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<東日本大震災から15年>震災遺児たちの今。心のケアの重要性をあしなが育英会が発表 #知り続ける

2026.03.11 11:00
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2011年3月11日の東日本大震災から、今年で15年。震災当時に親を亡くした子どもたちの多くは、すでに大学生や社会人になっています。震災遺児を支援してきたあしなが育英会は、心のケアがその後の人生にどのような影響を与えたのかを調べる追跡調査を行いました。

そのなかで、震災遺児のこのような声が紹介されました。

「3月11日14時46分に黙とうしたくない」という遺児



毎年3月11日に近づくと、被災地だけでなく日本全体に震災の報道が増えていきます。しかし遺児のなかには「3月11日の14時46分は学校の終わりの会で黙とうしなければいけない。けれど、あの日のあの時間はまだお母さんと電話で繋がっていて、お母さんは生きていた。だからこの時間に黙とうしたくない」という人もいるそうです。

東日本大震災から15年、今も遺児たちをサポート


親を亡くした遺児や、親に障がいがある子どもを支援する一般財団法人あしなが育英会。経済的な困難を抱える子どもたちへの給付金支給のほか、教育支援や精神的なケアといった活動をしています。東日本大震災においても震災遺児をサポートしてきました。

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震災翌日の2011年3月12日には、2,083人の震災遺児を確認。国内外問わず、さまざまな個人や企業、団体から寄付を受け、お腹の中にいる胎児から大学院生まで一律282万円の特別一時金を届けることができました。これには1995年の阪神・淡路大震災で培った震災遺児へのサポート経験が活かされているとのこと。

2011年4月11日には宮城県仙台市若林区に事務所を開設。遺児との関係づくりや家庭訪問、ケアプログラムに合わせた手紙や電話など非対面での交流といったような、遺児の心のケアを始めました。さらに2014年には交流の場「レインボーハウス」を仙台、石巻、陸前高田にオープン。高校生以下の遺児を対象に遺児家庭同士が交流し、「自分は1人じゃない」と感じながら人生を前向きに考えられる心のケアプログラムを今も継続しています。

また18歳以上だけが集う「にじカフェ」が展開されています。にじカフェは「進学や就職で地元を離れても、帰って集まられる実家のような場所がほしい」という声をもとにスタートしました。現在も大学生から20代後半の人が参加し、就職、進学、仕事、結婚など人生の悩みを語り合ったり話を聞けたりする場所として機能しているそう。震災当時は幼くて自分の気持ちをうまく語れなかったけれども、今だから語れるという人もいるようです。

震災遺児1,444人への追跡調査でわかったこと



あしなが育英会は今年、「心のケア」に関する活動が遺児たちにもたらした影響を明らかにするべく、現在も住所を把握している震災遺児1,444人を対象(有効回答数330人)とした追跡調査を実施しました。
震災の体験を話せた人ほど…?
調査では孤独感尺度、自尊感情尺度、人生の意味尺度という3つに着目。「震災以後からこれまでの間、家族を亡くした経験などを話せる人・場所がありましたか」という問いを見てみると、「話せる場所と人があり、話すことができた」(66.7%)人は孤独感が低く、自尊感情が高く、人生の意味が肯定的になったことがわかりました。
震災体験を話すハードルは高い
一方、「あったが話したくなかった」と回答した人が28.8%となったことも見逃せません。この理由について掘り下げると、未就学児と小学生(被災時の年齢)では「話す必要を感じなかった」人が最も多かったことが判明。中学生以上(被災時の年齢)では「どう表現したらよいのかわからなかった」、「聞き手や場所にマイナスの影響が出る気がした」という回答の割合が高かったとのことです。この2つの項目はすべての学年で2割を超えていたことから、話せる場所の有無だけでなく、話すハードルが高いことが課題となっていたことがわかります。
愛着が持てる場所を増やし、同じ境遇の仲間と交流すること
さらに愛着を持てる場所が多く、愛着が強くなるほど孤独感が低く、自尊感情や人生の意味に対する肯定感も増大する傾向が見られました。居場所だと感じる場所については「自室」(98.4%)、「家庭」(92.2%)と続き、「レインボーハウス」(72.8%)と「学校」(72.2%)はほぼ同水準でした。

同じ境遇の仲間と交流できる場所として、レインボーハウスが居場所のひとつになっていた可能性があると、あしなが育英会は分析しています。

明らかになったのは「高校生へのケア」の問題


今回の調査では大きな課題も見えました。それは高校生へのケアです。学年が上がるにつれてレインボーハウスのプログラム参加経験が右肩下がりになり、高校生以上だと1割以下。「参加したかったができなかった」という割合も43.4%で、中高生では、こうした集まりに参加するハードルの高さが浮き彫りになりました。

レインボーハウスやにじカフェに来ることでようやく自分の親の死と向き合える子どももいれば、人生の変化で新しい悩みを持つようになった子どももいます。「自分を気にかけてくれる人がいる」という安心感や自分の人生を支えられる居場所を与えることが、今後もレインボーハウスやにじカフェの役割であり続けていくのだと取材を通して感じました。

文・AKI 編集・編集部 イラスト・猫田カヨ

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