6時間未満の睡眠は寿命の前借り? 日常のパフォーマンスと寿命を伸ばす「忙しくても寝る勇気」

2025.10.04 20:45
提供:All About

【医師が解説】「4時間睡眠でも平気」「自分はショートスリーパーだと思う」そのような“寝なくても平気自慢”は、将来の寿命を前借りしている可能性があります。短時間睡眠が生み出す危険な錯覚と、実際の健康リスクを、分かりやすく解説します。※画像:Shutterstock.com

「4時間睡眠でも平気」「睡眠時間を削っても集中できる」「自分はショートスリーパーだから」ビジネスパーソンの間では、“眠らないこと”が、しばしば優れたことのように語られます。

しかし睡眠時間を削ることは、将来の寿命の前借りになっている可能性があります。

医師として声を大にしてお伝えしたいのは、短時間睡眠でも平気と感じる状態自体が、すでに身体からの危険信号かもしれないという点です。リスクについて、分かりやすく解説します。

全人口のわずか0.004%……本物のショートスリーパーは非常にまれ

ショートスリーパーという言葉が一般化し、「短くても質のよい睡眠を取ればいい」という説も散見されます。しかし医学的には、短時間睡眠でも健康を保てるのは、DEC2遺伝子などの特定の遺伝子変異を持つ人に限られると考えられています。

この遺伝子変異を持つ人の割合は、全人口の0.004%ほどです。つまり、医学的に“本物のショートスリーパー”とされる人は非常に限られた存在で、ほとんどの人はこの“特別体質”には当てはまりません。

それでも多くの人が少ない睡眠時間でも「自分は大丈夫」と感じてしまうのはなぜでしょうか? その理由の1つが、寝不足による“錯覚”です。

錯覚のパフォーマンスが生む、危うい“無敵感”

睡眠不足の状態になると、体内ではアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌され、一時的に興奮状態になります。そのため「集中力が高まった気がする」「寝ていないのに元気」と錯覚してしまいます。

しかし、これはあくまで誤った感覚です。実際には脳や体のパフォーマンスは確実に低下します。

仕事での判断ミスや、感情の起伏が激しくなるなどの精神面の不安定さ、対人トラブルなどが起きやすくなります。それでも自分では“できている”と錯覚してしまうため、気付かぬうちに信頼や成果を損なわれてしまうケースも少なくありません。

6時間未満の睡眠は危険! 睡眠不足が招く、静かな健康リスク

6時間未満の睡眠を続けることは、「将来の寿命を前借りしている」ようなものです。近年の研究では、心疾患や脳卒中、糖尿病、がん、アルツハイマー型認知症など、生活習慣病の多くが、睡眠不足と密接に関連していると報告されています。

免疫力の低下や肥満リスクも高まるため、感染症にもかかりやすくなります。

さらに怖いのが、こうした健康リスクはじわじわと進行し、気付いたときには手遅れになっていることが多い点です。

睡眠は“サボり”ではなく、“最高の健康投資”!

「早く寝るのは怠け」「寝る間も惜しんで働くのが美徳」といった価値観は、残念ながらいまだに根強く残っています。しかし、これは誤解です。睡眠は、自分と大切な人の未来を守るための「戦略的な健康投資」です。

私たちの健康やパフォーマンス、そして人生の質は「どれだけ健やかに生きられたか」にかかっています。特に40代以降は加齢とともに回復力が落ちていくため、「睡眠の質」が10年後、20年後の健康状態を大きく左右します。

睡眠は単なる休息ではありません。脳と身体のメンテナンスを行い、翌日の集中力や免疫機能を高める自己修復の時間なのです。

仕事の効率を上げ、体調やメンタル、肌の調子を整えたいなら、睡眠に対する意識を変え、質と量の両面から見直しましょう。あなたの毎日はさらにクリアに、活力あるものに変わっていくはずです。

「忙しくても、睡眠時間だけは削らない」という「寝る勇気」が、あなたのパフォーマンスと寿命をのばします。

中田 航太郎プロフィール

予防医療専門家として活動する起業家医師。「後悔のない人生」をモットーに、戦略的な健康経営と個別化された予防医療サービス『Wellness』を提供。様々な媒体で幅広く情報を発信をしながら、人々が自分らしく生きるための健康をサポートしている。


