小笠原海の内なる想い―超特急の未来と窪田正孝に受けた刺激 モデルプレスインタビュー
2017.07.14 18:00
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7人組メインダンサー&バックボーカルグループ・超特急のダンサー、2号車カイとして活躍する小笠原海(22)がモデルプレスのインタビューに応じた。窪田正孝を主演に迎え、石田スイ氏の人気コミックを実写映画化する『東京喰種 トーキョーグール』(7月29日公開)に出演する小笠原。音楽シーンで存在感を放つグループでの活動と、今作への出演をきっかけに強まった個人での活動への思いに迫る。
愛読している原作…人気キャラを演じる思い
映画の舞台は、人を喰らう怪人“喰種(グール)”が潜む東京。半分人間・半分喰種になってしまった窪田演じる主人公・金木研(カネキ)が、人の命を奪い、喰い生き永らえる“喰種”の存在に疑問と葛藤を抱きながら、熾烈な戦いに身を投じていく様を描く。小笠原が演じるのは、カネキの唯一の親友・永近英良(ヒデ)役。カネキが心の拠り所とする存在で、原作でも人気のキャラクターだ。
原作ファンを公言していた小笠原は、出演が決まったときのことを「事務所で飛び跳ねました。マネージャーさんから出演が決まったと聞いたのですが、そのフロアにいた全員とハイタッチをして(笑)」と振り返り、破顔し思いっきり喜ぶ。キャストの募集を聞いたときから「絶対にやりたい!」という思いが芽生え、それが見事に花開いた。
主人公・カネキの幼馴染のヒデは、快活ではあるが鋭い観察力を持ち、勘が良い。そんなヒデだけに、映画でも喰種となったカネキの秘密を知る由はないものの、カネキの心情を察し、身体を気遣い、変わらず側に寄り添う。
原作ファンから人気のキャラクターを演じたことには「ヒデは人気のキャラクターなので、原作ファンの方に『受け入れてもらえるかな』と思ったのですが、自分なりにヒデを演じて、観ていただいた方に『あいつ、ヒデだったな』と思っていただければ嬉しいです」と願う。多少なりとも、プレッシャーはあったはずだが「自分なりに楽しんで演じたい」という思いを胸に挑み、その結果、キャストと劇中ビジュアルが解禁されると「ハマリ役」などと大きな反響を呼んだ。
「原作ファンの方にも『ビジュアルが似てる』と言っていただけたことは、本当に嬉しいです。実写化となると、いい意見、悪い意見、どっちもあると思いますが、そういった声は嬉しいですね。また、劇場に足を運んでいただける1つの理由になれていたら幸せです」
性格も、ヒデと小笠原は重なる部分がある。これまで超特急のカイとして彼を何度も取材しているが、明るい性格で頭が切れる点はまさにヒデだ。空気を読み、周囲をフォローするのもうまい。
遠慮がちながら「ヒデほどじゃないけど、雰囲気が変わったとか気づけるほうだと思います」と話す彼。役作りでの苦労を尋ねてみると「役作りというよりも、長編映画でこういった大きな役をいただけたことが初めてで、挑戦でした。監督とたくさんお話をさせてもらいながら、少しずつ作り上げていった感じです」といった答えが返ってきた。
去年の夏、小笠原の出演が発表される前のことだ。ブログで作品名を伏せつつ、ある作品がオールアップしたと伝え「今後自分の人生を振り返ることがあれば、間違いなく大きなトピックになるであろう作品」と、大切に記していた。人気漫画を原作としたビッグタイトルの映画への出演は小笠原にとって初めての経験。さらには愛読していた原作と、思い入れの強さは計り知れない。
主演・窪田正孝と作品から受けた刺激
そんな現場で受けた刺激は大きい。半分人間・半分喰種になってしまい、普通の食事ができず、水とコーヒーだけ飲めるものの人肉しか受け付けなくなった主人公・カネキを演じた窪田の姿を「現場で食べているところを見たことがほとんどなく、本当にストイックに役作りをされていると思いました」と語る。「すごい方」だと尊敬の念を抱く窪田からは、今作だけでなく作品に対する姿勢を学んだ。そんな座長に感銘を受け「あんな俳優になりたい」と憧れを抱きつつも「程遠く、足元にも及ばないかもしれないけど、気持ちとしては親友で同じ立場。窪田くんに負けないように、喰種だけに食われないように、自分も食らいついていこうという気持ちでしたね」と攻めの姿勢と高い向上心をのぞかせる。
窪田とは、親友という役柄、距離も近かったといい、自身が出演しないシーンの撮影に足を運んだこともあった。そこで味わった雰囲気は、ヒデとしてどのように作品の世界へと入っていくかを考えさせるきっかけを与える。
同時に、役者として「トリッキーな役に挑戦してみたい」という思いも生まれた。蒼井優が演じたカネキを襲った喰種・神代利世や、大泉洋が演じた冷酷な手段も厭わないCCG(喰種対策局)の上等捜査官・真戸呉緒を例にあげながら、狂気をはらんだ役柄に興味を持ち「普段の自分と全然違った役をやってみたい。その役として、どういう感情が浮かんでくるのか、興味がありますね。自分がやったらどうなるんだろう」と目を輝かせて、役者としての夢を思い描く。
作品に込められたメッセージ
「人間からしたら喰種は悪。だけど、喰種からしたら人間は悪。どちらがやっていることが正しいのか、本当に人間は正しい生き物なのか。そう問いかけることもありましたね。普通に生きているけど、実はすごく残酷な生き物なんじゃないかと思うことも。改めて人間らしさとは何かというメッセージが作品を通して伝わればと思います」これが、小笠原が思う作品に込められたメッセージと魅力だ。
