Snow Man(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会

Snow Man岩本照「滝沢歌舞伎」映画化に「衝撃が来ることは覚悟して」 変化と決意語る<「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」インタビュー>

2020.11.26 07:00

Snow Manが主演を務める映画『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』が12月4日に公開される。リーダーの岩本照(27)がモデルプレスのインタビューに応じ、今作の魅力や撮影エピソード、リーダー像、Snow Manの未来像などについて語った。

Snow Man主演「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」

ジャニー喜多川氏が企画・構成・総合演出を務め、2006年より多くの方に愛され続けてきた『滝沢歌舞伎』。昨年、滝沢秀明演出、Snow Man主演で新たに『滝沢歌舞伎ZERO』として生まれ変わった舞台を、今年はさらに進化させ、舞台と映像を融合させた新時代のエンタテインメント『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』として贈り出す。本舞台初の映画化となり、Snow Manの映画単独初主演作となる。

岩本照「滝沢歌舞伎」映画化に「衝撃が来ることは覚悟しておいてほしい」

Snow Man(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
Snow Man(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
― 映画が決まった時の心境をお聞かせください。

岩本:映画化すると決まった時は、純粋に嬉しい気持ち以上に、きっと皆さんと同じように「『滝沢歌舞伎』が映画になるんだ」という驚きの気持ちが大きかったです。その後から、どういう内容になるのかということや、嬉しさの反面、観ていただく人たちの度肝を抜く仕上がりにしなければという考えにシフトチェンジしていきました。

― 舞台を映画にすることで、岩本さん自身の中で気持ちの切り替えはあったのでしょうか。

岩本:撮影場所が新橋演舞場だったということもあって、“映画だから”という気持ちの切り替えはそこまでありませんでした。舞台をやっていた時からいつもそうなのですが、「今の舞台が千秋楽でした」と言われても悔いが残らないようにしたいという想いが常に自分自身の中であって、『滝沢歌舞伎』を観たことのない方が映像を通して見た時に、より見やすく、見てほしいポイントにしっかり誘導できるのが映像の良さだと感じていたので、そこに対する気持ちの変化はありました。

― 実際に撮影をしてみて、舞台を映画にすることへの難しさは感じましたか?

岩本:苦労したところで言うと、歌舞伎のシーンは結構大変でした。舞台だと、10分~15分で終わるシーンを、5~6時間かけて撮影していたので、シーンの繋ぎや、どうすれば集中力を切らさずにできるかなど、今まで味わったことのない感覚になりました。刀投げは、舞台だったら良くも悪くも1回きりのところを、映画では手の寄りカットがあるなど、普段なら絶対に見ることのできない角度で撮られるという新しい緊張感がありました。あとは舞台と違ってOKだと判断するのが自分ではなく監督やスタッフさんなので、「今のでOKなんだ。もう次のシーンに行っちゃうんだ」と後悔が残ってしまうこともあったのですが、常に切り替えて対応できる状態にしていかなければならないので、そこのスピード感が新鮮でした。早朝から変面も、普段なら絶対にやることはないですし(笑)

リハーサルから本番までのスピード感も早かったのですが、完成した映像を新橋演舞場で観た時、オープニングのそれぞれが未来都市に着くところがとてもかっこいい仕上がりになっていたので、Snow Manで「イェーイ!」と声を出して盛り上がりました(笑)。それこそ、『滝沢歌舞伎』で自分たちが演じた姿を自分たちで観ることはあまりなかったので、グッと惹き込まれたし、課題ももちろん見つかりました。本当に凝縮された内容になっていてフルコースのような印象だったので、公開されたら自分でも映画館に観に行きたいなと思いました。

― 手の寄りカットのお話が出ましたが、そのほかにも照明やアングルのこだわりを感じた部分などがあれば教えてください。

岩本:水の演出や火の演出を映像に取り入れるという部分では、ワンカットで撮影するシーンがいくつかありました。だて様(宮舘涼太)が落っこちたシーンが子役の子に繋がるなど、映像ならではの繋ぎのシーンはもちろん、屋根の上のシーンは「こんなに画質やばいの!?毛穴まで見えるじゃん」と思うくらいにキレイで驚きました。台本に書かれていた文字が実際にこうなるんだという驚きの感覚は、観てくださる方と自分たちも同じなのかなと思います。

― 『少年たち』でも、舞台から映像化ということを経験していますが、それが今回に活かされたと感じた瞬間はありますか?

