<女子アナの“素”っぴん/内田嶺衣奈アナ>「1番心が折れた」過去と変化…乗り越えた“言葉”とは【「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載】
2018.12.16 17:00
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「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』―――― Vol.27~28は2013年入社の内田嶺衣奈(うちだれいな・28)アナウンサー。
「才色兼備」と呼ばれる彼女たちも1人の女性。テレビ画面から離れたところでは、失敗して泣いていたり、悔しくて眠れなかったり、自分の居場所に悩んでいたり…。それでも気持ちを落ち着かせて、どうしたら視聴者に楽しんでもらえるのか、不快感を与えないのか、きちんと物事を伝えられるのか、そんなことを考えながら必死に努力をしている。本連載ではテレビには映らない女性アナの“素”(=等身大の姿)を2本のインタビューで見せていく。前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。
――――梅津弥英子アナの後を引き継ぎ、14人目に登場するのは内田アナ。※後編(Vol.28)は1月1日に配信予定。
内田アナ:…あまりなかったです。ありがたいことにご縁があって、入社して1番最初に「すぽると!」と「笑っていいとも!」を担当させていただけたことは本当に幸せだと思いましたが、正直、プレッシャーを感じる間もなく始まってしまって(苦笑い)。毎日、1日1日を生きるのに必死であまり記憶がないくらいなのですが、失敗も沢山しましたし、日々勉強だったなという記憶はあります。
― どんな失敗をされたのですか?
内田アナ:例えば『すぽると!』だと、自分が取材に行ったVTRが流れた後に、スタジオで20~30秒ほどのコメントをする時間があったのですが、それが上手くできなくて。自分が取材してきた中で大事だったところや新たな発見を分かりやすく伝えて、意味のある時間にすることが大切なのですが、『すぽると!』スタッフから「もうちょっと自分の取材感を出したら?」というダメ出しが…。そういう時は落ち込みましたね(苦笑い)。感じていることはあるはずなのに上手く想いを自分の言葉に落とし込めなくて。うまくいかないことが重なり泣きながら、夜、家に帰ったことも何度もありました。とは言え、すぐに翌日の仕事のことを考えないといけないので、いつまでも引きずっていられない。もともとどちらかというと切り替えは早いタイプでしたが、会社に入ってから、より上手になったと思います。
― これまでの社会人生活の中で1番辛かった時期はやはり最初の頃ですか?
内田アナ:3年目の終わりですかね。1年目で「すぽると!」を担当することになった時、スポーツに関する知識もほとんどなかったので、てんてこ舞いで…(苦笑い)。何をしたら良いのか分からなかったので、現場に行き、人にもたくさん聞いて、新聞記事をスクラップしたり、インターネット記事をノートにまとめたり、スコアをひたすらつけたり色々なことをやって。でも、そうして猛勉強するうちに、どんどんスポーツが好きになって「これからもスポーツの分野で頑張っていきたい」と自分の目指す道が見えたような気がしていたんです。そんな矢先、3年目で「すぽると!」が終わってしまって…。今振り返ると、1番心が折れた時期だったと思います。
― 2016年ですね。
内田アナ:はい。色々なスポーツの現場に足を運ばせていただくうちに、スポーツに対して愛情が深まり、選手との信頼関係も少しずつ築きあげることが出来てきた実感があって、本当に仕事が楽しくなっていて。「オリンピックなどの大きなスポーツイベントに携わりたい」とか「私のようにあまりスポーツに関わりがなかった人達にもスポーツの魅力を知って欲しい」とか、様々な夢も広がり頑張っていた時期でした。そんな、将来像が描けたと思っていたところで途絶えてしまい、自分の実力不足も感じましたし、これから新しくどういう目標を持って頑張ったら良いんだろう、とすごく悩みました。もちろん番組が終わることは仕方ないことなのですが、4年目からは担当番組もガラッと変わって、また大変でしたね。
― 4年目の頃はどんなお仕事をされていたんですか?
