モデルプレスのインタビューに応じたゆうたろう(C)モデルプレス

ゆうたろう「何を目指しているの?と聞かれた」過去、メンズメイクへの反応の変化実感 メイク初心者へ伝えたいこと<インタビュー中編>

2022.04.16 12:01

メイクの裏技や私物コスメを公開してもらうモデルプレスの私物コスメ公開企画に登場してもらったモデルで俳優のゆうたろう(23)のインタビュー中編。今や男性がメイクをすることは珍しくなくなったが、メンズメイクの先駆者であるゆうたろうにメイク初心者へのアドバイスからメイクをする上で大切にしていること、これまで演じてきた役柄でのメイクのこだわりなどを語ってもらった。

ゆうたろうが感じるメンズメイクの“今”とは

2016年、ショップ店員から“可愛すぎる美少年”モデルとして芸能界デビューを果たし、2017年からドラマや舞台で精力的に俳優活動を行っているゆうたろう

その性別の概念を超えた“可愛すぎる”ビジュアルを活かし、「おじゃる丸スペシャル アニメじゃないでおじゃる?」(NHKEテレ)にておじゃる丸の実写化主演に抜擢されたり、ドラマ「来世ではちゃんとします」(テレビ東京)シリーズでは女装男子・凪を演じたりと、個性的な役柄に引っ張りだこで、俳優として独自のポジションを確立している。

K-POP人気の影響などもあり、令和の今、「メイク=女性のもの」という固定概念はもはや消えつつあるが、ゆうたろうが脚光を浴びた2016年当時は新鮮に受け止められた。ゆうたろうを始めカリスマショップ店員や読者モデルがどんどんと芸能界に進出、枠を超えたファッションやメイクを発信し、新たなムーブメントを作っていったのだ。

2月21日に芸能界入り6周年を迎えたゆうたろう。メイクをすることへの逆風や追い風も一番身近で受け止めてきたゆうたろう自身が今思うこととは。

ゆうたろう、メイクを始める前は顔がコンプレックスだった

ゆうたろう(C)モデルプレス
ゆうたろう(C)モデルプレス
― メイクは15歳くらいのときに美容系のお仕事をされているお姉さんに教えてもらって始めたんですよね。それまでコンプレックスがあったそうですが、具体的にはどこにコンプレックスがあったんでしょうか?

ゆうたろう:顔です。パーツというよりは思春期の頃の不健康から来るところがあって、全体的な肌荒れもあったし顔色も悪いし唇に血色感がないこともすごく嫌でマスクをずっとしていないと外に出られませんでした。多感で常に「誰かに見られているんじゃ」と自意識過剰になっていたので、メイクを始める前は一人で外に出るのも怖かったし、すれ違う人に自分という存在を認知されるのも嫌で、髪の毛も延ばしてマッシュで前髪重たくして顔が見えない状態で日常を過ごしていました。

そこから姉の知り合いがファッションショーに呼んでくれたことがきっかけで姉にBBクリームとリップだけのメイクをしてもらって、初めて自分で鏡を見て自分のことを可愛いと思えて、毎日のようにメイクをするようになりました。そこから少しずつ自分のことを好きになれてマスクもしなくなったし、自信が持てて明るくなりましたね。

― そこからベースメイクは血色をこだわるようになりましたか?

ゆうたろう:今のこのゆうたろうという存在が世に認知されてからは、どこで見られているか分からないから多少は常に綺麗にいたいという気持ちがあるので、ちょっと出かけるだけでもベースだけはしたり、日焼け止めもカバーしてくれるものを選んだりしてノーメイクで出かけることはあんまりないですね。

ゆうたろう、見え方のこだわりがすごい

持ち歩いているコスメポーチを持ってきてもらいました!(C)モデルプレス
持ち歩いているコスメポーチを持ってきてもらいました!(C)モデルプレス
― 先程私物コスメを紹介していただきましたが、この中だとどのアイテムが血色に一番効果がありますか?

