SUPER EIGHT丸山隆平、不条理な世の中への思い吐露 佐藤二朗との関係は「織姫と彦星みたい」【「名無し」インタビュー前編】
2026.05.22 18:00
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5月22日公開の映画『名無し』に出演するSUPER EIGHTの丸山隆平(まるやま・りゅうへい/42)にモデルプレスがインタビュー。作品への共感や、演じたキャラクターへの向き合い方に加え、主演・佐藤二朗の印象まで、率直な言葉で語った。【前編】
映画「名無し」
佐藤が映画用に描いたもののお蔵入り寸前だったオリジナル脚本が書籍編集者の目に留まり、永田諒氏の作画によって漫画化された。数奇な運命を背負った異能の男の希望と絶望、そして狂気を描破するこの作品を、原作・脚本・主演の佐藤と城定秀夫監督のタッグで映画化したのが『名無し』だ。丸山は、身寄りも名前すらもなかった少年期の佐藤演じる“名無し”こと山田太郎の名付け親となる巡査・照夫を演じ、「山田」と同じ児童養護施設で育ち共に暮らしていた山田花子をMEGUMI、連続殺人事件の容疑者「山田」を止めるべく奔走する刑事・国枝を佐々木蔵之介が演じる。
丸山隆平「理解したくはないんですけどね」山田太郎という存在への本音
― 丸山さんは出演発表時のコメントで、「ただ残忍なだけではなく、深く共感せざるを得ない、人間としての欠陥を象徴するかのような特殊性」と表現されていました。この作品の登場人物のどんな部分に共感されましたか?丸山:僕が演じた照夫が、一番共感しやすい人物ではあると思いますね。“昭和の親父”みたいなところとか。もし現実に太郎みたいな人物がいたら、“どうしたらいいんだろう”って考えてしまう部分はあるかな。
― 太郎の特殊性みたいなものは、ものすごく突出していますが、理解できる部分はありますか?
丸山:理解したくはないんですけどね。でも、太郎の感情が“全く別世界のものか”と言われると、そう言い切れない部分もあると思うんです。社会で生きるために抑えている部分とか、外に出していない感情みたいなものは、きっと皆さんと同じようにあると思うので。
僕自身も、42年間生きてきた中でも、不条理なことに対して、うつうつとしたものを感じることもありますし。自分たち個人の力ではどうにもならない、世界的な情勢とか戦争とか。その余波を受けながら生きていて、誰のせいにもできない、自分の手ではどうにもできないことに対して、時折浮かんでくる怒りみたいなものは、皆さんと同じようにあると思うんです。
でも、それをずっと考え続けることはできないし、生活もしなきゃいけない。だから、身近な人のために働くとか、自分のために働くとか、そういうことでバランスを取っているんだと思います。
今の世の中って、いろんなことにすごく気を遣わなきゃいけないじゃないですか。ルールや制限も多いですし、こうやって取材を受けている中でも、言葉を選びながら話すことも難しい。だから、こういう作品そのものが、皆さんが抱えている行き場のない感情みたいなものを、エンタメとして発散する“代理人”のような役割を果たしてくれている気がするんです。
丸山隆平、完成作に「咀嚼しきれない」 “後味”に感じたもの
― 完成作をご覧になって、どんなことを受け取られましたか?丸山:試写を観た後、監督に「どうでした?」って聞かれたんですけど、言葉が出なかったんです。すぐには咀嚼しきれなかったのかも知れない。「サイコホラーだな」「スプラッター映画だな」とか、「暴力シーンが生々しくて鮮明でした」とか、言葉にしようとすればいくらでも伝えられる人もいると思うんですけど。
でも僕は、観終わった後の“後味”を言葉にするのに、すごく時間がかかる作品だなって思いました。映画として届ける意味のある作品だと思うし、エンタメとしても、こういったジャンルが好きな僕みたいな人間もいると思うので、そういう人たちにも納得して満足できる作品だと思う。いろいろと思いを巡らせたり、考察したい方にも、“自分の感情がどう動いたか”を提示できる作品だなと思いました。
丸山隆平、“綺麗事じゃない”照夫役を構築「昭和の親父みたいなものが滲み出れば」
― 照夫の目線で物語を観る部分も多かったのですが、どんなことをベースに役を作っていったのでしょうか?丸山:衣装合わせの時に監督から、「綺麗事で終わらせないでほしい。巡査という仕事をしているけど、絶対的に正しい心を持って生きている、“つるつる綺麗な人間”というわけではない。本当に一般的な、公務員として働いている人物として立っていてほしい」というような言葉をいただいたんです。もっとシンプルな言葉だったとは思うんですけど、僕の中ではそう解釈しました。
だから、「空は繋がってる、人は一人じゃない」みたいなセリフって、美しく言えると思うんですけど、そうならないようには意識しましたね。“昭和の親父”みたいなものが滲み出ればいいなと。
― すごく実感を持って演じられている印象を受けました。モデルにされた人物などはいたんですか?
