女優・北乃きい「おかえり」の声に感じた思い 「自分の人生を全部渡す」振り切った恋愛観、「また歌いたい」次の夢は?<モデルプレスインタビュー>
2017.06.11 17:00
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女優・北乃きい(きたの・きい/26)が6月17日公開の『TAP-THE LAST SHOW-』で久々の映画出演を果たす。日本テレビ系朝の情報番組「ZIP!」では2年間司会として活躍。インタビュー後編では様々な経験を積んだ北乃の今後の展望などについて話を聞いた。
この2年で感じたこととは
―「ZIP!」で走り続けたこの2年は北乃さんにとってどんな2年でしたか?北乃:「ZIP!」には、今の司会の(川島)海荷ちゃんが入った年齢と同じく23歳から入りました。司会としては、0というよりマイナスからのスタートだったので学ぶことばかりでした。年齢もちょうどそうだし、新入社員1年目2年目のような感じでがむしゃらに…それで気づいたら歳を2歳とっていて20代後半になっていました(笑)。毎日毎日働いていたので、1年がすごく早くて。普通に1年を過ごすよりも速度がものすごく早いので、何年も続けられそうな気がしました。だからレギュラーの方たちは長くやっていらっしゃいますが、体感として長いと感じていないと思います。でも番組を出た時に年をとっているんです(笑)。ハッとしましたね。この2年間で周りは結婚をしていたり、結婚相手を見つけていたりするんですよ。「私が『ZIP!』をやっていた時に、みんな運命の人と付き合っていたんだ」と(笑)。仕事も23歳~25歳のあの時しかできなかった役もあったかもしれないなと正直思うこともあります。
― そこには少し後悔のような思いもありますか?
北乃:後悔はありません。私は生まれて1回も後悔したことがないんです。失敗はたくさんありますが、後悔はなくて。だから後悔はしませんでしたが、「あーあ。あーあ、26歳だ…。よし、またここから!」という感じです。
北乃きいの恋愛観
― 確かにこの年代だと結婚している人も多いですよね。北乃さんが今回演じられた森華はタップに打ち込むMAKOTO(清水夏生)が恋人ですが、ご自身は夢を追いかけている男性を好きになると華のようにサポートするタイプですか?北乃:私も華ちゃんタイプなので…共感できました。でも華ちゃんのように自分の夢を追いかけながら相手を応援するというよりは、私は全部捨てて行くタイプです。全部捨ててもいいと思える人に出会えたら、自分の人生を全部渡します。もしそれですごく良い道に行けなくても納得できます。「もう現世はこれでいい。来世にかける!」って(笑)。
― なるほど。すごく振り切っていますね(笑)。
北乃:振り切っていますよね(笑)。今、何でも出来そうな感じがするんです。
― 昔からそういう性格なのですか?
北乃:いえ、急に変わりました。何でだろう?…本当に最近、周りに結婚する人が多くなったんです。でも「私は私」という感じで、人の目を気にしなくなりました(笑)。
北乃きいの今後…
― では今後の北乃さんはどうなっていくのですか?
北乃:「ZIP!」から役者さんに戻ったので、役者さんとして生きます。この前(岸部)一徳さんに「おかえり」と言って頂いたのですが、すごく嬉しかったです。『社長室の冬』の本読みの時に急にお会いして「あ!一徳さん、一徳さん!」と声をかけたら、振り返ってポンと肩を叩かれ「『ZIP!』卒業したんだよね。おかえり」と言って下さいました。
― かっこいいですね!
北乃:そう!かっこいい~って(笑)。私も「ただいま帰りました」と答えました。それで岸部さんは先にサッと行ってしまい、私はその場に取り残されたのですが、ちゃんと自分の居場所があるのだ、と嬉しかったです。役者業を離れていたから、自分の席なんてもうとっくになくて新しい人もたくさん出て来ているから「また私は1から作るのだな」と思っていた時に、一徳さんが「おかえり」と言ってくれて「自分の席ってまだあるのだ」とすごく驚いて…なんだろう、あの感覚。初めての感覚でした。
― 久々にお芝居の舞台に戻るとなると、不安も感じましたか?
