

デザイナー靱江千草さんが手掛ける「バウト」が来春デビュー 目の肥えたファッション好きへ

尾州産地の虫文毛織(愛知県一宮市、虫鹿勝博社長)が新会社ボウトを設立し、デザイナーの靱江千草さんが23年春夏からアパレルブランド「バウト」を立ち上げる。得意とするテーラリング技術を生かし、目の肥えたファッション好きや30~40代の女性へ向けて提案する。百貨店の自主編集売り場やセレクトショップへの卸販売を中心に広げていく。
靱江さんはドゥロワーや大手アパレルなどで、約20年間デザイナーを経験。一時は結婚を機に一線から退いていたが、17年からフリーランスのデザイナーとして再始動した。様々な企業と組み、制約があるなかでデザインを続けていくうちに、「より妥協せずに物作りがしたい」という思いが強くなり、ブランドの立ち上げを決意した。
デビューコレクションは、コート、ジャケット、シャツ、セーター、ドレス、パンツ、スカートなど約70型。年を重ねたからこそ似合うと感じるアイテムや欲しくなる上質な素材のアイテムを軸に、等身大の感覚をデザインに注ぎ込んだ。


なかでも、仕立ての良さが伝わるジャケットとシャツ、パンツがキーアイテム。身頃と袖にセンタープレスを入れたアワーグラスシルエットのノーカラージャケット、イタリアの上質な綿ブロードにフランスの伝統的なオートクチュールレースメーカーのレースを胸元から袖に使用したシャツ、ウエストからマーベルトの素材をあえてのぞかせたトラウザーズなどを作った。中心価格は、ジャケット税込み12万円、シャツ3万~4万円、パンツ5万円。

1月末から販売を予定しており、まずは卸販売に力を入れる。7月末に行った展示会には百貨店や有力ショップのバイヤーらが集い、すでに地方からの引き合いも多い。ゆくゆくは期間限定店の出店やECサイトの開設も視野に入れている。
靱江さんは、「着た人の生活が豊かになったり、古くなってもそれが味になったり、ずっと大事にしてもらえるようなブランドを目指したい。将来は路面店を持ち、トータルでブランドならではの提案をするのが夢」と話す。
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