内田アナ:4月からは「めざましどようび」、「プレミアの巣窟」、「プロ野球ニュース」、「みんなのニュース」のフィールドキャスター、と毎日違う番組を担当するという働き方に一気に変わったんです。生活もガラッと変わり、またてんてこ舞いの日々…。新しいリズムにようやく慣れ、どの番組もすごく楽しめるようになってきたところで、秋から「みんなのニュース」のスタジオに帯で入ることになり、報道番組メインの生活へ。まさに変化の年。戸惑うこともありました。
― その時はどうやって乗り越えたんですか?
内田アナ:私は信頼できる人の意見を聞きたいと思ったので、母親や親友、会社の先輩に相談しました。
― その中で印象的な言葉はありましたか?
内田アナ:色々と助けてもらった言葉はあるんですけど、1番印象に残っているのは、入社当時からプライベートでもお世話になっている椿原(慶子)さんのお話です。お仕事を任せてもらえるのはすごく有難いことでしたが、悩んでいた私に「オリンピックに行きたいとか、そういう目標は担当番組を離れてスポーツから報道にジャンルが変わったとしても、絶対に頑張っていれば、誰かが見てくれているよ。私は内田の頑張りをみてるよ。それが次のステップに繋がることもあるし、行けないわけじゃないから絶対に諦めない方が良いよ」と声を掛けて下さって。当時「みんなのニュース」を一緒にやらせていただいていたのですが、ご自身が悩んだ時のお話も交えながら、私の背中を押して心の落ち込んだ部分に一緒に向き合って前を向かせてくれました。その後、前向きに目の前の仕事に向かいながら夢はなるべく声口に出していたら、縁あって平昌オリンピックに現地キャスターとして行くことができました。すごく嬉しくて、椿原さんに報告したら、一緒に喜んでくれました。
― 素敵な先輩ですね。その時期に学んだことや得たことはありますか?
内田アナ:アナウンサーという仕事は、与えていただいたお仕事で色々な世界を知ることができると思うので、当時、色々なジャンルを担当できたことが大きなプラスになったと思います。ジャンルにより勉強しなくてはいけない内容もやる仕事も違いますし、、ものの見方や視野がすごく広がったと思います。あとはやはり何事も前向きでいることは大切だと感じました。番組は終わってしまいましたが、みんなのニュースでも沢山の出会いと学びがあったので、担当することができて本当に良かったです。
内田アナ:陸上の桐生(祥秀)選手が、大きな大会で、たくさんの報道陣がいる中、呼びかけに立ち止まってくれたことがありました。スポーツは大きなイベントの結果が注目されがちですが、もちろんその時だけではなくて、それに繋がる練習の過程があります。とは言え、そこまで密着しきれないことも多いんです。
でも桐生選手の時は練習取材に行かせてもらっていて、顔を覚えて下さっていたので、大会でも私達の前で足を止めてくれました。その時に普段の取材姿勢がいかにアスリートに見られているか、ということを感じましたし「やっぱり足を運んだり、自分から動いたりすることが大事だってあれをみて改めて思った」とか「内田、良かったよ」と褒めていただいて。足を運ぶのは基本的なことなんですけど、すごく嬉しかったです。
― 信頼があったんでしょうね。そういったファインプレーは他にもありますか?
内田アナ:フィギュアスケート中継を担当しているのですが、世界選手権でロシアのメドベージェワ選手が優勝した時にインタビューを担当したことがあって。インタビューが終わった後にメドベージェワ選手が「日本のメディアですよね?日本のファンに伝えたいことがあるの」と自ら『セーラームーン』の主題歌を歌ったんです。でもその場にいる人は、彼女が何をいきなり口ずさみ始めたのか分からなくて。私は『セーラームーン』が幼少期から大好きだったのですぐに分かって「すごい!セーラームーンですね」と返したら「そうなの!私『セーラームーン』が大好きなの!」と満面の笑みでお話して下さったんです。実際に放送でも使われましたし、メドベージェワ選手が『セーラームーン』好きだという新しい一面が世にも広がって、アイスショーで『セーラームーン』の曲を演じたことも。ご本人がやって下さったことですが、すぐに理解できたことはファインプレーだったと思います。セーラームーン好きで本当に良かったです(笑)!
内田アナ:常にあります。入社当初の悩みと、2~3年目の悩み、今の悩み。内容は変化しながらも悩みは常にあります。
― 今はどんなことに悩んでいるんですか?
