倖田來未「愛のうた」に続く名バラード誕生 デビュー“17年目”でも進化し続ける! モデルプレスインタビュー
2017.03.14 14:47
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アーティストの倖田來未がモデルプレスのインタビューに応じた。3月8日(水)にニューアルバム「W FACE~inside~」と「W FACE~outside~」を2作同時リリースした。デビュー17年目でリリースする今回のアルバムコンセプトは「二面性」。実はデビューするまでの17年間は歌謡曲で育ち、デビュー以降の17年間はR&B/Hip Hopがアーティスト倖田來未のニュールーツになった。そのため、音楽的ルーツとして2つの道ができ、“17年”というこのタイミングだからこそのリリースに至ったという。そんな彼女にとって「W FACE」とは―――
「inside」と「outside」…“きっぱり分けて作ってよかった”
― 歌謡サウンドを踏襲したエモーショナルな側面「inside」とアグレッシブな側面「outside」の2枚を同時にリリースするんですね。倖田:実はデビュー以降の17年間、私の中での音楽的ツールになったR&B/Hip Hopといった洋楽的要素が詰まった「outside」が先に出来上がりました。デビューするまでの17年間、歌謡曲で育ちそういった楽曲を集めた「inside」は多くの作家さんに楽曲提供をお願いしたのですが、なかなかピンときた楽曲が見つからず、正直苦戦したんですよね。
― 「inside」は大人になった倖田さんを感じられました。中でも「BRIDGET SONG」は2009年にリリースされた「anytime」を大人にした感じがしました。
倖田:そうなんです!まさに大人にした続編のように仕上げました。今回、「inside」と「outside」をきっぱり分けて作ってよかったなと思いました。
― 両方にいいところがあって、聴いている側もよかったなと感じました。
倖田:ミッドバラードが多くてどうなるんだろうと思ったのですが、歌を聴くという作品として私の中では納得のいくアルバムに仕上がりました。「愛のうた」「you」など、倖田來未の代表曲を大人にした楽曲を作りたくて…。あとは、「好きでして」のような昔っぽいニュアンスがある曲もほしいなと。だけど“昔のまま”では少し違うので、いろいろと葛藤しながら楽曲をセレクトすることがすごく難しかったです。
― 「喜びのかけら」「Stand by you」「好きでして」のこの3つの順番は、ファンが鷲掴みできる並び方だなと思って。
倖田:曲順はすごく悩みました。いい曲が並ぶのも良くないし、だからと言って似たようなBPMだったり、似たようなサウンドが並ぶのも良くないと。この曲とこの曲を離そう、いやくっつけた方が臨場感があるかも、聴いてくれる人の心をこのまま持っていけるかも、など「inside」はすごくすごく悩みました。
― いまはiPhoneでシャッフルしながら音楽を聴く人が増えたので、曲順やテーマにこだわっているアーティストが少なくなってきた感じがしていました。だから、倖田さんにはこだわり続けてほしいです。
倖田:以前、配信シングルをリリースしたことがあったのですが、倖田來未はやっぱりパッケージにこだわりたいなと思って。もちろん私もパッケージ以外で音楽を聴く機会が増えたのですが、私は好きなアーティストならやっぱりパッケージがほしいなと思いました。なのでパッケージやジャケ写、曲順はこだわり続けたいです。
「愛のうた」の続編が誕生?
― 「喜びのかけら」は「愛のうた」の続編と言ってもいいくらい、次の代表曲になると感じました。倖田:作家さんが「愛のうた」と同じ森元康介さんなんです。「inside」は本当に苦戦していたので、森元さんから以前いただいたデモテープを引っ張りだし、「これだ!」と思える曲を見つけました。だから、実は昔作った曲なんです。誰もがイントロを聴いただけで「いい曲だよね」と言えるような歌謡曲を選びました。
― すごくいい曲が眠っていたんですね!
