松本潤、一度オファー断っていた 決断するまでの心境告白「嵐の活動が休止となり…」<「どうする家康」インタビュー前編>
2023.01.08 11:30
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2023年1月8日放送スタートの大河ドラマ「どうする家康」(総合テレビ、毎週日曜午後8時~/BSプレミアム・BS4K、毎週日曜午後6時~※初回15分拡大放送)で主演を務める嵐・松本潤(まつもと・じゅん/39)が、モデルプレスなどのインタビューに応じ、大河ドラマ初出演にして初主演を務める心境や演じる徳川家康公への思いを聞いた。
松本潤主演「どうする家康」
今作は、脚本家・古沢良太が新たな視点で、誰もが知る歴史上の有名人・家康の生涯を描く。ひとりの弱き少年が、乱世を終わらせた奇跡と希望の物語。松本が徳川家康役を演じるほか、織田信長役に岡田准一、家康の妻である瀬名(築山殿)役に有村架純、豊臣秀吉役にムロツヨシ、今川義元役に野村萬斎、武田信玄役に阿部寛ら豪華キャストが出演する。
松本潤、オファーを受けた時の心境振り返る
― 大河ドラマ主演というオファーを受けた時の思いと作品のタイトルを聞いた時の率直な感想を教えてください。松本:オファーをいただいた時は本当に驚きました。ゆくゆくは大河ドラマ出演のタイミングが来るのかもしれないと思いつつ、ほぼ来ないものだとも思っていたので「なんで僕に?しかも家康?」と疑問符が浮かびました。嵐が活動休止に入る2ヶ月前ぐらいにお話をいただいたのですが、その時点で家康公を演じる自分がイメージできなかったことと、短い時間でこの重大な決断をするのは難しいということを伝えて、せっかくいただいたお話でありがたかったのですが、そのときは一度お断りさせていただきました。年を越して、嵐の活動が休止となり「新たに自分が挑戦できることは何か?」と考えた時に、オファーのお返事を待ってくださっていたので「そこまで待っていただいて、信じていただけるのなら、私でよければぜひ」とオファーをお受けしました。
「どうする家康」というタイトルについては、はじめは斬新だなとは思いましたが、僕は既にタイトルが決まった段階で聞いたということもあり、また演じていくなかで、どんどんぴったりだと思うようになりました。家康公が生きていた戦国時代というのは、生き延びるために誰につくのか、誰を裏切るのかという選択の連続で、1つの選択が生死に関わってくるので困難な日々と重なると思ったからです。
― 6月のクランクインからおよそ半年が経ちましたが、ここまで収録に参加されて手応えや感想を教えてください。
松本:普段の撮影は粛々とやっているので、こうして取材やインタビューを受けさせていただくと、いよいよ初回が近づいてきたんだなと感じます。これまで経験した民放の連続ドラマだと長くても3ヶ月半から4ヶ月で、その時期を既に超えているので、すごく不思議な感覚です。
家康公は、日々「どうする?」と突きつけられて、その都度判断を下していくのですが、特に前半の家康公は悩む日々で、1つ乗り越えたと思ったらまた1つ次の問題が起きるという連続なので、常に翻弄されています(笑)。家臣団や瀬名とのシーンでは唯一、対照的に、ほっこりとした穏やかなシーンを撮ることができるので、日々の楽しみになっています。
松本潤、古沢良太が作る脚本・家康像について語る
― 古沢さんが描く家康像について、松本さんはどのような人物として捉え、魅力を感じながら演じられていますか?松本:実際に家康公を演じる前は皆さんも思い描いているように“狸おやじ”と形容されるような、少し恰幅の良いおじさんというイメージでした(笑)。描かれ方は様々ですが、年配の俳優さんが、たとえば津川(雅彦)さんや西田(敏行)さんが演じられているイメージが自分の中にはあります。今回僕は、次郎三郎元信、元康、家康と名を変えていく長い人生を演じるのですが、古沢さんは脚本の中で、家康公が戦国時代で毎日、生きるか死ぬかの選択を迫られる状況の中、周りの武将と比べると力が及ばないと痛感することが多い日々を描いています。実際に僕も演じていて、日々「どうする松本」と問われているようで選択の連続です。もちろん、か弱きプリンスとして描かれている部分もありますが、家康公は別の選択肢を選んでいたら死んでいたかもしれない場面で、なんとか生き延びる方を選んでくることができた。そして長生きしたからこそ、最終的に戦国時代を終わらせて将軍となり、江戸時代を切り開けた人なのかなと自分の中で掘り下げて考えています。
― 古沢さんの脚本はテンポの良さが魅力の1つでもあると思うのですが、松本さんが感じる古沢さんの脚本の良さはどこでしょうか?
松本:古沢さんの脚本は読んでいる時はもちろんですが、演じている時の方がより面白いです。脚本を読んでいる時には決められた尺の中で動けるのか、上手くいかないように感じてしまう部分も実際に動いてみると「ぴったりだ」と思えることがすごく多いので、毎回驚いています。台詞に関しては、実際に本番で声に出してみると言いやすく感じますし、ワードセンスがすごく高いと感じています。何より、古沢さんの脚本は視聴者の意表を突くような仕掛けや感動させるポイントがあり、今作も上手い仕掛けが随所に出てくると思います。
― 家康以外のキャラクターにはどのような魅力を感じていらっしゃいますか?
松本:キャラクターそれぞれが、家康公との距離感の取り方がすごく上手だなと思います。それに、現場で役者が実際に動くと、想像してなかったことが起こるので、常に面白いです。
松本潤、大河ドラマならではの撮影方法とは?