ゆうたろう:やっぱりTIRTIRのクッションファンデーション(MASK FIT RED CUSHION 23N SAND)ですかね。自分の肌よりちょっと黄みが強い色を選ぶようにしていて暗すぎると顔全体が暗くなっちゃうので明るくしたいところはコンシーラーでちょっとカバーしています。自分の肌に合うものももちろん大事なんですけど、部分によってちょっと暗くしたり明るくしたり色を調整することに結構こだわっています。

― 細かい調整が大切なんですね。

ゆうたろう:自分の顔は真横から見られないので、普段は一応三面鏡とかでメイクをしていて、暗い色を塗って明るさの違いで陰影をつけたり、顔と首の色と違うのも嫌なのでベースが余ったら首まで伸ばしたりそういう日々の調整をしています。自撮りも、横から撮ってみたり、鏡越しで撮ってみたり、照明一つとっても自然光とは全然違うし、「家のカメラだとこれだけ発色したけど照明があるとこんなに変わるんだ」とか、色々なシチュエーションの映り方を確認して意識しています。

― 日々の努力がすごいです。

ゆうたろう:単純に楽しいというのもあります。自己満足だと思うんですけど、メイクで毎日色々な自分になれる感覚で組み合わせを日々研究して、「今日は新しいこの子を使ってみよう」とか色々なコスメを探究しているので楽しいですね。

ゆうたろう、メイクを始めたい人に伝えたいこと「見つかるまではメイクしなくても良い」

ゆうたろう(C)モデルプレス
ゆうたろう(C)モデルプレス
― ゆうたろうさんといえば、よくメンズメイクの相談を受けると思うんですけど、一番多い質問は?

ゆうたろう:「何から始めたら良いですか?」という質問がすごく多いんですけど、それは自分自身に聞くのが一番かなと思います(笑)。僕はコンプレックスから始まったのでベースからだったんですけど、「ヒゲが気になる」「血色感が欲しい」「顔を小さく見せたい」「鼻を高く見せたい」とかそれぞれの気になることがあると思うので、それが見つかるまではメイクしなくても良いのかなと。中学生から「周りは皆メイクしていて私だけしてなくて…」みたいな相談が来ることもあるんですけど僕的には中学生にメイクは必要ないと思うんですよ。

周りがやっているから焦って始めるものでもないし、ふとしたときに始めてそれで好きな自分になれるんだったら始めても良いと思うし、それぞれのタイミングで始めて欲しいなと思います。僕はたまたま15歳だったけどハタチの子も13歳、14歳の子もいるだろうし。今はメンズラインのコスメブランドもあったりコンビニでもゲットできたりメンズでもレディースでも選択肢がすごく増えたので嬉しいですよね。

ゆうたろう、メンズメイクへの周りの反応の変化

ゆうたろう(C)モデルプレス
ゆうたろう(C)モデルプレス
ゆうたろう(C)モデルプレス
ゆうたろう(C)モデルプレス
― ゆうたろうさんが注目され出したときと、周りの見られ方や需要も変わったなと感じますか?

ゆうたろう:全然違います。前はやっぱり変な目で見られることの方が多くて、「女の子になりたいの?」とか「何を目指しているの?」と聞かれたんですけど、本当に自己満足で始めたので色々な意見があっても「まあそうだよな」ぐらいにしか自分の中では留めていなかったんです。

でも、マイナスな意見以上に「僕がメイクを始めるきっかけになりました」とか「自分に自信が持てるようになりました」とか男女問わずメッセージをもらうことが増えてそのプラス1が僕の中ですごく大きくて。僕も誰かからのきっかけでメイクを始めて自信が持てるようになったから、もらったものをそのままこれからの人に発信したいという気持ちで、今も配信でメイクをしたりしているので架け橋になれたらそんなに嬉しいことはないです。「メンズはこういうメイクをした方が良いよ」という正解もないと思うので、「僕はこういうメイクをしています」という一つの提案として参考程度にしてもらえたら。最近はちょっとずつ偏見がなくなってきて嬉しい言葉も沢山もらうんですけど、僕としては5、6年前と何にも変わらなくてちょっとずつ足し算と引き算をして常に一番良い状態のゆうたろうを作り続けるのがテーマです。

(マイナスな意見について)僕自身エゴサをするので、無自覚な言葉は一番人を傷つけるなとは思うんですけど、「ああ、こういう意見もあるんだ。こういう捉え方もあるんだ」という新しい気付きもあるし、僕に対してツイートしたことが一つの興味じゃないですか?興味がなかったらテレビを観ていてもチャンネルを変えるだろうし、すごく貴重な意見だなと思うのでそう考えると受け止められるようになってきたし、自分の芯はありつつ、こういう意見もあると受け入れる能力は鍛えられたと思います。

ゆうたろう「来世ちゃん」凪ちゃんのメイクは「絶対に自分ではできないメイク」

ゆうたろう(C)モデルプレス
― 毎回役によってビジュアルが違う印象ですが、俳優業の際は、自分でメイクを提案されることもありますか?