内田アナ:ずっと「みんなのニュース」で月曜から金曜まで勤務していましたが、4月からは土日の「PRIME news evening」でスポーツキャスターを担当し、平日はまた別の番組を担当しています。今は前よりもゆとりが生まれた平日の過ごし方についてよく考えるようになりました。その時間を自分にとっていかに有意義にするかとか、土日のオンエアの中に、良いものを出すためにどう頑張るかとか、そういうことを考えています。
― 具体的にはどんなことをされているんですか?
内田アナ:スケジュールにゆとりがある時は、週末に取材に行くところへ前もって取材に行くことも。その時に少しでも話が聞けたら、オンエアで話せることや厚みも変わると思うんです。あとはいつか仕事で使えたら、と思って英会話の勉強をしています。三田(友梨佳)さんがフィギュア中継で英語を使って自分でインタビューしている姿に憧れていましたし、オリンピックに行った時に会見が英語で何を話しているのか分からないことが多くてもどかしかったので。でも、やればやるほど難しく、目指すレベルに達するまでの距離を感じちゃって。正直すでに諦めの気持ちも少しあります(笑)。
― 努力されているんですね。では、今後の展望や夢を教えて下さい。
内田アナ:ざっくりとした目標なのですが、入社当時から「見ている人に信頼してもらえるあたたかみのあるアナウンサーになりたい」という目標があり、そこは変わりません。東京オリンピックに携わりたいという夢も、変わらず持っています!
椿原さんや三田さんなどと一緒にお仕事をしてく中で、仕事に向かう姿勢を含めて、尊敬できる先輩方が身近にいることは幸せだなと思いますし、吸収して成長したいです。
― そうした先輩方が周りにいらっしゃると学ぶことも多いと思いますが、その反面、比べてしまうことはありませんか?
内田アナ:ありますね。アナウンス室はやはり色々な面で魅力的な人が多い部署で、何かに秀でている人たちがたくさんいます。みんなが魅力的に見え「ああ、自分には何にもないな」と、ふとした時に思ってしまって。ですが、それで悲観的になりすぎないようにはしています。「そんな職場にいられて幸せ」「魅力的な人にたくさん出会えるなんて刺激的」とか、ポジティブな方に思考変換しますね。
― 同期の三上(真奈)アナや木村(拓也)アナもそれぞれ素敵な方ですよね。
内田アナ:同期は2人とも面白くて個性がすごい(笑)。それこそ自分にはないものを持っていて「こういうところは、私にはないな。すごいな」と素直に思います。三上の朝の番組での活躍もテレビでみていましたし、同じ番組についていた木村は「みんなのニュース」の名物お天気コーナー「上を向いて歩こう」で全国各地に人力車を引きに行っていましたが、湿布を貼って出社する姿などを見ていたので、自分も頑張ろうと刺激をもらっていました。
内田アナ:私は周りの人に比べるとアナウンサーを目指したのが遅くて、学生時代はお芝居に打ち込んでいました。それこそ、大学4年生になってから「受けよう」と決意したくらい。でも、今思うのは、学生時代の色々な経験に無駄なことはなかった、ということです。これまでの経験が全て、その人の魅力になると思うので、色々なことを経験してほしいです。
― フジテレビの就職活動はいかがでしたか?
内田アナ:面接を受けている時からすごく楽しかったです。人事の方のキャラクターもそうですし、面接官との会話も全部楽しくて!もちろん緊張はしましたが、面接を受けに行くというよりは、お話をしに行く感覚で受けられました。自分が「合わないな」と感じた面接は落ちたので、相性やご縁ってあるんだなと思います。
― 入社して実際に良かった点はどこですか?
内田アナ:とにかく明るいところ!バイタリティ溢れる人が本当に多いです。アナウンス室で言えば、仲が良い!上下関係はもちろんありますが、フレンドリーに接しやすくて、とても素敵な環境です。あとは個性豊かな人に沢山出会えること。会社に入った時に、今まで出会ったことのないタイプの人がいっぱいいて、びっくりしました。高校生から大学生になった時もすごく世界が広がったと思っていましたが、そこからさらにぐっと広がりました。色々なタイプの人がいて、色々なお話が聞けるチャンスがあるんです。良い意味で“個性の塊”のような人が多いので、言葉通り「みんな違ってみんな良い」という会社です。
内田アナ:はい。フィギュアスケート中継を担当して4~5シーズン目になります。
― 今年の注目の選手はどなたですか?
