「図星でとても悔しかった」 有村架純が心に刻む言葉、“覚悟を持つ”と決めた理由
2021.11.26 17:00
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<有村架純「WOWOWオリジナルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-」モデルプレスインタビュー>
「覚悟が足りないんじゃない?」――今や数々の作品で主演をつとめる国民的女優、ましてや2021年はまた一段と目を見張る活躍をした有村架純(28)だが、駆け出しの頃に言われたこの言葉を忘れたことはない。夢を叶える秘訣は“覚悟を持つこと”。そう語る理由と、「前科者」との出会いで前を向けた話。
有村架純の「夢を叶える秘訣」
昨年、女優デビュー10周年を迎えた。キャリアを振り返り「仕事のことばかり考えて、自分自身に興味を持ってこなかった。いざ自分の生活の蓋を開けたとき、なんもないやん、って思いました」と笑う。しかしそれは有村なりの“覚悟”ゆえ。「デビュー3年目、20歳くらいの頃、雑誌の企画で女性のカメラマンの方と1ヶ月の同棲をしたことがあって。その間、いろんな話をしたのですが、仕事への向き合い方について“覚悟が足りないんじゃない?”って言われたとき、なんでそんなこと言われなきゃいけないんだろうって思いながらも、図星でとても悔しかったんです」
夢を追うには必ず犠牲が生じる、腹をくくって取り組まないとできないことがたくさんある、というのが持論。お芝居がしたい。有村のモチベーションはとてもシンプルだった。
「本当にやりたいことがあるのなら、なにかしらの犠牲は必ず生じるものだと思います。時間を削るのか、体力を削るのかは人それぞれだと思いますが、すべてを手に入れることは絶対に無理。そういう覚悟を持った上で、自分がやりたいことを目の前に置いていく。夢は必要だけど、それを大きく膨らませるというよりは、目の前のことに対してなにが必要か考えながら一つずつやってきました」
心が折れそうなときは「初心にかえる」
演じることにすべてを注いできた。これまで心が折れそうになったことはあるか、と尋ねると、「昨年、もうお芝居ができないかもしれないと、心がポキっと折れてしまったときがあって」と返ってきた。「そのときは前に進むのがすごく怖くて、どうなるかわからないことに挑戦ができなかった。なにかお話をいただいても、今の私にはできないかもしれない、とお断りしたこともありました。このまま消極的になっていってしまうのかなと不安は尽きなかったです」
そういった思いから立ち直るきっかけになったのが「前科者」と向き合う日々だった。
「この作品で悩んでいた気持ちを覆せるような日々を送れました。やっぱり私はお芝居が好きなんだと気づいたんです。みんなで一つの方向に向かって作品を作れることの幸せを改めて感じましたし、この感覚を絶対に忘れないようにしようと思いました。いろんなことを考えていたけれど、原点に戻れたという感じが近いです。悩んでいるときって根本を見失いがち。これまでの経験上、心が折れそうなときは、初心にかえっていることが多いです」
有村架純「こんなに魂が震えることってあるんだなと」
「前科者」で有村が演じたのは、主人公の保護司・阿川佳代。罪を犯した「前科者」達の更生・社会復帰を目指し、彼/彼女らと向き合い奮闘していく。同作のオファーを受けたとき、直感的に「やってみたい」と思った。演じた佳代は突拍子もなく怒ったり、急に沸点が上がったりするキャラクター。それは佳代にとって普通で、でも有村にはない感覚。それをどう落とし込むのか、考える時間はとても楽しかった。
「クランクインするまで毎日台本を読んで考えていました。漫画から感じるインスピレーション、テンション、トーン、温度感、それらをできる限り繊細に感じ取って演じたかった。キャラクターに濃さもほしかったので、普通にやるよりは少し喋り方を無機質な感じにしてみたり。叫んで、クソがっ、って言うシーンもあるんですけど、とにかく震えるものをそのまま出すことに努めました」
雨に打たれたり、泥まみれになったり、鼻血を出したり、そんな役どころに「私はやっぱりこういう役回りなんだなって思いました」と微笑む。充実していた一方で、とにかく「つらかった」と本音もこぼした。
「その人を思って怒ったり泣いたりすることも多かったので、人に心を動かされるのは素晴らしいことだなと演じながら思いつつも、どうしようもない状況が目前に何度も立ちはだかるので、それがもうとにかくつらかったです。でもこんなに魂が震えることってあるんだなと思うほど、心が揺さぶられる感覚がありました。撮影はその感覚から湧き上がってくるものをとにかく全力で出そうとしました。ただし佳代は熱血教師ではない。彼女も彼女なりのトラウマやコンプレックスを抱えながら人と対峙しているので、出す、引くの塩梅は監督と常に話し合いながら撮影しました」
女優・石橋静河から刺激「本当にかっこいいです」
役作りにリミッターをかけることなく“覚悟を持って”すべてを出しきった。加えて「新しい自分を引き出してもらった」という刺激的な出会いもあった。役者として、一人の女性として、女優の石橋静河から多くのものを得た、と。「私は彼女に出会えてよかったとすごく思っています。自分の言葉で自分の気持ちを話せるのも素敵だなって思ったし、その上で周りへのリスペクトもある。英語ができて、ダンスができて、アーティスティックな感覚も自分にはないので、本当にかっこいいです。プライベートでも連絡を取らせていただいていて、一度お家にも遊びに行きました」
心が折れそうになっている人に伝えたいこと
この作品を語る上で書かせないテーマの一つに「どのように寄り添うのか」というのがある。最後に、心が折れそうになっている人に伝えたいことはあるか、と聞くと、「それぞれの方たちがどういう状況に置かれているのかにもよるので安易には言えませんが…」と前置きした上で、言葉に力を込めた。「現実に置き換えて考えることができる作品だと思います。もし今、孤独を感じていたら周りに頼ろうかな、周りに甘えてみようかな、そういう気持ちが少しでも生まれてくれたら嬉しいです。絶対に寄り添ってくれる人はいるし、歩み寄ってくれる人はいる。絶対に一人じゃないと思ってもらえたらいいなと思います」
(modelpress編集部)
ヘアメイク:尾曲いずみ/Izumi Omagari
スタイリスト:瀬川結美子/Yumiko Segawa
衣装:コエル
「WOWOWオリジナルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-」
毎週土曜よる10時30分 WOWOWプライムにて放送中まだ間に合う!1~4話一挙放送
12月18日(土)午前11時 WOWOWプライム[第1話無料放送]
WOWOWオンデマンドにて放送同時配信、アーカイブ配信あり
「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で連載されている漫画「前科者」(原作・香川まさひと、作画・月島冬二)を、連続ドラマと映画で映像化するプロジェクト。連続ドラマは各話放送後、WOWOWオンデマンド、Amazon Prime Videoで見逃し配信。映画は来年1月28日に全国公開される。
有村架純(ありむら・かすみ)プロフィール
1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年に「ハガネの女」(テレビ朝日系)でドラマ初出演。2013年放送のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でブレイク。2017年には連続テレビ小説「ひよっこ」のヒロインを演じ、2016年(第67回)・2017年(第68回)の2年連続で「NHK紅白歌合戦」の紅組司会をつとめた。2021年に出演した作品は映画「花束みたいな恋をした」、映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」、映画「太陽の子」、ドラマ「コントが始まる」など。「図星でとても悔しかった」 #有村架純 が心に刻む言葉、“覚悟を持つ”と決めた理由@Kasumistaff
— モデルプレス (@modelpress) 2021年11月26日
▼詳細&撮り下ろし写真https://t.co/ZVlDNnpF6C
【Not Sponsored 記事】
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