丸山:モデルはいないです。でも、映画って総合芸術だったりするので。衣装とか、カメラのレンズの色合いとか、ロケーションとか、そういうものにすごく助けられていた感覚はあります。
遊園地と動物園がくっついたような場所があったじゃないですか。ああいうロケーションの力も、すごく大きかったと思います。今は、昔ながらの風合いを残した動物園って、なかなかないじゃないですか。
でも、今回のロケ地には、ほたるを年中見られる場所があったり、ちょっと古めかしくて、ごちゃごちゃした空気感が残っていたりして、独特の風合いがあったんです。
僕一人の技術ではどうにもできないというか。僕は、発注されたネジを「これでいいっすかね」って毎カットごとに作っていく感覚なので、なかなか自分だけの手柄にはしづらいですけど(笑)。でも、貪欲には頑張りました。
丸山隆平、佐藤二朗とは「織姫と彦星みたい」な関係に
― 佐藤二朗さんと、この映画について何かお話しされたことはありますか?丸山:それが、ないんですよ(笑)。共通の知り合いの方から「マルと二朗さんを会わせたいんだよね」って、1〜2年くらい前から聞いていたんですけど、なかなかお会いする機会がなくて。今回こういう形でご一緒できたんですけど、同じシーンでの撮影はなかったのでほとんど話せていないんです。
クランクインする前のお祓いが終わって、車に乗り込むまでの間に少しだけお話ししたくらいで。「お誘いいただいてありがとうございます」「出てくれて嬉しいよ」みたいな、本当に2〜3ラリーくらい(笑)。なんか、織姫と彦星みたいでしたね。会いたいのに、なかなか会えないという。
― 完成作をご覧になって、佐藤さんについて感じたことはありますか?
丸山:めちゃくちゃインタビューしたいですね。いろんな方がインタビューされると思うので、それを読みたいです(笑)。とても興味深い方です。二朗さんが出演されているほかの作品も拝見しているんですけど、僕が惹かれるタイプの思考回路というか、マインドの方なんだろうなと思う部分があって。
二朗さんの内面のどういう部分から、こういう作品が生まれてくるのか、興味がありますし、より興味が湧きました。ぜひ一度、じっくりお話しさせていただきたいですね。
― 役者として印象に残ったシーンは?
丸山:僕、好きなシーンが1個だけあるんですよ。でも言わないです(笑)。そこを目指して観ちゃう人がいるから。でも、「圧倒的にここ!」っていう場面があって。観終わったあとにマネージャーさんとも「あそこヤバかったよね!」「あそこすごかったよね!」って盛り上がりました。
MEGUMIさんのお芝居にも引き込まれました。純粋に観ていて圧倒されましたし、佐々木蔵之介さんも本当に素晴らしかったです。
★後編では、悩みとの向き合い方や夢を叶えるために大切にしていること、さらに屋久島で体験した“救われた出来事”などについて語ってくれた。
(modelpress編集部)
丸山隆平(まるやま・りゅうへい)プロフィール
1983年、京都府出身。SUPER EIGHTのメンバーとして活動中。グループとしては、2025年に日本武道館でのライブを初開催し、その模様が収録されたDVD「超八 in 日本武道館」が2026年5月27日に発売される。5月28日には新曲「ダンダーラ」が配信リリースされる。ソロとしては、歌手やベーシストとしての活動や、俳優業など、幅広く取り組んでいる。近年のドラマでは、『着飾る恋には理由があって』(2021)、『FOGDOG』(2025)、出演映画は、『泥棒役者』(2017)、『金子差入店』(2025)、舞台では、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2022)、『ハザカイキ』(2024)、『浪人街』『震度3』(2025)、『oasis』(2026)などがある。ラジオでは、FM COCOLO『Groove-Method』のDJを担当している。
スタッフクレジット
ヘアメイク:NOBU(HAPP’S.)スタイリスト:袴田能生(juice)
『名無し』
原作・脚本:佐藤二朗
出演:佐藤二朗 / 丸山隆平 MEGUMI / 佐々木蔵之介
監督・共同脚本:城定秀夫
2026年5月22日(金)公開 82分 PG-12
(C)佐藤二朗 永田諒 /ヒーローズ (C)2026 映画「名無し」製作委員会
公式サイト:https://774movie.jp/
公式X:https://x.com/774movie
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@774movie
【Not Sponsored 記事】
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