内田アナ:男子は、宇野昌磨選手の3連覇がかかります!去年・一昨年の全日本は満足のいく演技が出来なかったという宇野選手。今年こそいい演技がしたい、と強い決意を語っていました。そして今年は高橋大輔選手の競技復帰も大きなニュース。復帰当初から、全日本の最終グループに入るのが目標とおっしゃっていて。復帰のきっかけになったという全日本という特別な大会でどんな演技がみられるのか本当に楽しみです。
女子は平昌オリンピックも経験した宮原知子選手の4連覇がかかっています。ここからまた新しいスタートと、もう4年後を見据えて動き出しています!さらに、トリプルアクセルを武器としてる紀平梨花選手も大注目です!シニアデビューの今年、グランプリファイナル初出場で初優勝という快挙を成し遂げ、今シーズン勢いにのる16歳です。
今年は、オリンピックが終わり、選手たちがまた新しいスタートをきります。選手たちの新たなチャレンジにも注目です!!
内田アナ:夢を持つこと、そのこと自体がすごく尊いことだと思います。夢は原動力になるし、その夢に向かっていく過程で起きることも全部経験になると思うんです。上手くいく時もあれば、失敗する時もあると思いますが、それも全部、人生の経験値になるので、夢を諦めずにとにかくひたむきに努力し続けることが大事だと思います。
― どうしても苦しい時や挫折しそうな時はどうしたら良いですか?
内田アナ:私の場合は、信頼できる周りの人に相談します。もちろん最後に決めるのは自分なんですけど、母や信頼できる友達にアドバイスをもらうことが多いですね。人の意見や、さまざまな人生経験のお話を聞くと、思っていなかった解決策が見つかることもありますし、これまで1人で考えていたのと違う視点から意見をくれるので、新たな発見があり、頭の中が整理できることもあるんです。支えてくれる周りの人達には本当に感謝しています。
― 素敵なお話、ありがとうございました。
16時頃:原稿の下読みや、スタジオで取材の受けがある場合は、その内容を考えます。
17時頃:映像に合わせて、スポーツ原稿の読み合わせをします。
17時30半~18時:プライムニュースイブニング本番。
19時頃:帰宅。
(modelpress編集部)
<担当番組>
FNN プライムニュース イブニング(土・日)
CS プロ野球ニュース
フィギュアスケート中継
入社8年目の竹内友佳と三田友梨佳アナウンサーを筆頭に、後輩アナウンサー全員が参加し、総勢17人が登場。フジテレビアナウンサーをより身近に感じられる内容になった。
仕様:A3変型判(縦425mm×横300mm)/縦型・壁掛けタイプ/オールカラー13ページ
販売場所:全国書店、「フジテレビショップ」ほかで10月1日より販売中。
――――梅津弥英子アナの後を引き継ぎ、14人目に登場するのは内田アナ。※後編(Vol.28)は1月1日に配信予定。
スポーツ番組を多数担当
内田アナは2013年にフジテレビに入社し1年目の秋から「すぽると!」「森田一義アワー 笑っていいとも!」など人気番組に抜擢。報道から情報、バラエティ、スポーツと広く番組を担当し、2018年4月からは「PRIME news evening」にて土日のスポーツキャスターに。また2015-2016年シーズンからフィギュアスケート中継も連続で担っている。内田嶺衣奈アナ「泣きながら帰ったこともあった」過去の苦労
― 2013年の入社1年目から「すぽると!」に抜てきされるなど、大きな期待を背負っていた内田さんですが、当時プレッシャーはありませんでしたか?内田アナ:…あまりなかったです。ありがたいことにご縁があって、入社して1番最初に「すぽると!」と「笑っていいとも!」を担当させていただけたことは本当に幸せだと思いましたが、正直、プレッシャーを感じる間もなく始まってしまって(苦笑い)。毎日、1日1日を生きるのに必死であまり記憶がないくらいなのですが、失敗も沢山しましたし、日々勉強だったなという記憶はあります。
― どんな失敗をされたのですか?