北乃:不安はもちろんあります。…あります。しかし一徳さんの言葉で「またしっかり頑張ろう」と思えました。『社長室の冬』が終わって「またね」と言って頂いて…『TAP』でまたお会いしました。一徳さんとは、よく共演させていただくんです(笑)。
今の夢は?夢を叶える秘訣
― では今の夢をお伺いしたいです。北乃:司会も歌もやって女優もやって…とマルチに活動してきましたが、その反面どれも中途半端に見えている、と感じたことがありました。例えば、海外の人達だと自己プロデュースも上手なので、歌も歌えて芝居も出来て、あれも出来て、これも出来て…という方がたくさんいる。一方、日本は映画だけ出る女優さんもいっぱいいるし、マルチって言葉があまり役者さんは好きではないかもしれない。でも私はその枠じゃなくていいや、と思います。いろいろ芸があることに越したことないですよね?最近、自分がいられる場所が分かったんです。
― マルチ枠、ということでしょうか?
北乃:はい。誰かがそういうマルチ枠をやってもいいのかなと思っているので、また歌いたいな、という気持ちもあります。10代の時は「女優が下積みもなく、ポンってCDも出した」と言われたのが悔しくて凹んで、路上ライブをやらせてもらったこともありました。でもそうやって頑張っても、次のCDを出した時には売れない…厳しい現実でした。そしてそれが売れないと次も出せず、すごくシビアでした。それでもせっかく始めたのだから、出来るなら歌ももう1回やりたいという思いもあります。司会も2年やらせてもらったから、呼んで頂ければやりたいです。今は本当に何も怖くなくて「周りから何か言われてもいいから、やりたいことやろう」という思いで、色々な活動がしたいです。
― また色々な北乃さんが見られますね。最後に夢を叶える秘訣を教えてください。
北乃:私が思う夢を叶える秘訣は、まずは頂いた仕事を真面目にやっていくことだと思います。あとは、変なプライドを捨てること(笑)。もちろん大事なプライドは取っておいて、変なプライドは早く捨てる方が良いです。私は捨てることが出来て良かったです。
― ありがとうございます。
北乃:ありがとうございました。
「最近、自分がいられる場所が分かったんです」という北乃。実際に、この日の取材現場では映画スタッフから「これまでの北乃きいとは雰囲気が違う。存在が変わった」という声を聞いた。そんなスタッフから寄せられた賞賛の言葉に「私、薄っぺらい人間ですから」と自虐トークも交え笑わせつつも北乃は「本当に。ここから厚くしていきますので。よろしくお願いします」と深く頭を下げ、その場を後にした。
様々な活動を通し“変なプライド”を捨てた強さを持った彼女が今後どんな役者となるのか。色々な顔を持つ役者・北乃きいから、ますます目が離せない。
(modelpress編集部)
TAP-THE LAST SHOW-(6月17日公開)
「相棒」の杉下右京役でおなじみの俳優・水谷豊の監督デビュー作。水谷が40年前から思い描いていた天才タップダンサーが主人公の企画を、自身の初メガホンにより映画化。監督:水谷 豊
出演:水谷 豊、北乃きい、清水夏生、六平直政/前田美波里/岸部一徳
―――舞台の向こう側にある輝く感動を超えた世界。自分のタップダンスなら、観客をもそこに連れて行くことが出来ると思っていた。危険と隣合わせ䛾高所でのタップ。自分も観客も最高潮の瞬間に、その男・渡新二郎(水谷豊)は舞台の床に叩きつけられた。…光の向こうの素晴らしい世界を垣間見て。
それから十数年…足を引きずり、酒におぼれた渡は、天才という名をほしいままにした栄光のダンサーとはかけ離れた生活を送っていた。そんな渡のもとへ、旧知の劇場支配人・毛利から「最後のショーを演出してほしい」という相談を持ちかけられる。
最高の舞台で劇場を締めたいという毛利を前に、渋々引き受ける渡。そんな彼の前に、それぞれが事情をかかえた若手ダンサーたちが集まって来る。
いつしか、自分が垣間見た世界を、若きダンサーたちに託そうと決意する渡。彼の中の止まった時間が、再び動き出す。
北乃きい(きたの・きい)プロフィール
生年月日:1991年3月15日出身地:神奈川県
血液型:O型
身長:158.0cm
趣味・特技:中国語・クラシックバレエ
2005年にティーン誌『Hana*chu→』モデルとしてデビューし、同年『ミスマガジン2005グランプリ』を獲得。2007年に映画初主演となる『幸福な食卓』では『第31回日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞し、同年ドラマ『ライフ』(フジテレビ系)の椎葉歩役で、連続ドラマ初主演を務めた。また2010年にはシングル「サクラサク」でCDデビュー。『ハルフウェイ』(2009年)『武士道シックスティーン』(2010年)『上京ものがたり』(2013年)『僕は友達が少ない』(2014年)『ザ・テノール 真実の物語』など話題作に次々と出演。2014年9月~2016年9月まで日本テレビ系「ZIP!」の総合司会を担当した。
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