「あの家、ゴミの分別できてないわよ」と監視しているご近所→引っ越してきた家族の事情を知った日
透明な袋に見えてしまうもの
新しい家族が引っ越してきたのは、ちょうど桜が散り始めた頃でした。挨拶らしい挨拶もなく、引っ越しのご挨拶の品も届きません。それだけならよかったのですが、最初に集積所に出された袋を見て、私は内心ため息をついてしまいました。
プラスチックと燃えるゴミが一緒に入っていて、しかも袋がうちの地域指定のものとは違っていたのです。次の週も、その次の週も、似たような状態が続きました。町内会のもう一人の主婦と立ち話をしながら、「あの家、ゴミの分別できてないわよ」と口にしてしまった自分を、今思えば恥ずかしく感じます。
直接、声をかけることに決めた朝
このままでは集積所全体の評判が下がる。当番として、はっきり言わなければいけない。そう思って、私はゴミ収集の日の朝、いつもより30分早く家を出ました。集積所に着くと、ちょうど例の家の奥さんが、抱っこひもで赤ちゃんを抱えて袋を出しに来ているところでした。袋の中はやはり、分別がちぐはぐです。「ちょっと、それ、分別が違うわよ。前から気になっていたの」。声をかけると、彼女は青ざめた顔で「すみません……気づいてはいたんですが、対応する余裕がなくて」と消え入りそうな声で答えました。
玄関先で聞いた、ふたつの理由
集積所の前で立ち話もなんですから、と促されて玄関先まで一緒に歩きました。彼女はそこで、ぽつりぽつりと話し始めたのです。「夫が単身赴任中で、生まれたばかりの子と二人なんです」「以前住んでいた町とルールが違っていて、表を見ても頭に入らなくて」.
抱っこひもの中の赤ちゃんを見ると、まだ首もすわっていないような小さな寝顔でした。玄関のスタンド花だけは立派でしたが、廊下の奥には開けていない段ボールがいくつも積まれているのが見えます。私はようやく、自分が3週間ずっと「分別ができない人」としてしか彼女を見ていなかったことに気づきました。
そして...
帰り際、私は「私、ずっとあなたのこと、ルーズな人だと決めつけていました」と頭を下げました。それから「赤ちゃん、よく寝てくれてる?」とやわらかい声で尋ねると、彼女の目に涙がにじんだのが見えました。話したのはほんの15分ほどでしたが、玄関を出るとき、ずっと閉ざされていた何かが開いた感覚がありました。翌日、私は地域の分別表を印刷し、ラミネートして彼女の家を訪ねました。「分別表、一緒に貼っておきましょう」。差し出した私の手を、彼女は両手で握り返してくれました。気がつけば、私自身も誰かと言葉を交わすのは久しぶりだったのです。
(50代女性・主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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