倖田:そうなんですよ!これ以外にも2~3曲いいなと思える曲がありました。ただ、当時1番を決めたら「愛のうた」だったとか、「Moon Crying」だったとか、それだけでほかにも素晴らしい曲はたくさんあります。森元さんと倖田來未は相性がいいんですよ。「WIND」も森元さんなので、倖田來未の中での代表作といえば森元さんです。
― 「好きでして」はタイトルがネットで話題になっていましたね。
倖田:打ち間違えかなと(笑)。だけど、ダブルネーミングで“好きで、ギュッとして”という歌詞があったりして。こうして、ああしてという“して”というものを付けたり、拝啓好きでしてという“好きでして”という意味もあったり。「好きで、好きで、好きで。」というタイトルの曲もあるので、タイトルどうしようと考えた末に、今回のタイトルにしました。
― 「Stand by you」もシングルカットしてほしいなと思ったぐらいです。
倖田:「Stand by you」は日本の音楽歴史に残る歌謡曲を作ってとお願いして出来上がった楽曲です。
― こう見るとどれも名曲ばかりですね。
倖田:始めは「inside」と「outside」対比するように並べていたのですが、ミッドバラードが多くなりすぎて、対にならなくなってしまいました。でも、聴いていて気持ちのいい曲順になったと思います。
初めて家族への思いをのせた楽曲「Promise you」
― 「Promise you」は初めて家族への思いをのせた楽曲だそうですね。倖田:家族のことを書いた曲を初めて作りました。結婚して、出産して、家族ができたからといって、そういった楽曲を作りたいとはあまり思わなかったのですが、タイアップ曲を担当するお話しを頂いて、家で幸せな暖かい家族だよねと思って、初めて息子のことを思って曲を考えました。
― 家族の思いが詰まっていて、すごくいい曲だなと感じました。
倖田:紆余曲折ありましたが、やっぱり愛する人への曲。基本的にはファンに対しての曲が多かったので、出来上がったとき違和感や不安があったのですが、ライブで2回歌ったときに反響がすごくて。みんな自分のようにというか、受け止めてくださって。“あなたを守るために”という歌詞があるのですが、ライブで歌うときは目の前にいるファンのみなさんのことなので、愛する人=家族=ファンと、全部が=で繋がっているということに気が付きました。家族のことを思って作った曲でしたが、ファンのみなさんに私の思いがしっかり届くんだと改めて感じることができました。
「Ultraviolet」「insane」「Bassline」…「outside」も聞きどころたっぷり
― 「outside」についてもお聞きします。「Ultraviolet」はミュージックビデオも拝見したのですが、改めて倖田さんのダンスに圧倒されました。倖田:今回は6曲を2日間で撮影しなくてはいけなかったという理由もあったのですが、いろいろ詰め込み過ぎずシンプルにダンスを見せるだけにしようと思えた曲です。「BE MY BABY」などの振り付けを考えてくれ、私のバックダンサーとしても活躍してくださったMAIKO、OOBAというダンサーが「LOADED」の曲のときに作ってくれたのがものすごくいい仕上がりだったので、今回もそういうふうに仕上げたくて振り付けを考えてもらいました。
― 久しぶりにMAIKOさんとお仕事をしたんですね。
倖田:デモテープがすごくかっこよくて、私が歌って踊ったらどうなるんだろうと、違和感が出たらどうしようと、怖かったのですが、そんなこともなく、本当にかっこよく仕上がりました。元々、ヒールで踊る予定で作った楽曲なんですよね。でも、振りを見て「無理だ」って思いました(笑)。でもライブでは…?楽しみにしていて下さい。
― あのトラックは倖田さんにしかできないと思いました。
倖田:そう言っていただけて嬉しいです。いま、ボーカリストというのが大変な時代になってきたなと思います。歌だけではなく、声でニュアンスを表現していかなくてはいけません。
― すごくかっこいいですもんね。
倖田:実はもう1~2曲対抗馬の曲があって。BPMやサウンド感が似ていて、第1希望が「Ultraviolet」だったのですが、歌いこなせるのかすごく心配で。音数が少ないので、これは、声勝負で歌い上げました。
― 「Insane」のメロディもすごく良かったなと。
倖田:サビがロック風なので、ロック×HIPHOPというように作りました。やっぱり私はミックスさせる音楽が好きなんだと思います。「Insane」はいつものマイクと変えてレコーディングに臨みました。実は、運命のマイクを見つけてしまったんですよ!私マイクにこだわったことが今までなくて、ビジュアル面ではすごくこだわってきたのに…(笑)。主人が「俺はギターにこだわっているのに、マイクにこだわったことがない」と言っていたことがあって。そのとき「私たちの武器ってマイクだよね」って話になって。そういったことを話していたときに運命のマイクと出会ってしまいました。もうそのマイクと違うマイクだと自分の中で納得のいく仕上がりにならなくて、はじめてマイクを、オーダーして歌い直していつも以上にこだわったレコーディングになりました。特に音数が少ないと、ボーカルが目立ってくるので。その日の声の調子でもマイクによって全然違う仕上がりになるということに気が付きました。
― 倖田さんがマイクについて語るって新鮮ですね。
倖田:そうですね。年々音楽にのめり込んでいるような気がします。音楽の流行りもどんどん変わって、やりたい楽曲も変わってくるのですが、やっぱりブルーノ・マーズやスティビー・ワンダーのようにサウンドを聴いただけで気持ちが上がるような楽曲を作っていきたいです。