内田アナ:例えば『すぽると!』だと、自分が取材に行ったVTRが流れた後に、スタジオで20~30秒ほどのコメントをする時間があったのですが、それが上手くできなくて。自分が取材してきた中で大事だったところや新たな発見を分かりやすく伝えて、意味のある時間にすることが大切なのですが、『すぽると!』スタッフから「もうちょっと自分の取材感を出したら?」というダメ出しが…。そういう時は落ち込みましたね(苦笑い)。感じていることはあるはずなのに上手く想いを自分の言葉に落とし込めなくて。うまくいかないことが重なり泣きながら、夜、家に帰ったことも何度もありました。とは言え、すぐに翌日の仕事のことを考えないといけないので、いつまでも引きずっていられない。もともとどちらかというと切り替えは早いタイプでしたが、会社に入ってから、より上手になったと思います。
― これまでの社会人生活の中で1番辛かった時期はやはり最初の頃ですか?
内田アナ:3年目の終わりですかね。1年目で「すぽると!」を担当することになった時、スポーツに関する知識もほとんどなかったので、てんてこ舞いで…(苦笑い)。何をしたら良いのか分からなかったので、現場に行き、人にもたくさん聞いて、新聞記事をスクラップしたり、インターネット記事をノートにまとめたり、スコアをひたすらつけたり色々なことをやって。でも、そうして猛勉強するうちに、どんどんスポーツが好きになって「これからもスポーツの分野で頑張っていきたい」と自分の目指す道が見えたような気がしていたんです。そんな矢先、3年目で「すぽると!」が終わってしまって…。今振り返ると、1番心が折れた時期だったと思います。
― 2016年ですね。
内田アナ:はい。色々なスポーツの現場に足を運ばせていただくうちに、スポーツに対して愛情が深まり、選手との信頼関係も少しずつ築きあげることが出来てきた実感があって、本当に仕事が楽しくなっていて。「オリンピックなどの大きなスポーツイベントに携わりたい」とか「私のようにあまりスポーツに関わりがなかった人達にもスポーツの魅力を知って欲しい」とか、様々な夢も広がり頑張っていた時期でした。そんな、将来像が描けたと思っていたところで途絶えてしまい、自分の実力不足も感じましたし、これから新しくどういう目標を持って頑張ったら良いんだろう、とすごく悩みました。もちろん番組が終わることは仕方ないことなのですが、4年目からは担当番組もガラッと変わって、また大変でしたね。
― 4年目の頃はどんなお仕事をされていたんですか?
内田アナ:4月からは「めざましどようび」、「プレミアの巣窟」、「プロ野球ニュース」、「みんなのニュース」のフィールドキャスター、と毎日違う番組を担当するという働き方に一気に変わったんです。生活もガラッと変わり、またてんてこ舞いの日々…。新しいリズムにようやく慣れ、どの番組もすごく楽しめるようになってきたところで、秋から「みんなのニュース」のスタジオに帯で入ることになり、報道番組メインの生活へ。まさに変化の年。戸惑うこともありました。
― その時はどうやって乗り越えたんですか?
内田アナ:私は信頼できる人の意見を聞きたいと思ったので、母親や親友、会社の先輩に相談しました。
― その中で印象的な言葉はありましたか?
内田アナ:色々と助けてもらった言葉はあるんですけど、1番印象に残っているのは、入社当時からプライベートでもお世話になっている椿原(慶子)さんのお話です。お仕事を任せてもらえるのはすごく有難いことでしたが、悩んでいた私に「オリンピックに行きたいとか、そういう目標は担当番組を離れてスポーツから報道にジャンルが変わったとしても、絶対に頑張っていれば、誰かが見てくれているよ。私は内田の頑張りをみてるよ。それが次のステップに繋がることもあるし、行けないわけじゃないから絶対に諦めない方が良いよ」と声を掛けて下さって。当時「みんなのニュース」を一緒にやらせていただいていたのですが、ご自身が悩んだ時のお話も交えながら、私の背中を押して心の落ち込んだ部分に一緒に向き合って前を向かせてくれました。その後、前向きに目の前の仕事に向かいながら夢はなるべく声口に出していたら、縁あって平昌オリンピックに現地キャスターとして行くことができました。すごく嬉しくて、椿原さんに報告したら、一緒に喜んでくれました。
― 素敵な先輩ですね。その時期に学んだことや得たことはありますか?