岩本:『少年たち』の時は、髪を短くするなど出来る限りの役作りをして挑んだのですが、『少年たち』で学んだことを活かしすぎても、今までの『滝沢歌舞伎』の良さが消えるかもしれないと思ったので、そこはあえて意識はしませんでした。それぞれのシーンで振り幅があることも『滝沢歌舞伎』の良さだと感じているので、監督を信じ、スタッフさんを信じて挑みました。

― 舞台での観劇経験がなく、今回初めて『滝沢歌舞伎』に触れる方も多くいらっしゃるかと思います。初見の方に向けて特に注目してほしいシーンは?

岩本:最初に衝撃が来ることは覚悟しておいてほしいです。男性の方が見たら「腹筋太鼓が良かった!」と思ってもらえるだろうし、女性の方だったら、「女形が素敵だった」と思ってもらえるかもしれないし、それぞれ良かったと思うシーンが違うのも『滝沢歌舞伎』の良さのように思います。もちろん全部が見どころですが、「ここを見てください」とアピールする部分ではないところで感動するのが人間だと思うので、どこで心を鷲掴みにされるか、その感覚を大切にしてほしいです。

「俺かっこいいでしょ?」とキメている時ではない時の方がかっこいいと思ってもらえるパターンもあると思っていて、僕は一番「WITH LOVE」の手話の踊りが好きなのですが、人それぞれ好きなシーンや曲、演出も変わってくると思うので、それぞれが受け取りやすいように受け取って、「『滝沢歌舞伎』良かったよね。もう一回観に行かない?」とその熱が広がっていってくれたら嬉しいです。

“筋肉番長”岩本照、腹筋太鼓は「もう少しやっていたかった」

Snow Man(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
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― 腹筋太鼓のシーンでは、岩本さんがすごく楽しんでいたとラウールさんがお話していましたが、本当ですか?

岩本:あっという間に終わってしまった印象だったので、僕はもう少しやっていたかったですね(笑)。逆に僕が腹筋太鼓で、「うわ、キツ~」となっていたら「嘘だろ」と言われるくらい普段からトレーニングをしているので、もう少し追い込めば筋肉痛が来たと思います。程良い筋肉痛程度で、僕は楽しみました(笑)

― (笑)。無観客の新橋演舞場に立って感じたことを教えてください。

岩本:以前から、リハーサルの段階では無観客なので、そこまで不思議な感覚はありませんでした。一番不思議な感覚になったのは、演舞場で自分たちがパフォーマンスをしている映像を、実際にその演舞場で観た時です。映画館で観るとまた印象が変わると思うのですが、「ここで撮ったんだよな」「ここが映ってるんだ」とすごく不思議な感覚になって、それはきっとやりたくてもなかなかできないことだと思うので、撮影していた時よりも、完成を観た時の方が感じることが多かったです。

― 大画面で観て、「こんな魅力があったんだ」と改めて気づいた部分はありますか?

岩本:鼠小僧のシーンは、それぞれのキャラクターやセリフの言い回しを含め、みんなのお芝居がとても良いなと思いました。舞台だと自分の出ているシーン以外は見られないので、そこをセットありきで、大画面で見られるというのはレアでした。自分が振り付けした踊りを映画で観るというのも新鮮で、いろいろな感情になりました。

― 岩本さんは感情の起伏がある役柄だと思うのですが、演じる上で意識したことはありますか?

