

実写版『秒速5センチメートル』高畑充希の“ヒロイン起用”は正解か? 先入観を覆す演技力への期待
ついに8月も終わりを迎え、実写映画『秒速5センチメートル』の公開日が間近に迫ってきた。本作は、新海誠監督の原点とも評される名作アニメーションの実写化作品。元がアニメゆえにキャスティングへの関心は高く、なかでも高畑充希のヒロイン起用は大きな話題を呼んだ。現状は賛否両論といった状況だが、公開と同時に評価が一変するかもしれない。
2007年に公開された『秒速5センチメートル』は、惹かれ合う男女の儚い関係を短編3話で描いた連作アニメーション。遠距離恋愛の切なさや、男女の恋愛観の違いなどをリアルに描き出し、ゼロ年代の若者たちから熱烈な支持を集めた。
そんな同作を語るうえで、欠かせない重要人物の一人が篠原明里だ。主人公の遠野貴樹は転校先の小学校で明里と出会い、互いに惹かれ合うようになる。しかし明里の転校をきっかけに、二人は離ればなれとなり、いつしか文通さえも途絶えてしまう。大人になった貴樹は、いつまでも明里の面影を引きずるも、当の明里は別の男性と結ばれ、幸せを掴んでいた――。
いわば初恋の幻想に対するリアリズムを描いたような作品であり、明里と結ばれることも再会することも叶わなかったラストは、人によってはバッドエンドに映っただろう。だからこそ『君の名は。』のラストで瀧くんと三葉が再会したシーンは、往年のファンを歓喜させたのだ。
兎にも角にも『秒速5センチメートル』の明里は、主人公の心を縛り続ける“幻影”のような存在。どこか儚いイメージをまとった明里を高畑が演じることに、ピンと来ていないファンも少なくない。
そもそも“俳優・高畑充希”には、どのようなイメージがあるのだろうか。まず彼女の名を世間に広く知らしめた作品といえば、2016年に放送されたNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』が挙げられる。高畑が演じた“とと姉ちゃん”こと小橋常子は、亡き父(とと)に代わって家族を守る逞しいヒロイン。一本芯の通った性格で、激動の昭和を駆け抜ける姿は、多くの視聴者に元気と感動を与えた。
一方で、強烈だったのが、ドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の主人公・根本加穂子だ。彼女は今日着ていく服すら自分一人で決められない、史上最強の箱入り娘。興奮すると今の気持ちを一気にまくしたてる一面があり、その膨大な台詞量はネットニュースでも話題になるほど。言い切るのも大変な長台詞を早口でやりきる高畑の力量は、まさに圧巻だった。もともと高畑はミュージカル出身の俳優だけに滑舌が良く、声もよく通る。そのため加穂子役はハマり役となり、この頃から『忘却のサチコ』(テレビ東京系)や『同期のサクラ』(日本テレビ系)など、クセの強い役柄も多く演じるようになっていった。
高畑にこうしたイメージを持つ人ほど、今回の明里役には違和感を覚えてしまうかもしれない。しかし近年の彼女は俳優としての引き出しを着実に広げ、外見やイメージの先入観にとらわれない演技力を見せている。
例えば2024年の大河ドラマ『光る君へ』で高畑が演じたのは、一条天皇の中宮・藤原定子。高い身分にありながらも怒涛の運命に翻弄された、いわば悲劇のプリンセスだ。その定子を演じた高畑は、従来のはつらつとしたイメージとは異なり、どこか儚く妖艶。悲劇的な雰囲気をも漂わせる高貴な姿を見て、高畑への印象が大きく変わった人も多いのではないだろうか。
また『ゴールデンカムイ』の実写映画では、主人公の幼なじみ・梅子役を熱演。出番こそ少ないものの、その存在感は圧倒的で、多くの観客が高畑の演技力を改めて実感した。ほかにも映画『怪物』の鈴村広奈や『国宝』の福田春江など、さまざまなタイプの女性を演じてきた彼女は、役柄や作品の色に応じて自在に雰囲気を変えられる稀有な存在へと進化している。
これまで幾度となくその実力を示してきたように、『秒速5センチメートル』の実写映画でも、原作ファン納得の明里を作り上げてくれるに違いない。
映画は、2025年10月10日(金)より公開予定。切なさと美しさが交錯する物語を、進化し続ける高畑の演技とともに見届けよう。
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