執筆者:中田 航太郎(医師・起業家)

関連リンク

関連記事

  1. クールスカルプティング(クルスカ)効果を超える?湘南美容クリニックの「クルスカダブル」が凄すぎた
    【PR】クールスカルプティング(クルスカ)効果を超える?湘南美容クリニックの「クルスカダブル」が凄すぎた
    SBCマーケティング株式会社
  2. 料理研究家・鈴木沙織、-50kgダイエット成功の理由語る
    料理研究家・鈴木沙織、-50kgダイエット成功の理由語る
    モデルプレス
  3. メディカルサイズダウンの効果は?湘南美容クリニックの最新医療を体験
    【PR】メディカルサイズダウンの効果は?湘南美容クリニックの最新医療を体験
    SBC メディカルグループ
  4. 内田理央、やわらかボディの秘訣とは?“最高傑作”ファンの声にコメント返し&インタビュー<読者プレゼント>
    【PR】内田理央、やわらかボディの秘訣とは?“最高傑作”ファンの声にコメント返し&インタビュー<読者プレゼント>
    スリムビューティハウス
  5. 柴田あやな、10kg減のスタイルキープ術は?「燃えてるような、初めての感覚」骨盤ダイエットで気づいたこと
    【PR】柴田あやな、10kg減のスタイルキープ術は?「燃えてるような、初めての感覚」骨盤ダイエットで気づいたこと
    株式会社スリムビューティハウス
  6. 1年で20kg減に成功の麻生れいみ、新たに提案する“ケトンアダプト食事法”とは<モデルプレスインタビュー>
    1年で20kg減に成功の麻生れいみ、新たに提案する“ケトンアダプト食事法”とは<モデルプレスインタビュー>
    モデルプレス

「ダイエット」カテゴリーの最新記事

  1. 失った記憶は戻るのか? 脳が記憶するしくみと記憶喪失の2つのタイプ・思い出がよみがえるきっかけ
    失った記憶は戻るのか? 脳が記憶するしくみと記憶喪失の2つのタイプ・思い出がよみがえるきっかけ
    All About
  2. 「太りにくいカレーの食べ方」がある?管理栄養士が教える「NGな組み合わせと改善術」
    「太りにくいカレーの食べ方」がある?管理栄養士が教える「NGな組み合わせと改善術」
    All About
  3. 「無理なダイエットを続ける、高校生の娘。将来的な健康リスクも心配です」【管理栄養士が回答】
    「無理なダイエットを続ける、高校生の娘。将来的な健康リスクも心配です」【管理栄養士が回答】
    All About
  4. 下半身太りは”履くだけ”で解消?日常をダイエットに変える「骨盤ガードル」の実力とは<座談会>
    【PR】下半身太りは”履くだけ”で解消?日常をダイエットに変える「骨盤ガードル」の実力とは<座談会>
    大衛株式会社
  5. クールスカルプティング(クルスカ)効果を超える?湘南美容クリニックの「クルスカダブル」が凄すぎた
    【PR】クールスカルプティング(クルスカ)効果を超える?湘南美容クリニックの「クルスカダブル」が凄すぎた
    SBCマーケティング株式会社
  6. 冷え性は冬太りの原因にも… 「これを求めていた」とSNSで話題の“温活”とは?
    【PR】冷え性は冬太りの原因にも… 「これを求めていた」とSNSで話題の“温活”とは?
    株式会社ZERO PLUS 
  7. メディカルサイズダウンの効果は?湘南美容クリニックの最新医療を体験
    【PR】メディカルサイズダウンの効果は?湘南美容クリニックの最新医療を体験
    SBC メディカルグループ
  8. 柴田あやな、10kg減のスタイルキープ術は?「燃えてるような、初めての感覚」骨盤ダイエットで気づいたこと
    【PR】柴田あやな、10kg減のスタイルキープ術は?「燃えてるような、初めての感覚」骨盤ダイエットで気づいたこと
    株式会社スリムビューティハウス
  9. 明日花キララ「中学3年生の時にEカップ」 バストケア方法明かす
    【PR】明日花キララ「中学3年生の時にEカップ」 バストケア方法明かす
    株式会社クワンジャパン

あなたにおすすめの記事