知識をユニフォームに託しました。特にオリジナルパーカーは、各選手に合わせてほぼイージーオーダーで制作しました」と誇らしげに語った。
大嶋義昭選手&仙座北斗選手、目標語る
続いて、『NO EXCUSE』のガード・北斗選手、ガード・森選手、パワーフォワード・森谷選手、ガード・大嶋選手、フォワード・高橋選手が登場。それぞれの自己紹介を終えた後、大嶋選手が『NO EXCUSE』について「目標としては、日本一を目指しています。ただ日本一になるのではなく『日本一のチームワークで日本一になろう』というチームです。互いを尊重すること、信頼すること、時には自己犠牲を払ってチームのために献身的に尽くすというのを大切にしており、みんなで日本一を成し遂げようと頑張っています」と説明。東京都大会17連覇という記録について聞かれると、大嶋選手は「みんなの力が途切れずに続いてきたからこその記録だと思います。周りのチームからはライバルでもあり、目標にもされていると思います。自分達の振る舞いや、練習への向き合い方はお手本になるように意識しています」と語った。ゴルフアパレルブランド企業の上席執行役員を父に持つ北斗選手は、今回の取り組みについて「先ほど父の話を聞きながら色んな思いを巡らせていました。2016年からこのチームに在籍して、もう6年になるのですが、チームを通じて自己成長の機会を与えてもらっているので、何かしら貢献したいという思いから父に連絡しました。来年、日本一のチームを決める天皇杯で、最高の戦闘服を着て、応援席でファンの方達が応援タオルを持っているという、そんな景色を実現させたいと思います」と、自身の思いを語った。
森紀之選手&森谷幸生選手、車いすバスケの魅力を熱弁
続いて、車いすバスケについての話題に。パラリンピックで注目を集めた車いすバスケだが、森選手は「『NO EXCUSE』は社会人チームで、働きながら練習に参加している人、アスリートとして練習が仕事になっている選手と両方いるのですが、同じ日本一という目標持って戦っているチームです。練習は火曜日・木曜日・土曜日なのですが、まだ体育館で気軽に車いすバスケができる環境じゃないというのが現実です」とコメント。さらに、車いすバスケのルールについて「コートとボールは同じですが、違う点は主に3つあります。ひとつはトラベリング。立ってバスケをする場合、3歩歩いたらトラベリングになるのですが、車いすバスケの場合は、3回プッシュするとトラベリングになります。2つ目は、ダブルドリブルがないこと。立ってやるバスケでは1回保持するとドリブルができなくなってしまいますが、車いすバスケは何回保持してもドリブルをしても大丈夫です。そして、3つ目が一番の特徴なのですが、各選手に持ち点があります。1.0点から0.5点きざみで4.5点まであり、障害の重さによって持ち点が異なります。また、全員の持ち点の合計点が14点以内という決まりがあります。障害の軽い人から重い人まで、協力し合って同じ目標を目指しながら戦うというのが車いすバスケの魅力です」と解説した。車いすバスケの見どころについて、森谷選手は「車いす同士がぶつかり合う競技ですから、ブレーキをした際にタイヤが焦げる臭いも見どころのひとつです。先ほど森選手が言ったような『クラス分け(持ち点が定められている)』という特殊なルールもあり、それぞれの選手の特徴や役割を踏まえた上で作戦が考えられています。また、上手い・下手だけではなく、障害の重さによってできる、できないが変わってきます。それをお互いに理解し、チームワークで解決していくというのが他にはない見どころのひとつだと思います。さらに、それぞれ障害が全く違うので、車いすは基本的にオーダーメイドで作られています。選手の障害やプレースタイルによって異なるので、そこにも注目してもらえたら面白いと思います」と熱弁した。
高橋智哉選手、新アイテムに喜び
発表された公式アイテムについて、送ったリクエストと実際着てみた感想について聞かれると、高橋選手は「まずデザインについてなのですが、車いすに乗っていてもロゴがしっかり見えるというのがポイントです。サイジングは、競技の特性上、肩回りや腕の長さが既製品のサイズでは合わないという問題点があったのですが、実際に時間を取って全員が試着をさせてもらい、最終的には7XLというサイズまで注文させていただきました。あと、厚みがある素材に見えると思うのですが、実際は伸縮性がすごく良く、軽いです。練習は過酷なものになってくるのですが、吸汗速乾機能をつけていただいているので、爽やかさをキープしながらプレーできるのではないかと期待しています」と、理想的なアイテムに仕上がった喜びを口にした。また、ロゴについて聞かれると「バスケットボールが花のような形に開いていくデザインになっています。チームの方針として、ここから車いすバスケが様々なところに展開されていくようにという思いが込められています」とコメント。
一方の北斗選手は「パーカーは生地選びからスタートしました。たくさんのサンプルの中から選ばせていただいたんですけど、表面は光沢感があって高級感があり、中はもっちりとして温かみもあります。用途としては、移動時や練習時の肌寒いときにぴったりな素材になっています。また、車いすを漕ぐときに、タイトだとどうしても動きづらかったり気になってしまったりするので、サイズ感にもこだわってリクエストしました。あと、袖が長すぎるとタイヤに擦ったり、汚れて破けてしまうのですが、『PEARLY GATES』さんに袖の長さも調整していただきました。完成したものを見たときは、着心地の良さももちろんのこと、パッと見たときの高級感に『最高だ』というチームメイトの嬉しい声が聞けました」と完成度の高さを絶賛。父である仙座氏は、北斗選手からの言葉に照れ笑いを浮かべていた。
仙座北斗選手ら、今後の車いすバスケの活動をアピール
