『何点?』『聞かないで』『赤点?』 彼の返信で爆発した私と、玄関のケーキ
「今日テストだった」のひとことから始まった
ミクロ経済学の中間テストの返却日でした。出ていた点数は48点。合格点には程遠い赤点で、私はアパートに帰るなりベッドに倒れ込みました。
しばらく天井を見つめてから、なんとなく彼に話を聞いてほしくなって、スマホを手に取りました。打ったのはたった一言、「今日テストだった」。
彼はその日、サークル帰りで電車に乗っていることを知っていました。すぐに既読がつくと思っていましたが、本当にその通りでした。返信は「何点?」のひとことだったのです。「励ましてほしい」とは言っていません。でも、いきなり点数を聞かれるとは思っていませんでした。
「赤点?」のひと言が、思った以上にこたえた
私は「聞かないで」と返しました。点数を言いたくない時の私のサインです。普段ならここで彼も察してくれるはずでした。
ところが、すぐに返ってきたのは「赤点?」。当たっていました。当たっていたから余計に、何を返せばいいのかわからなくなったのです。「聞かないでって言った」とだけ送り、私はスマホを伏せて布団に潜りました。
優しさで察してほしかっただけなのに、雑なひと言で当てられたことが、思っていた以上にこたえました。スマホには「ごめんごめん、当たってた?」というメッセージが追加で届いていましたが、返す気になれません。
1時間後、玄関のチャイムが鳴った
布団の中でうとうとしていた18時半ごろ、玄関のチャイムが鳴りました。インターホン越しに見えたのは、息を切らした彼でした。
「ちょっと開けて」と言われて、玄関を開けました。彼は片手に小さなケーキの箱を抱えていました。ひと駅前のケーキ屋に走って買いに行ったらしく、額には汗がにじんでいます。「ごめん、ちょっと遅かったかも」そう言って差し出された箱には、白いショートケーキが入っていました。落ち込んでいたところに思いがけない訪問で、私は思わず「うるさいよ」と返してしまいました。彼は申し訳なさそうに「さっきの言い方、ごめん」と頭を下げたのです。
そして...
ケーキはふたりで分けて食べました。彼は「点数を当てに来た」のではなく、いつもの私と返信のテンポが違うことから察しただけだったと話してくれました。それを「赤点?」と打ってしまった自分が情けないと、何度も口にしていたのです。
雑な言い方で爆発した私と、それでも1時間で駆けつけてくれた彼。来週末は追試があります。彼が「一緒に勉強する」と言ってくれたので、今度はもう少し早めに「テスト勉強手伝って」と頼んでみようと思います。
(20代女性・大学生)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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