― 撮影が進んでいく中で、大河らしさを感じる瞬間はありますか?松本:大河ドラマに初めて携わるので、何が大河らしさなのかはまだ判断がつかない部分もありますが、やはり大規模な撮影現場だなと感じます。これだけ多くのスタッフが常に一緒に動いている現場はなかなかないように思いますし、恐らくあと1年くらい撮影があるのですが、こんなにも長い期間で1人の人物を演じ続けることは後にも先にもないと思うので、改めて特別な経験をさせていただいているのだなと感じます。前作(「鎌倉殿の13人」)は僕の友達でもある小栗(旬)くんが主演を務めていたので、情報共有をしていたこともあります。僕は6月にクランクインしたのですが、彼(小栗)も1年前の6月にクランクインしているので「ようやく1年経ったな」と言っていました。実際に聞いていた話を現場で体感することもあるので面白いです。
― 大河ドラマの主演を経験して、自分自身に変化を感じたことがあれば教えてください。
松本:大河ドラマだからという意識はなく、現場でどうやって作品と向き合っていくかという基本的なスタンスは変わっていないです。今は、演じることに精一杯なので、自分自身に変化が起きているのか感じられていないです。どうですか?僕、変わりました(笑)?
松本潤が羨む“徳川家康”の才能とは?
― 今作はこれまでの家康公のイメージとは異なり、親近感が湧くような家康像にも見えますが、松本さんが親しみを感じる部分や共感される部分はありますか?松本:僕が演じる家康公は感情が豊かで素直です。後悔したことを家臣や人前で言えてしまうところがチャーミングでもあり駄目なところでもあって、その駄目なところを古沢さんが上手く切り取り、脚本に反映しようとしてくれています。そういった部分が人間らしくもあり、厳しい戦国時代で生死に関わる選択をし続ける中でふっと笑えるシーンに繋がっているのだと思います。家康公自身は至って真面目なので、現場でも僕は真面目に演じています。そこで僕が面白いシーンにしようとある種計算して動いてしまうとかえって面白さが削がれてしまうかもしれないですし、大河ドラマのトラディショナルさのような厳かな雰囲気を壊すことは避けたいため、そこは共演者の方のリアクションなどに預けたいと思っています。
― 松本さんが欲しい家康公の才能や羨ましいと思う部分はどこですか?
松本:1つは長生きしたことです。戦国時代で、周りの武将は殺され、病気で亡くなっていったこともあった中であの歳まで生き延び、天下を獲ったことはすごいことだなと思います。
もう1つは、1人でやらずに周りに託すのが上手だったことです。周囲の人が優秀だったという見方もありますが、家康公は1人でやらずに適材適所に人を置き、託す力に長けていたのだと思います。僕の中の家康像は、誰がやるということよりも実現したいことをいかに早く形にして成功させるかに重きを置いているような人物。人の適性を見極めて動かす才能があったのだなと思います。本編ではどのように描かれていくのか、僕自身すごく楽しみにしています。
松本潤、印象に残っている徳川家康ゆかりの場所を語る
― 3月と9月にNHKBSプレミアムで放送された「どうする松本潤?徳川家康の大冒険」では、家康公の趣味を体験されたり、甲冑を身につけられたりしていましたが、戦国時代の文化にはどのようなイメージを持たれていますか?松本:現代のように明かりのある環境が整っておらず圧倒的に日が短いため、やれることが限られていたのではないかと感じます。また、今の僕らよりも死が隣り合わせにある時代だったと思うので、神様に頼るという信仰心も強かったのだと思います。家康公が神様として色々なところに祀られている理由の1つなのではないでしょうか。また、お香などの嗜好品も自分を落ち着かせ、精神をフラットな状態にコントロールするための良い文化になったのではないかと僕は解釈しました。
― 同番組では、家康公にゆかりのある土地をいくつか訪ねられていたと思いますが、特に印象に残っている場所はどこでしたか?
松本:大樹寺と設楽原です。まず大樹寺は徳川家のお墓がずらりと並んでいるのを見て「これは本当にすごいことになったな。すごい役をやらせていただくのだな」と改めて実感しました。僕は、先祖代々同じ土地に留まって生き続けているわけではないので、このような光景を見る機会がなく、これだけこの地に根付いたものを描いていくのだなということを強く感じ、圧倒させられた瞬間でした。実際に、大樹寺のシーンも出てくるので、印象に残っている場所として挙げました。設楽原は、僕が最初に訪れた古戦場です。実際に徳川軍が陣を敷いたのではないかと言われている場所を見に行って、敵側の武田軍がどのあたりにいたのかというのを見た時に、距離があまりにも近いと感じました。その距離のリアルさを目の当たりにした時に、刀や銃を持った武士たちが集結して、誰か1人でも攻め込んで来たら合戦が始まってしまうという緊迫した空気感を感じることができたので、実際に自分で足を運んで良かったと思っています。
★インタビュー後編では、共演者とのエピソードや現場の雰囲気、座長として心がけていることなどについて聞いた。
(modelpress編集部)
松本潤(まつもと・じゅん)プロフィール
1983年8月30日生まれ、東京都出身。1996年5月にジャニーズ事務所入所後、1997年10月に放送された「ぼくらの勇気 未満都市」(日本テレビ系)で初の連続ドラマレギュラー出演を果たす。その後もCM・ドラマ・映画など幅広い分野で活躍。近年は、ドラマ「となりのチカラ」(テレビ朝日系/2022年)、映画「99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE」(2021年)で主演を務めた。
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