岩本:独り言が多く、勝手に内側に秘めてしまうタイプで、自分と似ていると思うのですが、舞台と映画を合わせるという点では、声量の部分が一番難しかったです。同じセリフでも、舞台でやっていたセリフの言い回しや区切る場所などが違うし、最初に稽古場で練習した時と実際の現場で演じる時でも全然違ったので、感覚を掴むまでは大変でした。

― 自身と似ているとのことで、役作りはしやすかったですか?

岩本:僕は役作りするというよりも、自分がやらせてもらう役と自分自身が似ているところを照らし合わせてお芝居をするやり方なのですが、「新吉だったらこうするでしょ」と突っ走りすぎると、自分が誰の役をやっているのかわからなくなってしまうので、「新吉だったらこうする」ではなく、「自分がその立場になったらこうする」と感情をのせて演じていました。みんなに「頼むよ」と言われてもやらないのに、結局一人になった時に「やっぱり俺か」となるような、可愛さもあり、素直になれないところが、少し自分に似ていると感じたので、感情移入はしやすかったです。

岩本照、撮影で日光を満喫 作品の向き合い方に変化

(前列左から)岩本照、阿部亮平、深澤辰哉(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
(前列左から)岩本照、阿部亮平、深澤辰哉(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
― ラウールさんが「日光でファミレスに行った」とお話していましたが、岩本さんは日光で何をしましたか?

岩本:僕は、あべぞう(阿部亮平)とお丸さん(深澤辰哉)と一緒に、日光東照宮に行きました。山の中にある滝が見えるレストランで、3人で食事をして楽しみました。雨だったらこのシーン、晴れたらこのシーンを撮影するというスケジュールだったのですが、僕は気象予報士の資格を持っている阿部ですら予測できない最強の雨男なので(笑)、「今日はこれだけ晴れているんだから雨は降らないでしょ」と思っていたらポツポツ降り出して、撮影スケジュールが変更になったので少し時間ができて、「せっかくだし東照宮に行こう」となって、3人で「無事に撮影が終わりますように」という祈願もしました。みんな日光には行っていたのですが、金さん&銀さん(佐久間大介&渡辺翔太)とかはほぼほぼ会えていないので、お互いに「日光いた?」みたいな感じでした(笑)

― そうなんですね。ほかに印象に残っている撮影エピソードありますか?

岩本:日光での撮影は3~4日くらいで、部屋も一人一バラバラだったので、メンバーとはホテルのロビーですれ違う程度でした。でも一人で温泉に行くのも嫌だなと思って、スケジュールが一緒のあべぞうとお丸さんに「今部屋いる?」と誘って、基本3人で行動していました。

― 作品との向き合い方はこれまでと変わりましたか?

岩本:滝沢くんが出ていた時と自分たちがメインでやらせてもらった時ではやっぱり全然違うので、特に去年はプレッシャーを感じなくはなかったのですが、「本当にSnow Manにできるの?」「大丈夫なの?」と煽られると火がついて、「見ておけよ」と一段とやる気に満ち溢れました。初日の幕が開けていろいろな感情がぶわーっと湧き上がった時は、すごく気持ち良かったです。

千秋楽では、自分の中で初めて良い意味で達成感がなく、出発してから目的地に着いて「お疲れ様でした」というより、途中のサービスエリアで「一旦休憩しましょう」というような、まだまだここからすごい道が続く、始まったばかりだという感覚になりました。きっとそれだけのものを背負っていた滝沢くんに付いてきたところから、自分が背負う側に変わる瞬間、そしてフロントに立つということはこういうことなのかと目の当たりにしたからだと思います。

『少年たち』で主演をさせてもらった時とはまた違って、絶対に守らなければならない“親父から受け継いだ畑感”を感じました。いずれは僕たちも後輩にバトンを渡すことになると思うのですが、「こんなに重たいバトンを受け取るんですか?」と思わせられるくらい、進化させた状態で渡してあげたいです。そういう考え方になったのも、作品にしっかり向き合っているからなのかなと思います。

岩本照のリーダー像 ファンの支えに感謝

Snow Man(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
Snow Man(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
― 岩本さんから見て、成長を感じたメンバーはいますか?