また、車いすバスケ選手の逞しい体つきについて、森谷選手は「車いすバスケは腕だけで行うスポーツなので、実際に見ていただいたら『腕が太いな』というのをわかっていただけるかなと思います。大嶋選手は、車いすバスケ界で1、2を争う腕相撲の強さを誇ります」と、笑いを交えながらコメント。さらに、オリジナルタオルについても「サイズ、使用する色、デザインなど工夫していただきました。チーム名の下には『MAXIMIZE YOUR POTENTIAL』というチームの理念のひとつが書かれていて、これは我々が本当に大切にしている言葉です。この文字がはっきり見えるようにデザインしてもらったことを大変嬉しく思っています。また、このタオルはファンの方々にも使用していただく予定でして、来年の天皇杯では大勢のファンの方にこのタオルを掲げてもらえたら我々の力にもなります。その日が来ることを、今から選手一同楽しみにしております」と、来年への期待を滲ませながら語った。
最後に、今後の活動について、注目してほしいところや1月に開催される天皇杯への意気込みについて全員に質問。森選手は「来年の1月20日、21日、東京体育館で天皇杯があります。ぜひ応援に来られる方は来ていただきたいです。そして、我々が日本一になる姿を見てほしいです。僕はスタベン…まあ、スタートベンチなんですけど(笑)。スタベンとしてコミュニケーション力を生かして頑張るので、プレー以外のところでも楽しんでもらえたらと思います(笑)」、森谷選手は「これからもっと応援され、その思いに応えられるチームであるため、さらに精進していきたいと考えております。その姿を見ていただきたいと思っておりますので、ぜひ会場にお越しいただきたいです」と、天皇杯への強い気持ちを明かした。
大嶋選手は「車いすバスケは東京パラリンピックでも銀メダルを獲得し、かなり盛り上がっています。ただ、天皇杯はコロナ禍で中止が続いており、ようやく1月に開催されるということで、選手もスタッフも、支えてくれる方々にとっても苦しい時期が続きましたが、ようやく皆さんの前でプレーできる日が来ました。その感謝の気持ちを最高のプレーで届けたいと思います」、高橋選手は「それぞれ環境は違いますが、各個人で優勝を目指しています。僕は最年少かつ健常者プレイヤーということで、しっかりチームに勢いをつけて貢献できるように精進してまいります。ぜひ会場にお越しいただき、応援をよろしくお願いいたします」とコメント。
最後に、北斗選手は「父にはたくさん心配をかけましたが、忙しい中でも色々なところに連れて行ってもらいました。まあ、一番連れて行ってもらったのは府中競馬場なんですけど(笑)。本当に感謝しています。親子の繋がりから始まった取り組みなのですが、日本一を目指すという夢の実現に向けて、ここまで広がってきたことを嬉しく思います。このウェアを着て、来年の天皇杯を優勝したいので、皆さんどうか応援のほどよろしくお願いいたします」と父との思い出も振り返りながら語り、イベントを締めくくった。
高橋智哉選手&森紀之選手、2022年の活動振り返る
イベント後の囲み取材では、記者からの「チームとして、今年一年を振り返るとどんな年でしたか?車いすバスケ用語でお答えください」という質問に対し、高橋選手は、「『ティルティング』です。ティルティングは障害の比較的軽い選手がやるのですが、車いすの片輪を上げて高さを出すプレーのことを言います。届きそうで届かない“優勝”を、ティルティングのように掴み取ろうということでこの言葉を選びました」とコメント。途中、森谷選手がティルティングの実演を行い、会場は大きな拍手に包まれた。また、『NO EXCUSE』としての見どころやストロングポイントについて聞かれると、森選手は「まず、チームの理念にもあるチームワークの良さは必ず見てほしいと思います。円陣を組んで、しっかり声を出して、天皇杯の優勝に向けて頑張ります。また、森谷選手のように目立つ選手もいるのですが、一方で目立ちにくいローポインターの選手もいます。でも、仙座選手で言えばスピードがあるし、大嶋選手は頭を使ったプレーをします。各選手にフォーカスを当てて試合を見ると、さらに車いすバスケが楽しく見られると思います。僕はスタベンなので、ベンチで何やってるのかな~?と見てもらいたいですね」と話し、笑いを誘った。
仙座北斗選手、“車いすバスケあるある”語る
そして、“車いすバスケあるある”を聞かれると、北斗選手は「練習をすればするほど手の皮が剥けて、マメができます。森選手や大嶋選手のようなベテラン選手になると、グローブみたいな手になるんです。逆に、新人の高橋選手は綺麗な手をしています」と、車いすバスケならではの苦労が垣間見えるエピソードを明かした。さらに、仙座氏に「今回のプロジェクトにはどのくらいの準備期間を要しましたか?」という質問が。これに対して仙座氏は「7月くらいから準備を始めましたね。『天皇杯プロジェクト』というものを立ち上げ、プロジェクトチーム全員が選手たちとコミュニケーションを取りながら天皇杯優勝に向けて頑張っています。一般的に売っているものよりも丈夫な素材だったり、カッティングも選手それぞれ違いますし、あと、どうしても汚れも目立つので。ゴルフはあまり汚れるということがないため、そのあたりはよく考えながら製作していました。また、先ほど『パンツも作ってほしい』と言われたので、来年春に向けてパンツも作りたいと思います」とコメント。
最後に、下地氏が「障害の有無にかかわらず人々が理解し合うために大切なこと」について聞かれ、「やはり、思いやりではないでしょうか。相手の立場に立って考えることはとても大切だと思います。こうして皆さんが着心地の良さを評価してくださり、笑顔になっていただいている。それは洋服の作り手として最高の褒め言葉です。みんなが元気になったり、明るくなったり。そういったことで相手を慮るようなデザインができて、かつ、それを着て喜んでいただけるという環境を我々が提供できたことは本当に嬉しいです」とにこやかに話した。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】
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