渡辺大、俳優としての変化を明かす「男たちの大和」から15年再び戦艦大和へ<映画「日本独立」インタビュー>
2020.12.17 07:00
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俳優の渡辺大(わたなべ・だい/36)が出演する映画「日本独立」が18日に公開される。今回、同映画で小説「戦艦大和ノ最期」を執筆した吉田満役を演じる渡辺が、モデルプレスのインタビューに応じ、「男たちの大和」の撮影から15年以上が経ち、再び戦艦大和と関わることになった心境と15年の間に起きた俳優としての変化を語った。
渡辺大、映画「日本独立」で再び戦艦大和に
終戦直後のGHQ占領下において、未来の日本の独立を勝ち取るために戦った人間たちの姿を描いた同作。浅野忠信、宮沢りえ、小林薫など実力派俳優たちが集結した作品の中で、注目は、吉田満役の渡辺である。吉田満は実在の人物で、学徒出陣により戦艦大和の乗員となり、戦後、日本の新生への願いを込めた小説を記した。渡辺は大学生の時に同小説を参考に製作された映画「男たちの大和/YAMATO」(2005年)にも出演している。
― 映画「日本独立」がいよいよ公開となりますが、作品が完成した感想からお願いします。
渡辺:撮影してから完成までほぼ2年かかったので、ようやくできたなという気持ちがありました。伊藤俊也監督とは2本目の作品だったのですが、以前から、日本の独立をテーマにした作品を作りたいという話をされていたので、映画が完成して無事に公開されることになり僕も嬉しかったです。
― 戦艦大和の乗員で、今回は吉田満さんご本人役です。オファーを受けたときの心境はいかがだったのでしょう。
渡辺:実は、俊也さんとは、「こういう作品を作りたいんです」というやり取りを何年もしていました。同じ目的を共有する者として僕なりの腹積もりがあったので、オファーを頂いたときは戸惑うことはありませんでした。この時代を扱った作品に参加するときは“必ず何かを紡いでいかなければならない”という思いを持っていますので、今回も、その思いを持って出演しました。
― 「日本独立」が現在の日本で公開されることについては、どう、お考えでしょうか。
渡辺:GHQ側か、日本側かはさておき、70年前に、“成熟した人間とは、成熟したコミュニティとは、成熟した国家とは何か”を考えながら、憲法を作った人たちがいました。その人たちは、今のことではなくて、未来の日本のために、今何ができるのかを考えていたのだと思います。
監督も僕たちも、イデオロギーや主張があるわけではないのですが、今の世の中を見渡して、僕たちは果たして、他者のことを考えられる成熟した大人になれたのか、ということを考えます。70年続いている近代民主主義国家としての日本は、あの時に始まり、当時の人たちは、未来の日本のためを考えていたと思います。僕たちはその意図を組んで、成熟した国家にすることができているのか、テストされているような感じがします。
― 「男たちの大和」に参加した大学生のときと今を比べて、ご自身の中でどんなところが変わりましたか?
渡辺:「男たちの大和」の撮影は2005年よりも前で、当時は右も左も分からなかったのですが、同世代が多かったので、そのときの楽しさやエネルギーがありました。自分も36歳になりましたので、20代とは違ったマインドや立ち振る舞いは求められていると感じています。俳優に限らず、人として成熟に向かう中で、一方的に受け取る立場から、橋渡しをする立場になりました。10代や20代の人たちにどんどん橋渡しができるよう、役者として影響を与えていきたいと思うようになりました。
コロナ禍の思い「明けない夜はない」
― 今年はコロナが猛威を振るいました。コロナ禍の時間を過ごすなかで、どんなことを考えていらっしゃったのでしょう。渡辺:今年は…、こんなに色んなことが制限された経験は人生のなかでなかったですね。それまでの僕たちが、いかに自由というものの恩恵を受けていたのかが分かりました。また、こういった状況になったときに、“人間って出るものだな”と感じました。僕らは自分のためだけに生きている人たちだったのかどうか、ということを試されたような気もします。
役者としては、コロナを経験して、より一層、人の気持ちを汲み取れるようになりたいと思いました。表現する場所が制限されたりと色んなマイナスはありましたが、そう思えたことをプラスにして、今後の自分の肥やしにしていきたいと思います。
― 来年(2021年)はどんな年になってほしいですか。
渡辺:今はこういう状況ですが、明けない夜はないですから。先がまったく見えなかった今年の4月くらいのころを考えれば、今は先が見えてきています。また、1年弱で社会は疲弊していますが、それこそ戦争中はこれよりもひどい状態が何年も続いたと考えると、「希望を捨ててはいかんな」と思います。
みんな賢くなっていて、情報も先取りできるので、“希望を絶えず持って生きていく”という事をもう一度、振り返ってみると良いのではないでしょうか。あまり言うと“地球人”みたいになってしまって好きではないのですが、そういう気持ちが今後の世界を作っていくと思いますし、そのレベルでキューをあげていかないといけない状況だと思います。
色んなものを見つめ直して生きていくことが、成熟した大人の人間になっていくには必要だと思っています。僕も俳優として、それを後世に伝えるため、来年も色々なことを発信できたらいいなと思いますね。
― ありがとうございました。(modelpress編集部)
渡辺大(わたなべ・だい)プロフィール
生年月日:1984年8月1日血液型:A型
出身地:東京都
身長:185cm
特技:乗馬、殺陣
趣味:野球、ゴルフ
2002年にTXスペシャルドラマ「壬生義士伝~新撰組でいちばん強かった男~」で父である渡辺謙演じる吉村貫一郎の青年期役で俳優デビュー。主な出演作に映画「空飛ぶタイヤ」「散り椿」、ドラマでは「中学聖日記」(TBS)、「十三人の刺客」(NHK BSプレミアム)、現在放送中の「#リモラブ ~普通の恋は邪道~」(日本テレビ)にも出演。主演映画「ウスケボーイズ」では、「マドリード国際映画祭2018」「アムステルダム国際フィルムメーカー映画祭2018」にて最優秀主演男優賞を受賞。来年6月には小泉尭史監督作品、映画「峠 最後のサムライ」の公開も控え、4月からは舞台「魔界転生」で初舞台に挑戦する。
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