岩本:ラウールは、いろいろな意味で成長したと思います。まずサイズが成長しているし、去年初めて『滝沢歌舞伎』に参加したとは思えないくらいの落ち着きでした。『滝沢歌舞伎』が映画になるという意味では、滝沢くんを含め全員が初めてなことばかりで、成長したというよりも“良い経験をさせてもらった”と感じていますが、これを思い出として終わらせるのはもったいなさすぎるという思いがあります。僕もまだまだだと思っているし、誰かのことを成長したという余裕があるのなら、自分がもっと何かをやらないといけないと思っています。僕はリーダーですが、みんなを引っ張っているという意識はなく、むしろあまり引っ張るのは得意ではないです。「なんでこれができないんだよ、やれよ」と言う時間があるのなら、自分ができるところまで頑張って、その姿勢を見せて周りのケツを叩く、という考えです。

― Snow Manのファン層が拡大しているという実感はありますか?

岩本:この間電車に乗っていたら、男性の方に「岩本くんですよね?」と声をかけていただいて、嬉しかったです。映画館に行った時にも、ちょうど『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』のポスターが貼ってあって、そこの目の間に居た夫婦が、「これタッキーが監督やってるらしいよ」「Snow Man知ってる」と話していて、僕は少し離れたところでこっそりそのやりとりを見ていたのですが(笑)、幅広い層の方に知っていただいているんだなと感じました。

― 2ndシングル「KISSIN'MY LIPS/Stories」の売り上げも好調ですが、ファンからの反響を率直にどう感じていますか?

岩本:とても嬉しいです。CDショップでポップを書いてくださっているのが嬉しくて、ずっと応援してくれている方たちを生で実感したいというのもあって、僕も毎回お店に足を運んでいます。「これをやりたい」「こういう風になってやる」「ついて来いよ」と口で言うのは簡単ですが、僕は「ついて来いよ」ではなく、サポートしてくれている方たちを含めてSnow Manだと思っているので、みんなでいろいろなことを達成していけたらいいなと思っています。デビューしてからは恩返しをするという想いでそれぞれやっている中でも、結局はサポートされっぱなしなので、しっかり期待に応えていきたいです。願わくば、ずっとミリオンを達成できるようなグループを目指します。

― ありがとうございました。

取材が行われたのは、2ndシングルがミリオンを達成する前の10月中旬。内に秘めた想いや未来への希望を真摯に語る姿が印象的で、取材の後日にはその宣言通り、デビュー作に続いてミリオンを達成した。『滝沢歌舞伎』という歴史ある伝統をしっかりと受け継いだSnow Manが、明るい光で日本を“照”らしてくれるに違いない。(modelpress編集部)

『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』

ポスター(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
ポスター(C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
Eternal Producer:ジャニー喜多川
監督:滝沢秀明
振付:五関晃一(A.B.C-Z)
出演:Snow Man(映画単独初主演)岩本照、深澤辰哉、ラウール、渡辺翔太、向井康二、阿部亮平、目黒蓮、宮舘涼太、佐久間大介
佐藤新、影山拓也、鈴木大河、基俊介、椿泰我、横原悠毅、松井奏(IMPACTors)、小田将聖(少年忍者)
企画・配給:松竹

岩本照(いわもと・ひかる)プロフィール

1993年5月17日生まれ、埼玉県出身。2006年10月に13歳でジャニーズ事務所に入所し、2012年5月からSnow Manのメンバーとして活動。2020年1月22日にCDデビューを果たした。体脂肪4%というトップアスリート並みの身体でTBS系『SASUKE』に出場、フィットネス雑誌『Tarzan』で月1回の連載を担当している。
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