人間であり、喰種でもあるカネキ。どちらの世界も知るカネキは、悩み、苦しみ、葛藤する。カネキとヒデの友情も、作品の見どころの一つで、小笠原も「ヒデは、カネキが人間としての心を保つうえで大事な部分。ずっとカネキの心の中に、一番深いところにいるのはヒデなんじゃないかな」とヒデの存在がカネキにとってのキーであるという。そんな作品に込められたメッセージや、カネキとヒデの背景を意識しながら「何があってもカネキの味方でいたい。どんなことがあってもカネキのそばにいたい。そんな気持ちを考えながら演じました」と撮影を振り返った。
超特急のカイと俳優の小笠原海…2つが繋がる未来
小笠原が所属する超特急は、メンバーそれぞれが特技を活かし、ソロでも活躍ぶりを見せている。俳優として映画やドラマなどに出演する者もいれば、バラエティ番組で笑いを届ける者、音楽の道に注力する者と、ここ最近では個人での活動も盛んだ。メンバー同士で役者論を語ることは「まだないな(笑)」と笑うが、『東京喰種』の原作ファンは多く、小笠原の映画出演も喜んでくれたという。そして、今作をきっかけに自身の中では「もっと演技をやっていきたい」と役者としてのさらなる意欲が宿った。
「7人での活動ももちろん大切だけど、一人ひとりがもっともっと輝けるようになって、輝いた状態で7人が集まれば、もっと上の段階にいけるかなと思います。自分自身を磨きつつ、グループも磨けるような存在になれればいいですね」
個人での活動が増えてきたといっても、いつだって超特急のメンバーの1人であり、グループのことが頭にある。
「超特急の○○と思われるよりも、○○がいる超特急というのが7個集まったほうが、もっと超特急のステージが上がるというか、よりスーパーグループに近づくかなというふうに思います。そういった意味でも、もっともっと個人の活動はやりたいですね」
こう語る小笠原の姿が印象的だった。超特急は今年CDデビュー5周年の節目の年。超特急の未来を考え、グループ愛を感じさせる言葉だった。映画をきっかけに「小笠原海がいる超特急」と観客が興味を持ち、グループの人気・知名度のさらなるアップに、期待を込める。
夢を叶える秘訣
最後に小笠原に夢を叶える秘訣を聞いてみたら「口に出すこと」という答えが返ってきた。今作への出演も彼が叶えた夢の一つで「『東京喰種 トーキョーグール』もずっと前から好きだと言い続けていて、このような形で仕事に繋げることができました。好きなことや、やりたいことがあるなら言葉に出すということはとても大切。言葉にすることによって、自分自身の意識が変わり、行動にも移せると思うんです」とこれまでを振り返るように語る。超特急として叶えてきた大きな舞台をはじめ、個人でもK-POPやポケモンなど、彼が好きだと語るものが仕事に繋がっている。そんな状況に「すごく幸せですね。好きなことで仕事ができるのは楽しいです」と顔をほころばせる。
「好きなことや、やりたいことを言葉にする」。確かにそれも大切なことだが、その裏での努力は知り得ない。ただ、小笠原はいつだって自己肯定感が高く、前向きで自信に漲っている。そんな姿勢がいくつもの成功を導いてきたのだろう。
俳優・小笠原海、そして“小笠原海たちがいる超特急”の未来が楽しみだ。(modelpress編集部)
小笠原海(おがさわら・かい)プロフィール
1994年9月27日、神奈川生まれ。2011年から「超特急」のメインダンサーとしても活動中。また、公開待機作に『ハローグッバイ』(7月15日公開)がある。
映画『東京喰種 トーキョーグール』
原作:石田スイ「東京喰種 トーキョーグール」 集英社「週刊ヤングジャンプ」連載出演:窪田正孝、清水富美加、鈴木伸之、桜田ひより、蒼井優、大泉洋
村井國夫/小笠原海、白石隼也、相田翔子、柳俊太郎、坂東巳之助
佐々木希、浜野謙太、古畑星夏、前野朋哉、ダンカン、岩松了
監督:萩原健太郎
脚本:楠野一郎
<ストーリー>
人の姿をしながらも人を喰らう怪人・喰種(グール)。水とコーヒー以外で摂取できるのは「人体」のみという正体不明の怪物たちが、人間と同じように暮らしている街、東京。ごく普通のさえない大学生の金木研(カネキ)は、ある日、事件に遭い重傷を負ってしまう。病院に運び込まれたカネキは、事故の時一緒にいた喰種の女性・リゼの臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。自分が喰種化したことで苦悩するカネキは、以前から通い詰めていた喫茶店あんていくで働き始め、そこでアルバイトをしている女子高生・霧嶋董香(トーカ)と出会う。あんていくは喰種が集まる店で、トーカもまた喰種なのだった。トーカはぶっきらぼうな態度を取りつつも、やがてカネキを助ける存在となっていく。そんな中、喰種にも人間と同じように、守るべき家族や大切な友人がいること、愛する気持ちや哀しみ、憎しみといった感情があることを知り、カネキは人間と喰種、二つの世界の価値観の中で葛藤する。一方、喰種を駆逐しようとする人間側の組織・CCG(Commission of Counter Ghoul)の捜査官・亜門、真戸が現れ、熾烈な戦いに巻き込まれていくのだった…。
【Not Sponsored 記事】
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