内田アナ:アナウンサーという仕事は、与えていただいたお仕事で色々な世界を知ることができると思うので、当時、色々なジャンルを担当できたことが大きなプラスになったと思います。ジャンルにより勉強しなくてはいけない内容もやる仕事も違いますし、、ものの見方や視野がすごく広がったと思います。あとはやはり何事も前向きでいることは大切だと感じました。番組は終わってしまいましたが、みんなのニュースでも沢山の出会いと学びがあったので、担当することができて本当に良かったです。
内田嶺衣奈アナ「すごく嬉しかった」仕事とは
― ではこれまでの中で「これはファインプレーだった」と感じられるお仕事はありましたか?内田アナ:陸上の桐生(祥秀)選手が、大きな大会で、たくさんの報道陣がいる中、呼びかけに立ち止まってくれたことがありました。スポーツは大きなイベントの結果が注目されがちですが、もちろんその時だけではなくて、それに繋がる練習の過程があります。とは言え、そこまで密着しきれないことも多いんです。
でも桐生選手の時は練習取材に行かせてもらっていて、顔を覚えて下さっていたので、大会でも私達の前で足を止めてくれました。その時に普段の取材姿勢がいかにアスリートに見られているか、ということを感じましたし「やっぱり足を運んだり、自分から動いたりすることが大事だってあれをみて改めて思った」とか「内田、良かったよ」と褒めていただいて。足を運ぶのは基本的なことなんですけど、すごく嬉しかったです。
― 信頼があったんでしょうね。そういったファインプレーは他にもありますか?
内田アナ:フィギュアスケート中継を担当しているのですが、世界選手権でロシアのメドベージェワ選手が優勝した時にインタビューを担当したことがあって。インタビューが終わった後にメドベージェワ選手が「日本のメディアですよね?日本のファンに伝えたいことがあるの」と自ら『セーラームーン』の主題歌を歌ったんです。でもその場にいる人は、彼女が何をいきなり口ずさみ始めたのか分からなくて。私は『セーラームーン』が幼少期から大好きだったのですぐに分かって「すごい!セーラームーンですね」と返したら「そうなの!私『セーラームーン』が大好きなの!」と満面の笑みでお話して下さったんです。実際に放送でも使われましたし、メドベージェワ選手が『セーラームーン』好きだという新しい一面が世にも広がって、アイスショーで『セーラームーン』の曲を演じたことも。ご本人がやって下さったことですが、すぐに理解できたことはファインプレーだったと思います。セーラームーン好きで本当に良かったです(笑)!
内田嶺衣奈アナ、悩みと今後の展望
― 今、お仕事をする上で悩みはありますか?内田アナ:常にあります。入社当初の悩みと、2~3年目の悩み、今の悩み。内容は変化しながらも悩みは常にあります。
― 今はどんなことに悩んでいるんですか?
内田アナ:ずっと「みんなのニュース」で月曜から金曜まで勤務していましたが、4月からは土日の「PRIME news evening」でスポーツキャスターを担当し、平日はまた別の番組を担当しています。今は前よりもゆとりが生まれた平日の過ごし方についてよく考えるようになりました。その時間を自分にとっていかに有意義にするかとか、土日のオンエアの中に、良いものを出すためにどう頑張るかとか、そういうことを考えています。
― 具体的にはどんなことをされているんですか?