ゆうたろう:最初は結構話し合って決めます。やっぱり僕に寄った中性的なキャラクターやフェミニンな男の子が多いので、一応自分でもコスメを持って行ってメイクさんに聞いていますね。アイメイクをやって下さることもあるんですけど、僕は多分強くラインを引きすぎると逆に目が小さくなってしまって逆効果になってしまう部分もあるので「ナチュラルにして下さい」とか意見は伝えますが、監督さんにも1回見てもらって最終的な判断はメイクさんにお任せしています。

― 髪色によってメイクは変わりますか?

ゆうたろう:変わりました。そもそも黒髪のときはここまで大きいポーチを持ち歩いていなくて、本当にお直し用のパウダーとリップだけであとは家に置いていたんですけど、金髪になってプラスして直す部分も多くなってきたり、1回全部落とす可能性もあるので、常にフルメイクできるものを撮影現場に持ち歩くようになりました。金髪の方がアイメイクとかの可能性が広がるなと思っていて、たまに白ラインとかを使われているとすごく可愛いなと思って自分でも買ってみたりするので、金髪の方がメイクを楽しめるのはありますね。

ゆうたろう(C)モデルプレス
― 「来世ではちゃんとします」の凪ちゃんはメイクさんと相談しながらやっていましたか?

ゆうたろう:凪ちゃんのヘアメイクさんは100%信頼できる方だったので、最初の衣装合わせのときに、ズラッとコスメを並べて、完璧に男の子を消すのも違うのでどこかで男の子感を残しつつ、でも可愛い女の子に見えるような絶妙なバランスを相談しました。僕の中で「多少こうして下さい」と提案できる関係性ですし、新しい自分を発見できた役でしたね。

シーズン1、2、スペシャルドラマとちょっとずつアップデートされていて、そのときどきの流行りのメイクもちょっと取り入れているらしいんです。女の子が女の子のメイクをするより男の子が女の子のメイクをする方が女の子っぽくなると言うじゃないですか?凪ちゃんは色々な女の子のメイクを見ているから流行りを知っているんじゃないかなと思っていて、コスメアカウントとかYouTubeを見て何が流行っているかとかこのくらいのラメ感がちょうど良いのかなと考えている、とかそういう僕の役作りも伝えて、毎回変えてもらっているので絶対に自分ではできないメイクなんです。僕もメンズの中では結構メイクをしている方ですけど、女子はこれだけ毎日メイクをして可愛くなる努力をしているんだと思うと頭が上がらないし、尊敬します。

★私物コスメでセルフメイクを解説してもらったインタビュー前編、俳優業について聞いたインタビュー後編も配信中。

(modelpress編集部)

ゆうたろう プロフィール

ゆうたろう(C)モデルプレス
ゆうたろう(C)モデルプレス
1998年6月3日生まれ、広島県出身。2016年、ショップ店員から“可愛すぎる美少年”モデルとして芸能界デビュー。2017年からドラマや舞台で精力的に俳優活動を行う。2018年、「3D彼女 リアルガール」で映画初出演を果たし、2019年、月9ドラマ「シャーロック」(フジテレビ系)にレギュラーキャストして抜擢。他の主な出演作にドラマ「来世ではちゃんとします」シリーズ(テレビ東京)、「シックスティーン症候群」(フジテレビ)、「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(テレビ東京)、「FOLLOWERS」(Netflix)、「絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男」シリーズ(CSテレ朝チャンネル1)、「古見さんは、コミュ症です。」(NHK)、「ダメな男じゃダメですか?」(テレビ東京)、映画「かぐや様は告らせたい -天才たちの恋愛頭脳戦-」、「殺さない彼と死なない彼女」など。映画「チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~」が公開中。「明日、私は誰かのカノジョ」(MBS:毎週火曜24時59分~/TBS:毎週火曜25時28分~)が放送中。

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