― 「Bassline」のイントロのサックスもいいなと思いまして…
倖田:そう言ってもらえて嬉しいです。「Bassline」はイントロで決めました。「イントロかっこいい!」って。仮歌録りをしているとき、声にあっているなと感じて、昔のような懐かしさの中に新しさを感じることができました。そのとき、倖田來未はこれだってしっくりくることができました。
ビヨンセやシルク・ドゥ・ソレイユのライブを観にNY~LAへ…インプットした弾丸旅行
― この2枚のアルバムを作るのに、約1年かかったそうですが、いまリリースを迎えるにあたってどんな心境ですか?倖田:やっとという思いですが、作品を作っていてすごく楽しかったです!海外の作家さんのレベルの高さも実感することができました。音楽シーンって流行りによってどんどん変わるので、倖田來未も間口の広いアーティストになっていきたいです。
― 聴いてて、その充実を感じられました。
倖田:ありがとうございます。よくスタッフのみなさんから頑張りすぎだよって声を掛けられることがあるのですが、頑張っているというより楽しんでいるんですよね。もちろん、時間に追われてて、大変なこともありますが、それ含めてすべて楽しいです。
― 昨年はニューヨークにビヨンセのライブに行ったそうですね。
倖田:アウトプットばかりしていたので、インプットしないと、と思いまして。今年のツアーは全て一人でプロデュースさせていただくからこそ、もう少しインプットしたいなと思って見に行きました。ただ、ビヨンセを見てしまうと、演出が難しいという意味での怖さがありました。LEDの使い方やカメラの映し方など、勉強になるところはたくさんあったのですが、やっぱり本人の魅力が最大限に活かされていて、堂々としたパフォーマンス力がすごかったです。CDで聴くよりライブで聴いた方がとても良かったので、そういうアーティストを目指していかないといけないと思いました。
― 倖田さんはもうなっていると思います。
倖田:まだまだ研究しなくてはいけないことばかりです。インプットする時間ってなかなか設けられず、ニューヨーク行って1泊して、翌日ラスベガス行ってショー3つ観て、その翌日もショー3つ観て、夜中に帰るという弾丸旅行でした。でも、行っただけの価値はありました。もちろん気候の問題で、使えない機材や出来ない演出はあると思うのですが、自分にしっかりやってと背中を叩かれたような気がしました。
― かなりの収穫があったということですね。
倖田:そうですね。(インプットすることは)やっぱり大事だなと。好き嫌いせず、たくさんのアーティストさんのライブに行くということは大事なことと改めて思いました。
2年連続47都道府県ツアーがスタート
― 2年連続となる47都道府県ツアー「KODA KUMI LIVE TOUR 2017 ~W FACE~」が始まりますね。倖田:昨年59公演やりきりました。今年は60本で倖田來未史上最多になるそうです。
― このアルバムがすべてライブに繋がっているそうですが…
倖田:そうです。なので、ライブで歌いたい曲をすごく考えてアルバムを作りました。どの曲もアーティスト倖田來未という楽曲になったなと思います。こんな自分は嫌いだと思う女の子たちに倖田來未という1つの世界に入り込んでもらい、「inside」と「outside」を堪能していただけるようなショーをやっていきたいです。
― 進化した倖田來未が見れるってことですね!
倖田:作品・ライブ・ビジュアル含めて進化し続ける倖田來未を魅せていきたいと思うので、挑戦の日々がこれからもまだまだ続いていきます。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「W FACE ~ inside ~」
1.BRIDGET SONG2.Bring It On
3.喜びのかけら
4.Stand by you
5.好きでして
6.君想い
7.On my way
8.What’s Up
9.Promise you
10.My fun
「W FACE ~ outside ~」
1.W FACE2.Ultraviolet
3.insane
4.Damn real
5.Heartless
6.Bassline
7.Shhh!
8.Bangerang
9.WickedGirls
10.Cup cake feat.AKLO
※DVD/Blu-ray:Music Video 全6曲収録予定
倖田來未(こうだくみ)プロフィール
京都府出身。2000年「TAKE BACK」にてデビュー。以後数々のヒット曲を生み、ベストアルバムのダブルミリオンセールス、2度の東京ドーム公演、そして、近年では海外公演も開催するなど数多くの実績を残す。特にライブでの圧倒的な歌唱力、ダンスパフォーマンスは国内外から「Queen of live」と高い評価を得ており、海外アーティストとのコラボレーションも積極的に行う中、ファッションアイコンとしても幅広い活動を行っている。3月8日には通算13・14枚目となるオリジナルアルバム「『W FACE ~ inside ~』と『W FACE ~outside~』を2枚同時リリースし、2006年12月20日発売の5作目オリジナルアルバム『Black Cherry』以降、9作連続オリジナルアルバム1位獲得を成し遂げた。さらに、4月8日より2年連続となる47都道府県ツアー「KODA KUMI LIVE TOUR 2017~W FACE~」を開催。
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