内田アナ:スケジュールにゆとりがある時は、週末に取材に行くところへ前もって取材に行くことも。その時に少しでも話が聞けたら、オンエアで話せることや厚みも変わると思うんです。あとはいつか仕事で使えたら、と思って英会話の勉強をしています。三田(友梨佳)さんがフィギュア中継で英語を使って自分でインタビューしている姿に憧れていましたし、オリンピックに行った時に会見が英語で何を話しているのか分からないことが多くてもどかしかったので。でも、やればやるほど難しく、目指すレベルに達するまでの距離を感じちゃって。正直すでに諦めの気持ちも少しあります(笑)。
― 努力されているんですね。では、今後の展望や夢を教えて下さい。
内田アナ:ざっくりとした目標なのですが、入社当時から「見ている人に信頼してもらえるあたたかみのあるアナウンサーになりたい」という目標があり、そこは変わりません。東京オリンピックに携わりたいという夢も、変わらず持っています!
椿原さんや三田さんなどと一緒にお仕事をしてく中で、仕事に向かう姿勢を含めて、尊敬できる先輩方が身近にいることは幸せだなと思いますし、吸収して成長したいです。
― そうした先輩方が周りにいらっしゃると学ぶことも多いと思いますが、その反面、比べてしまうことはありませんか?
内田アナ:ありますね。アナウンス室はやはり色々な面で魅力的な人が多い部署で、何かに秀でている人たちがたくさんいます。みんなが魅力的に見え「ああ、自分には何にもないな」と、ふとした時に思ってしまって。ですが、それで悲観的になりすぎないようにはしています。「そんな職場にいられて幸せ」「魅力的な人にたくさん出会えるなんて刺激的」とか、ポジティブな方に思考変換しますね。
― 同期の三上(真奈)アナや木村(拓也)アナもそれぞれ素敵な方ですよね。
内田アナ:同期は2人とも面白くて個性がすごい(笑)。それこそ自分にはないものを持っていて「こういうところは、私にはないな。すごいな」と素直に思います。三上の朝の番組での活躍もテレビでみていましたし、同じ番組についていた木村は「みんなのニュース」の名物お天気コーナー「上を向いて歩こう」で全国各地に人力車を引きに行っていましたが、湿布を貼って出社する姿などを見ていたので、自分も頑張ろうと刺激をもらっていました。
内田嶺衣奈アナの就職活動
― 就職のこともお伺いしたいのですが、アナウンサーを目指している方にメッセージを送るとしたら、どんなことを伝えますか?内田アナ:私は周りの人に比べるとアナウンサーを目指したのが遅くて、学生時代はお芝居に打ち込んでいました。それこそ、大学4年生になってから「受けよう」と決意したくらい。でも、今思うのは、学生時代の色々な経験に無駄なことはなかった、ということです。これまでの経験が全て、その人の魅力になると思うので、色々なことを経験してほしいです。
― フジテレビの就職活動はいかがでしたか?
内田アナ:面接を受けている時からすごく楽しかったです。人事の方のキャラクターもそうですし、面接官との会話も全部楽しくて!もちろん緊張はしましたが、面接を受けに行くというよりは、お話をしに行く感覚で受けられました。自分が「合わないな」と感じた面接は落ちたので、相性やご縁ってあるんだなと思います。
― 入社して実際に良かった点はどこですか?
内田アナ:とにかく明るいところ!バイタリティ溢れる人が本当に多いです。アナウンス室で言えば、仲が良い!上下関係はもちろんありますが、フレンドリーに接しやすくて、とても素敵な環境です。あとは個性豊かな人に沢山出会えること。会社に入った時に、今まで出会ったことのないタイプの人がいっぱいいて、びっくりしました。高校生から大学生になった時もすごく世界が広がったと思っていましたが、そこからさらにぐっと広がりました。色々なタイプの人がいて、色々なお話が聞けるチャンスがあるんです。良い意味で“個性の塊”のような人が多いので、言葉通り「みんな違ってみんな良い」という会社です。
内田嶺衣奈アナ『全日本フィギュアスケート選手権2018』注目は?
― 12月21日から放送される『全日本フィギュアスケート選手権2018』ではレポーターを担当されますね。内田アナ:はい。フィギュアスケート中継を担当して4~5シーズン目になります。
― 今年の注目の選手はどなたですか?
