

Q. 「コーラは依存性があり危険」って本当ですか? 子どもが飲みたがり心配です【薬学部教授が回答】
【薬学部教授が解説】コーラはカフェインを含みますが、常識的な量であれば大きな依存性の心配は少ないです。ただし注意すべきリスクもあります。分かりやすく解説します。
Q. 子どもがコーラを飲みたがります。「依存性があり危険」って本当ですか?
Q. 「小学生の息子が、コーラをよく飲みたがります。コーラは依存性があり危険なので、子どもには飲ませない方がいいと聞いたのですが、本当でしょうか? すでに依存症になっているのではないかと心配です」
A. 依存性の心配は不要ですが、糖分のとり過ぎによる健康リスクには注意が必要です
「コーラの依存性」を心配されているのは、カフェインが含まれているからでしょう。いわゆる「コーラ飲料」は、多様なメーカーから販売されているため一概には言えませんが、市販品が含むカフェイン量はそれほど多くありません。
依存を心配する必要はないでしょう。しかし、別の観点では注意が必要です。
まず依存とはどういう状態か、なぜコーラに依存の心配が少ないと言えるかを解説した上で、注意すべき点を解説します。
強い依存性で知られている麻薬や大麻、覚醒剤などの薬物は、皆さんもよくご存じの通り、法律で規制されています。これは、単に毒性があるからではありません。
実際に苦しい思いをして有害性に気付き、「やめよう」と思っても、自分ではどうしてもやめられない悪循環に陥るからです。どれだけ意志の強い人でも、一度はまってしまうと、自力では決してやめられません。
これらの薬物はいずれも脳に働きかけ、異常な精神状態を招く作用をもっているからです。薬物の摂取を繰り返すと、その薬物を求める抑えがたい欲求が生じ、摂取していないと不快な症状が現れるようになります。この状態が「薬物依存症」です。
薬物依存は、大きく「精神的依存」と「身体的依存」に分けられます。
■薬物への精神的依存
精神的依存が形成されると、薬物を使用したいという精神的な欲求をコントロールできなくなり、薬物が切れると激しい不安に襲われ、いても立ってもいられなくなります。
■薬物への身体的依存
身体的依存では、薬物が切れると手足のふるえ、吐き気、意識障害などの身体的な「禁断症状」が現れます。
禁断症状は、正式な学術用語では「離脱症状」あるいは「離脱症候群」と呼ばれますが、これらを抑えるには再び薬物を使用するしかありません。薬物がないとまともにいられない状態に陥ってしまいます。
最初にお伝えした通り、ほとんどのコーラ飲料には「カフェイン」が含まれています。カフェインはコーヒーやお茶にも含まれ、脳を覚醒させる作用があり、眠気覚ましにも使われる成分です。
つまり「脳に働きかけ、通常とは異なる精神状態をもたらす」という点では、乱用や依存の可能性があります。
「麻薬及び向精神薬取締法」では、「安息香酸ナトリウムカフェイン」は「第一種向精神薬」に分類されている、規制対象の成分です(※ただし一般的に食品や飲料に含まれる量のカフェインは、規制対象ではない)。
「安息香酸ナトリウムカフェイン」は、薬学的な観点で見ればカフェインと同等の成分ですので、カフェインは「乱用の恐れがある薬物」ともみなせます。
日常生活の不満やイライラ解消のために大量にカフェインを摂取し続けた場合には、精神的依存を主とした「カフェイン依存」になることがありますが、身体的依存は少ないです。
市販のコーラに含まれるカフェイン量はそれほど多くありません。喉が渇いたときに1本飲む程度なら問題ないでしょう。子どもは大人よりカフェインに敏感なので、飲み過ぎは避けた方がよいですが、強く禁止するほどのリスクはありません。
一方で、最近は眠気覚ましや活力アップをうたうエナジードリンク類が売られています。これらはカフェイン含有量が比較的多いため、子どもに飲ませないようにしましょう。
コーラ飲料に関して注意すべきは、依存性よりも糖分の過剰摂取です。子どもでも、肥満や糖尿病のリスクが高まります。「カロリーゼロなら安心」と思うかもしれませんが、「ゼロ」と表示されていても、実は本当の「0」でないケースもあります。
基準以下の微量の糖分を含む場合、大量に飲めばカロリー過多になることもあると知っておきましょう。
さらにコーラにはpH調整のため「リン酸」が多く添加されています。リン酸はカルシウムを溶かす作用があるため、飲んだ後にうがいや歯磨きをせずに放置すると歯が傷みやすくなります。またカルシウム吸収を妨げたり、血中リン酸の増加により腎臓に負担がかかったりする可能性もあります。
過度な心配は不要ですが、飲み過ぎには依存以外のリスクがあるのです。親御さんは正しい知識をもって、お子さんのおやつの楽しみと健康のバランスを考えていただければと思います。
薬学博士・大学薬学部教授。東京大学薬学部卒業後、同大学院薬学系研究科修士課程修了。東京大学薬学部助手、米国ソーク研究所博士研究員等を経て、現在は武蔵野大学薬学部教授として教鞭をとる。専門である脳科学・医薬分野に関し、新聞・雑誌への寄稿、生涯学習講座や市民大学での講演などを通じ、幅広く情報発信を行っている。
執筆者:阿部 和穂(脳科学者・医薬研究者)
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