「VIVANT」キャスト陣も抱いていた日本ドラマへの危機感「1話を捨てる」構成の秘密 福澤克雄監督が明かす
2023.12.01 12:00
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俳優の堺雅人が主演を務めたTBS系日曜劇場『VIVANT』(2023年7月期)を福澤克雄監督ら演出陣が語る『VIVANT別版 ~副音声で福澤監督が語るVIVANTの世界~』が、15日よりU-NEXT Paraviコーナーにて独占配信をスタート。配信に先駆け、福澤監督がモデルプレスら報道陣の囲み取材に応じ、同作ならではのドラマ構成の秘密を明かした。
キャスト陣も抱いていた日本ドラマへの危機感
同作を制作するにあたり、福澤監督は日本ドラマに対し、国内だけでなくもっと外(世界)に進出していかなければならないという危機感を抱いていたという。その想いはキャスト陣にもあったそうで「だからこそ今回出演してくれたんだと思う」と話した。そんな中でも、モンゴルでの撮影をはじめ壮大な世界観を創る予算を持ってこられたのは福澤監督だからこそだといった声が上がると、「いや、赤字ですよ(笑)」と打ち明けつつ、“大変だけどやってみよう”というTBSという会社の前向きなマインドがあってこそ成立したとコメント。また、同局のドラマは基本的に社員が作るとし、たとえ赤字になってもドラマの作り方をはじめ受け継がれてきたものはストップさせないように創り続けていくノウハウの伝承が今になって生きてきたと説明。「技術も心意気もあるから今回も創ることができた。誰かが世界に1歩出ないと誰もやらないので今回僕がやってみました。世界に受けるかどうかはこれからです」と力強い眼差しで語った。
「1話を捨てる」新たなドラマ構成に挑戦
今回の副音声版を通して伝えたいこととして、「新しく挑戦したものや皆さんが聞きたいだろうなと思うところに説明を入れていった」と明かした福澤監督。新しく挑戦したことの1つに、「1話を捨てた」と答えたが、これは、後半にドラマを見せていくスタイルだと説明。「要するに日本テレビドラマの作り方って1話勝負なので、1話をいかに面白くするかにかけて物語が大きく動いている。そうすると例えば原作ものなら、1冊の本があったら3分の1ぐらいまで1話にフル活用して『さあどうだ!?面白いでしょ?』『ここまでやりました』と最大限のパワーで臨んでいきますが、きっと気合い入れすぎ状態になっていると思います。これに視聴者も気合いを入れて観ると『はいはい、最後こうなってこうなるんだよね』と大方予想がついた作り方になって失敗となってしまう」とした。一方、海外作品は「どんなドラマなのか分からないように作られているから、なんだかよく分からないけど面白そうなんですよね。だから回を重ねるうちに物語が動いていくような作り方をしようと思いました」と放送前に内容を伏せていた理由を説明した。
「最初は僕だって1話で乃木(堺)が別班だと分かるまでやった方がいいと考えていましたが、これがわかったら面白くないと思いました。ドラマが動かないということは、盛り上がりまで見せ続けるために、トラックをバンバン走らせたりヤギや羊を動かしたり、役者をたくさん入れたり…とお金がかかるということです。そして2、3話と続き4話で一気にドラマが変わるような作り方に挑戦しましたが、実はビビりながら作っていました」と当時の心境も吐露し、場を和ませた。
「VIVANT別版 ~副音声で福澤監督が語るVIVANTの世界~」
ハイクオリティな映像美に加え、重厚なストーリー展開で社会現象を巻き起こした『VIVANT』。「敵か味方か、味方か敵か。」のキャッチコピー通り、新たな謎や秘密が次々に明かされると、多くの視聴者が感想や考察を「#VIVANTep1」など話数ごとにハッシュタグをつけてリアルタイムで投稿し、SNSのトレンドを席巻。その熱気は第10話の最終回終了後も収まることなく続き、「#VIVANTep11」という架空の話数がトレンド入りするほどだった。そして今もなお『VIVANT』ロスを叫ぶファンや続編を希望する声が溢れている。そんな多くの『VIVANT』ファンの期待に応え、福澤監督ら演出陣が作品について語る副音声版の配信が決定。同配信では、公式X(旧Twitter)で寄せられた質問への回答、さらにまだ世に出ていない撮影秘話、演出陣だからこそ話せる本作に込められたメッセージなど貴重な話題が満載。これまで『半沢直樹』『下町ロケット』など数々のヒット作を世に送り出し、社会現象を巻き起こしてきた福澤監督の目線から見る『VIVANT』とは?(modelpress編集部)
配信日時※予定
12月15日(金)12:00 #1-4配信12月22日(金)12:00 #5-7配信
12月29日(金)12:00 #8-10配信
【Not Sponsored 記事】
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