内田アナ:男子は、宇野昌磨選手の3連覇がかかります!去年・一昨年の全日本は満足のいく演技が出来なかったという宇野選手。今年こそいい演技がしたい、と強い決意を語っていました。そして今年は高橋大輔選手の競技復帰も大きなニュース。復帰当初から、全日本の最終グループに入るのが目標とおっしゃっていて。復帰のきっかけになったという全日本という特別な大会でどんな演技がみられるのか本当に楽しみです。
女子は平昌オリンピックも経験した宮原知子選手の4連覇がかかっています。ここからまた新しいスタートと、もう4年後を見据えて動き出しています!さらに、トリプルアクセルを武器としてる紀平梨花選手も大注目です!シニアデビューの今年、グランプリファイナル初出場で初優勝という快挙を成し遂げ、今シーズン勢いにのる16歳です。
今年は、オリンピックが終わり、選手たちがまた新しいスタートをきります。選手たちの新たなチャレンジにも注目です!!
内田嶺衣奈アナの夢を叶える秘訣
― では最後のお話になりますが、モデルプレス読者には夢を叶えたいと頑張っている女性がたくさんいます。内田さん自身もまだ夢に向かって全力で走り続けているところだとは思いますが、これまで様々な経験をしてきた内田さんが思う“夢を叶える秘訣”は何でしょうか?内田アナ:夢を持つこと、そのこと自体がすごく尊いことだと思います。夢は原動力になるし、その夢に向かっていく過程で起きることも全部経験になると思うんです。上手くいく時もあれば、失敗する時もあると思いますが、それも全部、人生の経験値になるので、夢を諦めずにとにかくひたむきに努力し続けることが大事だと思います。
― どうしても苦しい時や挫折しそうな時はどうしたら良いですか?
内田アナ:私の場合は、信頼できる周りの人に相談します。もちろん最後に決めるのは自分なんですけど、母や信頼できる友達にアドバイスをもらうことが多いですね。人の意見や、さまざまな人生経験のお話を聞くと、思っていなかった解決策が見つかることもありますし、これまで1人で考えていたのと違う視点から意見をくれるので、新たな発見があり、頭の中が整理できることもあるんです。支えてくれる周りの人達には本当に感謝しています。
― 素敵なお話、ありがとうございました。
内田嶺衣奈アナのとある一日
10時~15時頃:プライムニュースイブニングスポーツコーナーの取材へ!15時頃:会社へ戻り、着替えやメイク、食事、打ち合わせなど。
16時頃:原稿の下読みや、スタジオで取材の受けがある場合は、その内容を考えます。
17時頃:映像に合わせて、スポーツ原稿の読み合わせをします。
17時30半~18時:プライムニュースイブニング本番。
反省会後、アナウンス室に戻り、事務作業。
19時頃:帰宅。
(modelpress編集部)
内田嶺衣奈(うちだ・れいな)プロフィール
生年月日:1990年1月6日 /出身地:東京都/出身大学:上智大学/血液型:A型/入社年:2013年<担当番組>
FNN プライムニュース イブニング(土・日)
CS プロ野球ニュース
フィギュアスケート中継
フジテレビ×モデルプレスの女子アナ連載「女子アナの“素”っぴん」
— モデルプレス (@modelpress) 2018年12月16日
今回は #内田嶺衣奈アナ です🎤✨
テレビには映らない、内田アナの素顔とは…?
▼インタビュー&写真https://t.co/M6Y1i6u7dK#女子アナの素っぴん pic.twitter.com/iJV8gAue6k
「フジテレビ女性アナウンサーカレンダー2019-OUR SEASONS-」
昨年に続き、新美有加アナを中心としたフジテレビアナウンサー室が完全プロデュースし、各月の季節感を色濃く反映しながら日常生活の一場面を切り取った写真は、普段テレビには映らないアナウンサーの素顔が盛りだくさん。入社8年目の竹内友佳と三田友梨佳アナウンサーを筆頭に、後輩アナウンサー全員が参加し、総勢17人が登場。フジテレビアナウンサーをより身近に感じられる内容になった。
仕様:A3変型判(縦425mm×横300mm)/縦型・壁掛けタイプ/オールカラー13ページ
販売場所:全国書店、「フジテレビショップ」ほかで10月1日より販売中。
【Not Sponsored 記事】
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